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精霊と人間の歩む道~イナテミスの精霊祭~

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シナリオガイド

共に歩む道の先がたとえ険しくとも、今だけは平穏な一時を。
シナリオ名:精霊と人間の歩む道~イナテミスの精霊祭~ / 担当マスター: 猫宮烈

 
「ようこそお出でくださいました、皆様。ささ、どうぞこちらへ」

 ザンスカール領内、パラミタ内海に面する都市、イナテミス
 シャンバラ王国建国に際して起きた動乱を、イルミンスールと契りを交わした精霊との協力で乗り越えたそこでは、精霊と人間との新たな門出を祝う『精霊祭』が開かれようとしていました。

「……既に各精霊長様から、都市の構築が完了した旨を告げられています。ウィール遺跡、および氷雪の洞穴についても、平静を保っているとのことです」

 イナテミスの町長室、出迎えを受けたエリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)アーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)ミーミル・ワルプルギス(みーみる・わるぷるぎす)を前にして、町長のカラム・バークレーが一枚の地図を広げて話をしています。
 地図にはイナテミス、それにウィール遺跡氷雪の洞穴の位置が書き込まれ、それらに重なるように5色に塗り分けられた箇所が書き込まれていました。
 
 建国を果たしたシャンバラ王国ですが、状況は決して楽観出来るものではありません。
 エリュシオン帝国に抵抗の意志を見せる西シャンバラ王国と、帝国の庇護下にある東シャンバラ王国の関係は、現状はろくりんピックを開催するなど良好な関係にありますが、危ういバランスの上に成り立っているのは否定出来ません。
 また、帝国がその強大な軍事力を以て、シャンバラ王国に牙を向く可能性もやはり否定出来ません。
 
 優れた魔法技術を持つ帝国とパイプを繋いでおきたいイルミンスール魔法学校と、シャンバラ建国を悲願としてきたザンスカール家との意見の交錯を経て、ともかく自衛力の強化は急務であるという結論が導き出されました。
 そこで、イルミンスールと契りを交わした精霊を、精霊と関わりの深い都市イナテミス周辺に集め、有事の際防衛に当たらせるという案が採られたのでした。
 
「異文化の交流を隠れ蓑に、矢面に立たせる。……精霊はこのことを感づいているはずじゃが、あっさりと頷きおったの。ま、相手がカヤノだからやも知れぬが」
 アーデルハイトがこの話を――本当の部分を隠した上で――、リンネ・アシュリング(りんね・あしゅりんぐ)のパートナーであり五精霊の一柱を担うカヤノ・アシュリング(かやの・あしゅりんぐ)に告げたところ、
「いいわよ。……イナテミスには色々とあるしね」
と了解の意思を示し、そして今、ウィール遺跡には同じく五精霊の一柱、セリシア・ウインドリィ(せりしあ・ういんどりぃ)が、氷雪の洞穴にはカヤノ、イナテミスにはサラ・ヴォルテール(さら・う゛ぉるてーる)セイラン・サイフィード(せいらん・さいふぃーど)ケイオース・サイフィード(けいおーす・さいふぃーど)が中心となって、それぞれの属性の精霊の『都市』が作られたのでした。
 
「国同士の関係は、私らには分かりかねます。ですが、精霊がこのような形で応えたとなれば、彼らと関わりの深い私らも最大限お応えいたしましょう。……それに、私個人としては、精霊と共に行く道の先に何があるのか、見てみたくもあるのです」
 カラムが言い終えるのを見計らったかのように、扉が叩かれます。
「町長、準備が整いました。既に精霊長の皆様を始め、多くの方が集まっています」
 扉が開かれ、進み出たホルン・タッカスキィ・ウインドリィが、精霊祭の準備が整った旨を報告します。
「分かった。……では皆様、行きましょう。今は無事にこの街と精霊が生き残り、再び手を取り合えたことを祝いましょう」
 カラムに続いて、エリザベート、アーデルハイト、ミーミルが部屋を後にしていきます――。


「……なるほど、そういう経緯があったんですね。ありがとうございます、リンネ先輩」
 広場に集まった大勢の人の中には、リンネに付き添われる形でフィリップ・ベレッタの姿もありました。
「どういたしましてだよ〜。……うーん、でもなんか、フィリポちゃんに先輩って呼ばれて敬語遣いされるの、むず痒いなぁ〜」
「そ、そんなこと言われましても……というかリンネ先輩、ちゃん付けはおかしくないですか? まるで僕が女の子みたいに聞こえます」
「だってフィリポちゃん、女の子っぽいところあるもん! 気の弱いところとか特にね」
「それを言わないでくださいよ、これでも一応気にしてるんですから。……分かりました、じゃあ今日から先輩のことは『リンネさん』と呼びます。敬語も……極力使わないようにするよ」
「うん! じゃあフィリポくん、よろしくねっ!」
「あっ……は、はい、せんぱ……リンネさん」
 満面の笑みを浮かべてくるリンネにフィリップが頬を染めてついと視線を逸らしたところで、周りの歓声が大きくなりました。
 姿を見せた町長、エリザベート、五精霊によって、『イナテミスの精霊祭』の開催が宣言されようとしています。
 
「……今日ここに、『精霊指定都市』イナテミスの成立、および、再び精霊と人間とが手を取り合い、共に歩むことを祝う『精霊祭』の開催を宣言いたします!」

 盛大な歓声と拍手に、町全体が包み込まれていきます――。

担当マスターより

▼担当マスター

猫宮烈

▼マスターコメント

いつもの猫宮・烈です。

今回のシナリオは、『精霊と人間の歩む道』キャンペーンの締めと、次キャンペーンへの橋渡し的な位置付けです。
これまで関わって下さった皆様はもちろんのこと、新たにイルミンスールに仲間入りした方にも、イルミンスールのこれまでと今後の道筋が見えるようなシナリオに出来ればと思っています。

キャンペーン中に知り合った精霊と交流を深めるもよし。
フィリップがリンネに色々教わっているように、五精霊やエリザベートたち、ホルンとキィを始めとした町の人たちに色々教えてもらうもよし。
状況を整理し、次なる冒険への備えとしていただければ幸いです。

プレイヤーの皆様が行ける場所は、
・ウィール遺跡(セリシアがいます)
・氷雪の洞穴(カヤノがいます)
・イナテミス北東部(セイランがいます)
・イナテミス北西部(ケイオースがいます)
・イナテミス南部(サラがいます)
・イナテミス中心部(全員います)
のうち、1箇所になっています。それぞれの場所が今どうなっているかを知りたい方は、参考にしてください。
2箇所以上はダブルアクションになり、正しく描写されない可能性がありますので注意してください。

フィリップはリンネに色々教えてもらっており、全部の場所を巡る予定です。

イナテミス中心部では大規模なお祭りが催されており、出店などの出し物も用意されています。
ここに行けば基本的に全員に会えますので、お祭りの雰囲気を味わいながら話を聞いてみたいという方はどうぞ。

掲示板を活用して頂ければ、新入生が先輩に色々教えてもらいながらお祭りを楽しむ、というアクション(グループアクション含む)もかけられるでしょう。
誰かに教えてもらうといったアクションは、相手がいなければ成立しにくくなりますので、成功率を上げる意味でも掲示板を利用していただき、アクションをかけていただければと思います。

それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

▼サンプルアクション

・それぞれの場所で、知り合った者と時間を過ごす

・NPCや先輩PC等に教えてもらいながら、お祭りを楽しむ

・関わりのあった者と、一緒に精霊祭を盛り上げる

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2010年08月17日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2010年08月18日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2010年08月22日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2010年09月16日


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