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聖戦のオラトリオ ~覚醒~(第3回/全3回)

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聖戦のオラトリオ ~覚醒~(第3回/全3回)

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シナリオガイド

「代理の聖像」よ。今こそ、その力――解き放て!
シナリオ名:聖戦のオラトリオ ~覚醒~(第3回/全3回) / 担当マスター: 識上 蒼


 彼女に「罪」を。彼には「罰」を。
                ――シャンバラ地方に伝わる伝承より――



 鏖殺寺院の拠点であった海上要塞の制圧戦から一ヶ月。
 製造プラントによるサロゲート・エイコーンの量産も開始され、機体数が充実し始めました。
 また、それに伴いこれまで天御柱学院と天沼矛それぞれにあったイコンの各種施設を、天沼矛内のものに統合しました。
 そして、学院の生徒達プラントでの攻防戦・要塞での制圧戦を教訓に、訓練を重ねました。
 要塞制圧という目的を達成しながらも、サロゲート・エイコーンでの戦闘ではまだまだ敵に及ばないことを、多くの生徒が改めて実感したからです。

「自分達に足りないものは何か?」

 それを考え、ときには悩みながらも、次の戦いを見据えて日々を過ごしてきました。
 そして――

* * *


「お、おい。なんだ、ありゃあ……」
 海上保安庁第十二管区(海京)の巡視船が、海京へ向かって太平洋上を進行している『怪物』を発見しました。
 丸みを帯びた胴体の上に、四つの眼を持った頭部のようなものが載っています。
 一部が海中にあるため、正確な大きさは分かりませんが、見えている部分だけで50メートルはありそうです。
『未確認機に警告する。直ちに――」
 警告の途中で、巡視船は『怪物』から放たれたビームにより、跡形もなく消し飛びました。
『カミロ。前線は君に任せる。イコン部隊とともに、先に海京を包囲してくれ』
 イコン部隊の指揮官であるカミロ・ベックマンに指示を出した後、怪物――最新型イコン「マリーエンケーファー」の中で、「十人評議会」の議長、エドワードは呟きました。

「さあ、行こう。自己中心的で低俗な愚民共を一掃しに」


『緊急連絡です! 鏖殺寺院のイコンが海京に接近しています。数は……』
 海上のレーダー反応を見た管制官は、目を疑いました。
100機です! 輸送機の姿もあります!! それに……データにない未確認機があります』
 これまでにないほどの規模で、寺院は海京を直接攻めようとしています。

『天御柱学院関係者各位へ。直ちに、地下シェルターに一般人の避難誘導を開始せよ! また、イコン部隊は今すぐ出撃準備に入れ!』

* * *


「腕の調子はどうだ?」
「ああ、もう大分馴染んでる。さすがホワイトスノー博士だ」
 女性教官と、彼女が降格となったことで新たに教官長となった五月田 真治の二人もまた、イコンデッキへと向かいます。
 今度の戦いは総力戦。教官達も全員出撃します。
――海京を、天御柱学院を守るために。
「今回の指揮権は五月田、お前に与えられている。頼むぞ」
 五月田教官は、一時的に無期停学者の処分を解除しました。
 海京の命運をかけて仲間が戦っている中、ただ黙って見ていることしか出来ないというのは、あまりにも酷だと彼は考えたからです。
 それに、命令違反をしたとはいえ、彼らは間違ったことをしたわけではありません。
「俺も、これ以上生徒達に不甲斐ない姿を見せるわけにはいかないからな。俺達の生徒は、絶対に誰一人死なせない」
 義手である自らの右腕を見て、五月田教官は呟きました。
「あいつらは、必ず守り抜く。そうしないと、デイヴのヤツに合わせる顔がないからな」

 また、地上での交戦に備え、パラミタ先進技術研究機構(PASD)を通じて応援を要請。
 さらに、校長のコリマ・ユカギール(こりま・ゆかぎーる)とPASDの術者ノイン・ゲジヒトが海京全域に結界を展開します。
(この戦いに、海京の明日がかかっている。絶対に負けるわけにはいかない!)


「聡、お前!」
 イコンハンガーに向った辻永 翔(つじなが・しょう)は、停学を食らってるはずの山葉 聡(やまは・さとし)がいることに驚きました。
「完全に停学を解除してもらえたわけじゃないけどな。出撃許可は出たぜ。
 さ、あいつらを倒して――戦いを終わりにしようぜ」
「聡さん、行きましょう。私達はこの一ヶ月、実機には乗らせてもらえなかったのですから、機体の調整が必要ですよ」
 サクラ・アーヴィング(さくら・あーう゛ぃんぐ)に急かされ、聡達が先に行ってしまいます。
「私達も行くぞ、翔。この一ヶ月の成果、見せつけてやろうじゃないか」
 アリサ・ダリン(ありさ・だりん)が翔に言います。
「ああ。今度は負けない。今度こそ、必ず……」
 その目には、一ヶ月前にあった迷いはもうありませんでした。

* * *


 極東新大陸研究所。
「これは……そういうことか」
 ジール・ホワイトスノー博士は、イコン製造プラントで発見された「匣」の解析を終えました。
 そしてそれと、一体の「少女人形」を持って研究所を出ようとします。
 避難誘導が始まっていますが、彼女が出るのはそのためではありません。
(おそらく、これでイコンの真の力を――解放出来る!)
 サロゲート・エイコーンの真の力を目覚めさせるため、彼女はある場所へ向かおうとしていました。
「大佐!」
 そのとき、研究員のドクトルが血相を変えて彼女の元へ来ました。
「モロゾフ中尉が……消えました!」

(少し、急がなくてはいけませんね)
 ある目的のため、海京警察の牢を脱したイワン・モロゾフは、海京警察の追っ手を振り切りました。
(大佐。学院にいる敵のスパイは必ず……)

* * *


「さて、まだ本隊が到着するまでかかるようですね」
 海京の街を見渡しながら、ローゼンクロイツが独りごちました。
(少々、私の方で時間稼ぎをしましょう)
 手に持ったカードをばら撒きます。

『影の人』

 カードは途中で影を纏い、人の形を成しました。
 それらは街の中に散っていきます。
(この戦いの結末。ここから見届けさせて頂きましょう)


 こうして世界を裏で操る「十人評議会」の事実上のトップが率いる軍隊と、天御柱学院による、「未来(あした)」をかけた決戦の火蓋は切って落とされました。

担当マスターより

▼担当マスター

識上 蒼

▼マスターコメント

 識上 蒼です。
 天御柱学院キャンペーンの第3回、第一部「覚醒編」のラストとなります。
 今回の結果によっては、海京が「壊滅」するかもしれません。かなり重要な戦いです。
 イコンの真の力が発揮されるかどうかが、今回の鍵を握っていると言っても過言ではありません。
 また、前回停学処分を食らった方も、ガイドにあるように一時解除になっているため行動制限はございません。
 結果によっては今回で正式に停学を解除される可能性も十分あります。

【アクション上の注意】

■PC側のイコン搭乗について
 現在搭乗可能なイコンは、以下の三種類です。
 ただし、イコン搭乗は天御柱学院の生徒限定です。

・イーグリット(近接型)
装備:ビームライフル
  :ビームサーベル
  :頭部バルカン
巡航速度:1.2Ma
最高速度:1.8Ma

・コームラント(遠距離支援型)
装備:大型ビームキャノン
  :頭部バルカン
  :ミサイルポッド(肩部)
巡航速度:0.7Ma
最高速度:1.0Ma

・クェイル(量産機)
装備:アサルトライフル
   頭部バルカン
巡航速度:1.0Ma
最高速度:1.4Ma


 追加可能オプション
・ビームシールド(イーグリット用)
・アサルトライフル(イーグリット用、ビーム・実弾)
・実体剣(コームラント、クェイル用)
・汎用機関銃(全機体対応。ビーム式・実弾式)

 今回から追加
・ビームランス(イーグリット用)
・長距離射程スナイパーライフル(イーグリット、クェイル。ビーム・実弾)
・射出型ワイヤー(全機体対応。実体)

※また、クェイルはフライトユニットを装備することが可能です。

 イラストを見たところ、コームラント同様、イーグリットのビームライフルも両手に標準装備だったようです(RMクリティカルのイラストで気付きました)
 ただし、上手く扱うには(二挺同時射撃ではなく、別々にトリガーを引きたい場合)二挺拳銃、並びにそれに準ずるスキル(二刀の構え、両手利き)が必要となります。

 オプションは最大二つまで選択可能ですが、多くなればその分機体の機動力は落ちますし、戦いながらの装備変更も容易でなくなります。

 搭乗機体はアクションに明記するようお願いします(機体略称:イーグリット→E、コームラント→C、クェイル→Q)

 また今後追加して欲しい装備に関して、リクエストは引き続き受付けます。条件に変更はありません。
 希望のある方はアクション欄に併せてお書き添え下さいませ。

■鏖殺寺院情報(こちら以降はPL情報になります)
 鏖殺寺院の戦力は、十人評議会の議長エドワードが搭乗するマリーエンケーファー1機、シュメッターリング80機+シュバルツ・フリ―ゲ20機、強化人間空挺部隊(専用輸送機が30機)です。イコンの小隊編成でいえば、5機編成×20です。

 敵イコンスペックは以下の通りです。
・シュバルツ・フリーゲ
装備:汎用機関銃(実弾式)
  :頭部バルカン
  :実体剣
巡航速度:1.1Ma
最高速度:1.5Ma

・シュメッターリング
装備:汎用機関銃(実弾式)
  :頭部バルカン
  :実体剣
巡航速度:1.0Ma
最高速度:1.4Ma

・マリーエンケーファー
装備:大型プラズマキャノン(主砲)
   ビームキャノン(×2)
   マルチエネルギーシールド
   TVM誘導ミサイル(赤外線とレーダー複合誘導のこと)
   拘束用ワイヤー(×10本。電撃を流すことも出来る)
   バルカン砲(×6)
   

※カミロ機はシールドを機体全体に展開し、ダメージを軽減する事が出来る仕様になっています。

※今回から敵は全機実体剣を持っていますが、ずば抜けているエヴァン以外の機体は素人レベルです。

 ちなみに、イコンの装備の射程は以下のようになります。
 大型ビームキャノン=スナイパーライフル>ビームライフル≧アサルトライフル≧機関銃>射出型ワイヤー>頭部バルカン>ビームランス>ビームサーベル=実体剣
 生身装備の機晶ロケットランチャーは、頭部バルカンと同じくらいの射程です。

■ボス情報
 装備の通り、エドワードの機体はこれまでのイコンとは比べ物になりません。(某ロボットものに出てくるMAのような感じで考えて頂ければ)
 機晶石による動力炉を4つ持っているため、ビームキャノンの単純な威力さえ、コームラントより上です。
 これだけの武装のため、操作系統は複雑ですが、エドワードとパートナーである三人の科学者の英霊(ヨハネス・ケプラー、ガリレオ・ガリレイ、アイザック・ニュートン)の頭脳があって始めて操縦出来ています。
 ただし、弱点はあります。
 膨大なエネルギーによる熱を逃がすため、排熱口が三ヶ所あります。そこを同時に破壊されると、熱が行き場を失った上にエネルギーが暴走し、機体が爆発します。


■追加情報(イコン関係)
・天御柱学院の性質上、イコン部隊は複数の小隊編成(一小隊あたり4、5機)を必然的に組むことになります。が、GAを組むかはお任せします。
 単独アクションの場合も、適宜どこかの隊には組み込まれます。そのことをご了承下さい。
・今回は教官達も総出撃です。
・TACネーム、コールサインもご自由に。
・一ヶ月の訓練の末、練度は向上しました。シュメッターリングならば、一対一でも撃破可能です。
 ただし、小隊長クラス以上は連携は必須でしょう。
 別格なのは、
 
 カミロ・ベックマン
 グエナ・ダールトン
 エヴァン・ロッテンマイヤー
 
 です。また、今回は敵の機体調整は完全な状態です。

・機体は搭乗者に合うように「調整」は出来ますが、「強化」「改造」はPCではまだ出来ません。ご注意下さい。

※この他のルールについては、マスターシナリオ講座を参考にして下さい。
※今回はまだ、ロボットミッションで使われているデータは参照しません。

■追加情報(その他重要事項)
・博士が向かうのは、天沼矛内の通信施設です。海京の街全体に、何かを流すようです。
・ローゼンクロイツの『影の人』は、核となっているカードを破壊しない限り、いくらでも再生します。ただし、どういうわけか一般人には攻撃しません。「契約者」に自動的に反応するようになっているようです。
・また、ローゼンクロイツは積極的に戦わず、傍観者としてどこかにいるようです。海京全体が見渡せる場所に。
・敵の強化人間空挺部隊は、例の黒い装甲服のクローン兵です。ただし、戦闘経験で「学習」しているため、一ヶ月前よりは強くなっています。


 天御柱学院キャンペーンもクライマックスです。
 どうぞ宜しくお願い致します。

▼サンプルアクション

・イコン部隊として、鏖殺寺院と戦う。(天学用)

・強化人間空挺部隊と戦う。

・避難誘導を行う。

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2010年12月16日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2010年12月17日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2010年12月21日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年01月24日


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