なし

　ある日、百合園女学院校長桜井　静香（さくらい・しずか）が校長室に行くと
　小さな女の子が飛び掛かってきました。

　「桜井静香！　大変なことになった！　とにかく来てくれ！」
　
　「しょ、小ラズィーヤさん！？」

　以前、未来からやってきた、
　静香とラズィーヤ・ヴァイシャリー（らずぃーや・う゛ぁいしゃりー）の娘、
　小（しょう）ラズィーヤが、また、現在に現れたのです！


　「神奈川県川崎市……新百合ヶ丘の財政が破綻してしまったそうですわ」
　　
　「えっ、でも、僕の家の借金は……」

　ラズィーヤの言葉に、静香は驚きます。

　静香の両親は、とんでもないお人よしです。
　そのため、数えきれない数の人の保証人になり、
　自己破産すれば地域の財政が破綻するほどの借金があるのです。

　しかし、小学生の静香と契約する際に、
　百合園の校長をするという条件で、
　ラズィーヤが借金を立て替えてくれていたはずでした。


　「それが、何者かの過去の世界への介入で、
　　お前と母上が契約できなくなってしまったようなのだ！
　　このままでは、大勢の人々が困る！
　　それに、私も生まれなくなってしまう！」

　「そんなの、僕も困るよ！　どうすればいいの？」
　　
　「一緒に過去の世界へ来てくれ。
　　お前と母上が契約できるようにするんだ。
　　それから、皆で桜井家の借金を返して、財政が破綻しないようにする必要がある！」


　こうして、静香と小ラズィーヤは、学生たちに頼んで、
　いっしょに過去で事件を解決することになったのです。

　なお、ラズィーヤは、間違って過去の静香と契約しないため、
　また、小ラズィーヤの持って来た、タイムトラベル装置の操作のために、留守番です。
　通常、シャンバラ人は複数の地球人と契約できませんが、
　過去と現在の静香は同一人物のため、何が起きるかわかりません。

　「小学生の静香さんにまたお会いしたかったですわ」
　と、ラズィーヤはとても残念がりました。





　一方、話を聞きつけた、
　百合園生の佐藤花子（さとう・はなこ）は。

　「これは、過去の世界で、
　　私が先に、ラズィーヤおねえさまと契約するチャンスだわ！
　　見てらっしゃい！　私こそがおねえさまにふさわしいのよ！」

　花子は、庶民出身で、しかも男の娘の静香が、
　憧れのお姉さまであるラズィーヤのそばにいることが気にいらないのです。





　そのころ、百合園の外れでは。

　宦官の男の娘集団、十嬢侍（じゅうじょうじ）のリーダーである、
　アルバ・フレスカが、
　巨大なハサミを構え、つぶやきました。

　「ついに、静香校長の、
　　男の娘の一番大切なものをいただく時が来たようですね……」
　
　高枝切バサミを動かす植木職人のように、
　アルバ・フレスカは、ハサミを動かしたのでした。





　タイムトラベル装置の光に包まれて、小ラズィーヤが叫びます。


　「行くぞ、桜井静香！
　　私たちの未来は変えられるのだ！　イッツ・ポシブル！」

　「小ラズィーヤさん、その言葉、どこで覚えたの！？」

　このシナリオは、漫画「おとこのこうちょう！」と連動した内容です。
　アルバ・フレスカ、佐藤花子など、　
　共通のＮＰＣが登場しますが、
　漫画を読んでいない方も、お気軽にご参加ください。

　シリーズ前作「しずかがかんがん！」の続編でもありますが、
　こちらも読まれていなくても大丈夫です。

　（もちろん、上記の作品を読んでいれば、より楽しめます）


　抽選では、百合園女学院が有利となります。

　■

　また、今回は、特殊ルールとして、
　静香の実家がある、過去の新百合ヶ丘に行くことになります。
　この時代は、２０１５年の３月、
　静香は、小学６年生（１２歳）、ラズィーヤは１４才です。

　「しずかがかんがん！」の「未来アクション」と異なり、
　タイムトラベルにはＬＣも自由に参加できます。
　通常のアクションでは、ＰＣは、すべて、現在の姿となります。


　◎前編のみの【選択ルール】【過去アクション】

　・ＬＣ追加を行い、ＬＣのアクション欄を使用することで、
　　過去のＭＣを登場させることができます。

　・【過去アクション】にアクション欄を使用したＬＣはリアクションに登場しません。

　・通常のＬＣによるアクションをかける場合、
　　別のＬＣのアクション欄を使用して
　【過去アクション】を同時に行うことはできません。

　・アクションの目的欄と、
　　【過去アクション】で使用するＬＣのアクション欄の冒頭に
　　【過去アクション】と、必ずお書きください。
　　※通常、目的欄の冒頭に書く【ＧＡ名】は、目的欄の【過去アクション】のすぐ後にお書きください。　　

　・舞台は２０１５年の３月の新百合ヶ丘です。
　　そのため、過去のＭＣはその時、新百合ヶ丘に、「たまたまいた」もしくは「住んでいた」ということになります。

　・【過去アクション】は前編のみの特殊ルールです。
　　後編に過去のＭＣを登場させることはできません。


　■過去での行動（現在のＰＣ、過去のＭＣともに）についての補足

　・過去の自分を現在に連れてくるなど、
　大きく現在を変更するアクションは可能ですが、必然的に実現は難しくなります。
　
　・また、重要ＮＰＣを殺すなど、世界設定を変更するような、
　本シナリオの範囲外の過去でのアクションは基本的に失敗とさせて頂きます。

　※無理にやろうとすると、
　過去の改変を可能な限り少なくした方が、
　目的を達しやすいと考えている小ラズィーヤによって、
　強制的に現代に送還され、全裸でヴァイシャリー湖に突き落とされます。

　また、罰として、ラズィーヤに宦官にされるなど、
　何らかのペナルティを受ける可能性があります。

　・なお、過去の世界でのストーリーは、
　今回限りとなり、後編は現在の百合園が舞台となる予定です。
　後編に向けての伏線を張られたい方は、その旨、ご注意ください。


　後編では、また、異なる選択ルールが用意される予定です！

　
　それでは、皆様の楽しいアクションを、お待ちしております！

・小学生の静香校長を守らないと！

・【過去アクション】過去の俺が事件に巻き込まれてしまうかも！？

・佐藤花子と共闘するわ！