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【ザナドゥ魔戦記】イルミンスールの岐路~抗戦か、降伏か~(第1回/全2回)

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【ザナドゥ魔戦記】イルミンスールの岐路~抗戦か、降伏か~(第1回/全2回)

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シナリオガイド【イコン参加可】

緩まない“母”の叱責に、“子”らが取る路は――。
シナリオ名:【ザナドゥ魔戦記】イルミンスールの岐路~抗戦か、降伏か~(第1回/全2回) / 担当マスター: 猫宮烈



 このシナリオを含む、本日と22日発表予定の【ザナドゥ魔戦記】へのシナリオ参加は、『1PCにつき1本のみ』でお願いします。
 2本以上の参加決定が確認できた時点で、参加した全てのシナリオにおいて白紙扱いとなります、ご了承ください。



「我はアーデルハイト……我の望みは、ただ混沌と破壊のみじゃ。
 存ずるに値せぬ者、それらが創り出した物共々、消し去ってくれるわ!」



世界樹イルミンスールの跡地に突如出現した、魔族の国ザナドゥの世界樹、世界樹クリフォト
……そして、エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)のパートナー、アーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)の変貌。

ザンスカールは、そしてイルミンスールは、大きな混乱の渦中にありました。

戸惑いながらも、イルミンスール魔法学校を始めとする生徒たちは、自分たちが力を合わせて創り出した物を守るために、懸命に戦いました。
……結果、犠牲は出しましたが、生徒たちはザンスカールから一旦は魔族の軍勢を退かせ、精霊指定都市イナテミス防衛を成し遂げました。
アーデルハイトの宣言した『創り出した物の破壊』に、抗ったのです。

●ザナドゥ:ベルゼビュート城

「……フッ、流石はお前が育て上げた契約者、といったところか」

 地上に顕現させた世界樹クリフォトから城に戻ったアーデルハイトは、従者のもたらす報告に耳を傾けつつ、まるで今のこの状況を楽しんでいるかのようでした。

「パイモンは……そうか。
 我も長らく眠っておった、国内の情勢には疎い。そちらは任せよう」

 アーデルハイトが魔神パイモンの不在の理由を問うと、彼はカナンの世界樹、世界樹セフィロトを介してザナドゥへ降り立った契約者たちの対処に自ら当たるとのことでした。パイモンの信頼する部下、四魔将も各地で契約者の対処に当たっており、また場所が場所であるため、自分が向かった方がいいと判断してのこと、という報告を聞きます。

「どうだ、息子が心配か? ……いや、お前は息子とは思っていないだろうな。
 だが、彼はれっきとしたお前の息子だ。我と、お前のな。
 息子がザナドゥのために力を割いているとあれば、手を貸してやるのが親の務めだろう?」

 自らの身体に言い聞かせるようなアーデルハイトの呟きに、答える声はありません。
「……まあよい。では、我も行こう。
 世界樹は狙えぬ、二度同じ真似をしたところで効果は上がらぬ。さすれば……」

 ザンスカール周囲の地図に視線を落としたアーデルハイトが、ある一点に目をつけたところでフフ、と微笑みます。
 ――そこは、イルミンスールの森より南方、ジャタの森と呼ばれている場所でした――。

●世界樹イルミンスール:校長室

「……概ね、予想通りでしたわ。
 いっそ、新校長を送り込んできてもおかしくないとさえ思っていました」
「そ、それは嫌ですぅ! だいたい、そんなことあるわけないじゃないですかぁ!」
「ええ、これによれば、ミスティルテイン騎士団は先月行われた欧州魔法議会選挙で過半数を維持したそうですから、今はまだないでしょう。
 ですが、薄氷の勝利です。今後数名の造反を出せば、ミスティルテイン騎士団は議会での権力を維持できなくなるでしょう」
 校長室に、エリザベートとルーレン・ザンスカール(るーれん・ざんすかーる)の声が響きます。二人は、エリザベートの父、ノルベルト・ワルプルギスから送られてきた、現在の欧州魔法連合の情勢を知らせる報告書を元に話をしているようでした。

「今はいいですけど、でももしそうなったら大変ですよね……。
 もしも新校長が親ザナドゥの立場を取りでもすれば、僕たちはザナドゥに手が出せなくなります。
 校長は分かりませんけど、ザナドゥに敵対する意思を見せれば、その人は放校処分にされてしまいますよね」
「えっと……どういうことでしょうか?」
「ちびねーさんにはちと難しい話やもんねー。よっしゃ、うちが教えたろ!」
「……すまない、私も同席させてもらっていいだろうか」

 二人の話を聞いていたフィリップ・ベレッタ(ふぃりっぷ・べれった)が呟き、状況がよく飲み込めていないミーミル・ワルプルギス(みーみる・わるぷるぎす)ヴィオラネラに教授を受けていました。

「……話を変えましょう。こちらの方がある意味本題ですが……エリザベート様。シャンバラの隣国、カナンにもザナドゥの魔族の襲撃があったことは、ご存知ですか?」
「聞きましたよぅ。世界樹セフィロトがザナドゥへ至る道を開いた、というのも聞きましたよぅ」
「それは……まさかカナンは、ザナドゥと本格的に事を構えるおつもりなのでしょうか」
「そこまでは知りませんよぅ。世界樹セフィロトと、世界樹クリフォトについてはちょこちょこと情報が入ってくるみたいですけどねぇ」

 エリザベートの言う通り、イルミンスールは現在、カナンと一定の範囲内での情報の共有を行っています。
 カナンの国家神、世界樹セフィロトの化身である豊穣と戦の女神イナンナは、アーデルハイトの“妹”です。
 彼女からもたらされる情報は、アーデルハイトを救う手がかりになるかもしれません。

「……とにかく、今はこれからどうするか、ですよぅ」

 エリザベートの言葉に、皆が口を閉じ考え込みます。
 ……ですが、これといった対策は浮かびませんでした。

「あの……アーデルハイト様ならこんな時どうするか、を考えてみるのはどうでしょう」
「大ババ様の考えなんて分かりませんよぅ。……それに、あいつは大ババ様じゃないですぅ」
「いや、はい、あの、そうなんですけど」
 提案したフィリップが、エリザベートに睨まれてタジタジになります。……ですが、しばらくの沈黙の後、エリザベートが口を開きます。
「……大ババ様は、痛い所をビシッ、と突いてくるですぅ。……でも、本当に触れてほしくない所は、滅多なことでは触れなかったですぅ」
「……つまり、嫌なことはしてくるけれど、まったくどうにもならないことはしてこないかもしれない、ということでしょうか?」

 ルーレンが口にしたところで、部屋を中規模の揺れが襲います。
「な、何ですかぁ? まさか――」
 エリザベートが世界樹クリフォトに視線を向けますが、別段変わった動きはありません。次にぐるっと周囲を見渡していくと、南方面を向いたところで一行が、揺れの正体に辿り着きます。

 ジャタの森の直ぐ側に、見たことのある禍々しい気配を放つ“樹”が出現していました。

「次の狙いは……ジャタの森ですか?」
 確かにジャタの森は、カナンと陸で繋がっていますが……」
 ルーレンの言葉の裏には、『ああして自由に出現することが出来るなら、何故直接カナンに出現しないのか』という言葉が隠れていました。
「それより、マズイですよぅ!
 今度はジャタの森が、イルミンスールの森みたいになってしまうですぅ!」
 ルーレンの疑問も、エリザベートの言葉の前に引っ込んでしまいます。エリザベートの言う通り、イルミンスールの森をこれほどまでに崩壊させたザナドゥが、ジャタの森に何もしないなんてことは、考えられませんでした。

「敵がジャタの森を狙ってますぅ!
 皆さん、ジャタの森を守るですぅ!」


すぐさま、ジャタの森を守る旨の連絡が、契約者に向けて発信されたのでした……。


●イルミンスールの森:世界樹クリフォト

「ふむ……あの位置が限度か。セフィロトめ、忌々しい」
 世界樹クリフォトの枝に立ち、吐き捨てるように呟いたアーデルハイトは、この位置から高みの見物を決め込んだようでした。

「……それで、貴様は我に何用か? 獅子の牙を隠す契約者よ」

 アーデルハイトが、『そこにいるものたち』に向けて声を発せば、アーデルハイトの眼前に三名の姿(一名は青年風の男性、二人は女性、うち一人は幼女と呼ぶが相応しい姿形)が現れました。

「これはご無礼を。どうかお許し下さい」
 恭しく一礼した男性が、朗々として言葉を発します。

「私は……ええ、アーサーと申します。
 “貴様”であれば、我が誰であるか理解していよう……アーデルハイト」

 それまでの温厚な面持ちを崩し、全てを見透かしたような視線を向ける、アーサーと名乗った彼を見つめ、アーデルハイトはフフ、と笑みを浮かべます。
「……なるほど、そういうことか」
「流石は、ザナドゥ最高の魔王様。本日はあなた様に是非、お目通り致したく参りました。
 今しばらく、私の他愛も無い話にお付き合いいただけますでしょうか」

 もう一度恭しく礼をして、アーサーはアーデルハイトの反応を伺います――。

担当マスターより

▼担当マスター

猫宮烈

▼マスターコメント

猫宮烈です。

【ザナドゥ魔戦記】内、イルミンスールのキャンペーンシナリオ、『イルミンスールの岐路』第1回です。
イルミンスール魔法学校に優先が付きますが、他の学校の皆様もどうぞご参加ください。

シナリオの舞台は、ジャタの森・世界樹イルミンスールとイルミンスールの森(世界樹クリフォトの地上部分含む)・イナテミス・EMUとなります。
これ以外の舞台に関係するアクションは、他シナリオとの兼ね合いを考慮し、没になることがあります。予めご了承ください。


●ジャタの森方面
ジャタの森に現れた魔族の軍勢は、
・出現した“樹”を守っている部隊:ゴーレムのように頑丈さがウリの魔族と、遠距離攻撃を得意とする魔族の混成。ゴーレムは十数メートル(イコンとほぼ同じ大きさ)、魔族の方は人とほぼ同じ大きさ:10+350
・ジャタの森を突き進む部隊:軽装だが素早さがウリの魔族、簡単な炎を扱うことが出来る。人とほぼ同じ大きさ:600
に分かれています。

これら魔族の部隊の侵攻を食い止めるべく、リンネとモップスの搭乗するイコン『魔王』が向かいます。
イコンの補給や整備には、世界樹イルミンスールと『飛空艇発着場』が使えます。ただどちらもやや遠かったり、設備が十分でなかったりするので、そのままではある程度の継戦時間の低下は覚悟しておいた方がいいでしょう。


●イルミンスール・クリフォト方面
エリザベートとミーミル(ヴィオラ・ネラ)、フィリップとルーレンは校長室にいます。
イルミンスールは今後、どうするべきかを決めなくてはなりません。エリザベートに徹底抗戦を迫ったり、あるいはいっそ降伏を迫ったり、考えられるアクションで関わることが出来ます。

アーデルハイトと、今回登場したアーサーなる人物は、世界樹クリフォトにいます。
アーサーの素性を知っているのは、現時点では十人評議会に名を連ねている方のみとします。もちろん素性を探ることも出来ますが、判定は非常に厳しいです。


●イナテミス方面
精霊長の面々は、街の防衛に専念しています。
この街に捕虜として滞在しているアメイア始め、元第五龍騎士団の面々をどうするべきかにも、関わることは出来るとします。


●EMU方面
『イルミンスールの命運』での生徒たちの訴えが功を奏し、ミスティルテイン騎士団は先月行われた欧州魔法議会選挙で定数の内半数以上の議席を獲得することが出来ました。
しかし、議席数は50から40となり、ここで3名以上の造反が出れば、過半数を維持できなくなります。
一方で対抗勢力であるホーリーアスティン騎士団は、議席数を12から22に伸ばしました。残る議席の動向如何では、ホーリーアスティン騎士団がEMU内で第一位となる可能性が生まれてしまったのです。

第一位の団体からイルミンスール魔法学校の校長(契約者であることが前提、という条件はありますが)が選出されるため、ホーリーアスティン騎士団が第一位になれば、自動的にエリザベートは校長の座から陥落、ということになるのです。
ちなみに新校長の候補は、アーサーではありません。


以下は、【ザナドゥ魔戦記】に関係する記述です。

『悪魔LCの立場』『魔鎧LCの立場』『死亡描写につきまして』『ザナドゥ側に付く場合』につきましては、【ザナドゥ魔戦記】特設ページに記載がありますので、そちらをご確認ください。

『魂を奪われた、もしくは捧げたPCについて』
普通の生活を送る分には、他の人と変わり無く過ごすことが出来ます。
但し、魔族に反逆する意思が見られた時点で身体の自由が利かなくなり、意思と行動の自由を奪われます。シナリオ終了時には元に戻ります。
(奪われるかどうかは、皆様の送っていただいたアクションを元に、マスターが判定します)

また、以上のPCが行動する場合、魔族の力の一部を与えられているとし、身体能力が一箇所強化されています。
どこが強化されているかは、アクションで指定することが出来ます。(例:目がとても良くなった、速く走れるようになった等々)


それでは、皆様のご参加をお待ちしています。

▼サンプルアクション

・ジャタの森を侵攻する魔族を食い止め、森を守る!

・世界樹イルミンスール、イルミンスールの森で、思うことをする

・イナテミスで、思うことをする

・無謀を承知で、世界樹クリフォトに行き、アーデルハイトに接触する

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2011年07月21日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年07月22日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年07月26日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年08月23日


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