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海に潜むは亡国の艦 ~大界征くは幻の艦~(第1回/全3回)

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海に潜むは亡国の艦 ~大界征くは幻の艦~(第1回/全3回)

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シナリオガイド【イコン参加可】

逆賊の艦を追うは、若き領主の艦。
シナリオ名:海に潜むは亡国の艦 ~大界征くは幻の艦~(第1回/全3回) / 担当マスター: 篠崎砂美

 
「それで、エリュシオンの領主様が、ツァンダまでなんの用かな」
 山葉 涼司(やまは・りょうじ)が、エステル・シャンフロウに聞き返した。ここは、蒼空学園の校長室である。
「お力をお貸しください。賊を討つ傭兵がほしいのです」
 軽く胸に手を当てて、エステル・シャンフロウが頭を垂れる。
「穏やかじゃないな。まあ、話してみてくれ」
 椅子を勧めると、山葉涼司はエステル・シャンフロウの話を聞くことにした。
 発端は、エリュシオンの一地方での反乱に始まる。
 旧ケクプロス領にある一地方都市シャンフロウ。その領主であるイルシトール・シャンフロウが、弟のソルビトール・シャンフロウによって暗殺されたのである。そのまま兵を挙げたソルビトール・シャンフロウは、空母スキッドブラッドを中心としたイコン部隊でユグドラシルに奇襲をかけた。「アスコルド大帝は神にあらず」を掲げて、その暗殺をもくろんだのである。
「そいつは、馬鹿か!? 暗殺者を送り込むでもなく、真正面から突っ込んでいったって、竜騎士団は抜けないだろう。だいたい、大帝を神でないなんて妄言を吐いても、民衆から総スカンを食うのは明白だろが」
 失敗するのが分かっていて、なぜそんなことをするのか分からないと山葉涼司が呆れた。
 実際、エリュシオンでは似たような反乱とも言えない反乱が散発的に起きていて、竜騎士たちが調べている。
「ええ。もちろん、創龍のアーグラ様のお力で撃退されました。けれども、叔父は逃げ延びて、ここシャンバラに潜入しているのです」
 その目的が、どうやらニルヴァーナに行くことであるらしいと、捕虜から情報を得たエステル・シャンフロウが説明した。
 ソルビトール・シャンフロウの目的はまだ分からないが、明確な目的があってニルヴァーナへむかっていることは間違いがないのだという。
「そんな小物なんて、どうでもいいとも思うが……」
 言いかけて、山葉涼司がちょっと考え込んだ。それでも、大型飛空艇一隻と多数のイコンを持っているらしい戦力を野放しにするのは問題だ。
「いいだろう。各学校に詳細を伝えよう。力を貸そうと思う者たちが、集まってくるだろうさ」
「ありがとうございます。データは、このチップに入っております。シャンバラのコントラクターの力、期待させていただきますね」
 そう言うと、エステル・シャンフロウは蒼空学園の校長室を後にした。
「して、御命令は?」
 外の廊下で待っていた親衛隊長のデュランドール・ロンバスが、一礼して訊ねた。親衛隊と言っても、彼を含めて四人の小さな騎士団だ。
「情報通り、アトラスの傷跡にむかいます。賊は、そこの施設を利用して月のゲートへと登るつもりです。その前に殲滅します」
 歩きながら、エステル・シャンフロウが説明した。別段、隠す情報でもないし、小耳に挟んで興味を持ってついてくる者がいるのならばそれもよい。
「殲滅ですか。心地よい響きだ。今度こそ、塵一つ残さずに賊を消し去って見せましょう。あやつらに残す姿形など必要ありません」
 もの凄く楽しそうに、デュランドール・ロンバスが冷ややかな笑みを浮かべた。
 シャトルとしての中型飛空艇に乗り込むと、二人はツァンダ桟橋の雲海に浮かべてある空母フリングホルニにむかった。
 
    ★    ★    ★
 
「敵、恐竜騎士団が前方に展開しています」
「構わん。予定通りだ。森の魔法使い共も、きっちりと我々を見つけていることだろう」
 部下の報告を受けたスキッドブラッドの艦長が言った。
「これより我々はいったん南下して敵を迂回した後に、カタパルトを奪取して月のゲートへとあがる。その先は、ニルヴァーナだ。邪魔する者は蹴散らせ。それが、唯一なるお方のお望みだ」
 完全にステルスをとくと、スキッドブラッドはシャンバラ大荒野を我が物顔に横切っていった。
 
    ★    ★    ★
 
 フリングホルニのなだらかなカーブを持つグレイッシュグリーンの船体は、純白の甲板に二本のカタパルトを擁している。艦尾両舷には優雅な翼状の補助フローターユニットがあり、機動空母にふさわしい運動性能をもたらしていた。
「お帰りなさいませ。キマクに駐屯している恐竜騎士団から情報が入っております」
 留守の間ブリッジでフリングホルニを預かっていたグレン・ドミトリーが、エステル・シャンフロウたちに報告した。
 ステルス航法でイルミンスールの森を抜けようとしたスキッドブラッドが、イルミンスール魔法学校によって不審船として発見されたということだった。
「さすがに、目は隠せても、その性悪な存在は隠し切れなかったようです」
 隠れたつもりでも、森を乱せばその存在などあっけなく魔法によって看破されてしまう。
「その後、シャンバラ大荒野へ強行突破した敵艦は、恐竜騎士団の布陣を見て、砂嵐に紛れて大きく迂回して姿を消したとのことです」
「恐竜騎士団も、お節介なことを」
 手を出すなと本国から釘を刺されているのだから、黙って見ていればいいとデュランドール・ロンバスが苦笑する。
 今回の遠征は、いわばエステル・シャンフロウの領主としての手腕を確かめるためのテストだ。そのため、各騎士団は、直接戦闘に参加することは禁じられている。
「何を言うんです。とってもありがたいことではないですか」
 エステル・シャンフロウに言われて、デュランドール・ロンバスが、差し出がましい口でしたと一礼する。
「恐竜騎士団によって意図的に誘導された敵艦は、南に回り込んでアトラスの傷跡へのコースを取るものと思われます」
「シャンバラからどの程度の戦力が集まるかは未知数ですが、うまくいけば包囲する形になりますね」
「ないしは、追撃する形になるかと。いずれにしろ、接敵予定地点は目的地にかなり近い場所になってしまうことは否めません。それでも、恐竜騎士団のおかげで、先に月へ逃げられることはギリギリまぬがれました」
「後で、礼文の発信を。一刻の猶予もなりません。フリングホルニを出港させます」
 艦長席に座ると、エステル・シャンフロウが命じた。
「繋留アーム外せ! 微速前進」
「微速前進」
「艦首回頭左40。北東に進路を取る。フローター出力増せ。高度プラス20」
 周囲をとりまく雲海を散らして、フリングホルニが浮上した。艦首を、遥かに見えるアトラスの傷跡へとむける。
「全艦戦闘待機。これより、本艦は逆賊の追討を開始する!」

担当マスターより

▼担当マスター

篠崎砂美

▼マスターコメント

 
 新キャンペーンです。
 エリュシオン、ニルヴァーナがらみとなっていますが、今回の舞台はシャンバラ大荒野、アトラスの傷跡付近ですので、背景設定は極端に気にしないでも大丈夫です。いや、気にしてもらっても大丈夫ではありますが……。
 また、マスターページにも情報があるので、そちらも確認してください。
 今回は、大型飛空艇を中心としたイコン戦になります。次回は、人間中心のバトルとなります。最終回は、大規模艦隊戦になりますので、大型飛空艇は茨ドームのときよりも活躍のチャンスがあります。今のうちにカスタマイズしておきましょう。
 このキャンペーンに限り、メインを大型飛空艇、ないしは、機動要塞として、別途艦載機として予備イコンの使用を認めます。もちろん、イコン単機での使用もまったく問題ありません。ただし、母艦なしでイコン2機だけとか、途中で乗り換えとかはなしとします。
 
 パターンとしては、
 イコン1
 大型飛空艇(機動要塞)1
 大型飛空艇(機動要塞)1、イコン1
 の3パターンのみです。
 
 ただし、アクション投稿時に指定したイコンや大型飛空艇以外は、当然データが固定されませんから、リアクション公開まで予備機は武装を変更しないか、機体の説明に装備している武装を全てメモっておいてください。そうしないと、装備していない武器を使おうとしていると判定されてアクションが没になることがあります。
 パイロットも、武装に準じますので、参加LCのみをパイロットしてしてください。搭乗パイロットに差異がある場合は、パイロットスキルを全て「ない」として参加LCで判定します。ないしは、パイロットがいないとして処理しますので注意してください。
 使用イコンや大型飛空艇が1つだけの場合は、データが固定されますので、アクション投稿後にデータを変更しても問題ありません。
 
 シナリオの流れは、アトラスの傷跡にある宇宙港にむかう敵空母を迎撃せよというものです。
 敵艦載機は、フライトユニットをつけたダークレッドのヴァラヌス飛行型と、ブースターパックをつけた漆黒のアーテル・フィーニクスが多数ということになります。場合によっては敵に随伴艦がいるかもしれませんので注意してください。
 
 味方は、空母フリングホルニですが、艦自体の戦闘力はほとんどありません。母艦を持たないPCイコンのベース基地となります。
 艦載機は、フライトユニットをつけたメタルレッドのヤクート・ヴァラヌス・ストライカーと紺色のヴァラヌス・フライヤーが1機ずつです。
 甲板にはカタパルトが二列あり、そこで発着が可能です。ブリッジ下に格納庫の出入り口があります。甲板中央部と舷側側はイコンが立てるスペースがありますので、そこに立って砲台代わりになることは可能です。舷側には、ガイドレールに沿って移動するバリアブルシールドがありますので、防御壁にできます。
 なお、敵空母スキッドブラッドは、フリングホルニの先行同型艦です。流線型のフリングホルニと比べてやや角張った無骨な形をしており、補助フローターはなく、艦底機関部がかなり大きくなっています。こちらは戦闘空母なみに艤装がされていますので注意してください。
 
 ガチガチに作戦を立てる必要はありませんが、好き勝手に攻撃を仕掛けると格好の各個撃破の対象になるかもしれません。ある程度の連携は重要です。敵は、孤立している的は集中的に狙ってくるでしょう。基本戦術ですね。場合によっては、PC艦・イコンでも容赦なく撃墜しますので油断は禁物です。ただし、第3回までに修理は可能にします。
 シナリオの性格上、大型飛空艇と機動要塞の能力を第二世代イコンなみにしてバランスを取っていますので気をつけてください。
 大型飛空艇などを持っていないPCは、イコンでヒロインの空母に着艦するなり、誰かの大型飛空艇などに乗せてもらって集結する形になります。イコンを使わない場合も、小型飛空艇などでヒロインか誰かの大型飛空艇に乗せてもらう形になります。なお、飛行甲板やコンテナを持っていない大型飛空艇は、当然何機もイコンを搭載できませんから注意してください。
 イコンに乗らない場合は、艦内要員か、小型飛空艇で戦うことになります。そのへんは工夫次第と言うことで。アトラスの傷跡などにいたとすることも可能です。いろいろと謎や、一見すると矛盾に見えるところがあるので、知恵と工夫で乗りきってくださいませ。なお、今回の結果は後の話にストレートに大きく影響します。
 

▼サンプルアクション

・エステルに謁見する

・敵空母を撃破する

・艦隊を組む

・アトラスの傷跡の守りをかためる

・単独で奇襲をかける

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年09月29日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年09月30日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年10月04日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年11月02日


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