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【四州島記 完結編 三】妄執の果て

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【四州島記 完結編 三】妄執の果て

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シナリオガイド【イコン参加可】

ついに最終回!契約者たちは、四州島に平和を取り戻せるか!?
シナリオ名:【四州島記 完結編 三】妄執の果て / 担当マスター: 神明寺一総

「ん――……。あ……?」

 遠くで何かの音を聞いたような気がして、三田村 掌玄(みたむら・しょうげん)は、ゆっくりと目を開けました。
 明るく輝く満月が、目に飛び込んできます。

(ここは……?)

 自分が今、一体に何処にいるのか、そしてどうなってしまったのかを確認しようと、身体を動かそうとして――

「グッ――ガァッ!」

 激痛に、掌玄は呻きました。
 身体の何処がどう痛いというのではありません。
 全身至る所が、痛いのです。

(そうだ……。あの時……、三道 六黒(みどう・むくろ)の起こした崖崩れに巻き込まれて――)

 主由比 景継(ゆい・かげつぐ)の不意を打とうとして、まんまと罠に嵌まり、進退窮まった六黒が、苦し紛れに引き起こした崖崩れ。
 しかし、いかに苦し紛れとはいえ、そのお陰で自分は半死半生の憂き目に遭い、主に至っては生きているのかすら定かではありません。

(そうだ――、鏡!)

 掌玄は、慌てて懐に手を入れました。
 指先で、ひんやりとした金属の感触を確かめ、ホッと息をつく掌玄。
 解理(かいり)の鏡は、確かにソコにありました。

 六黒が、拳一つで崖を崩し始めた時、掌玄は、何も考えずに鏡に向かって走りました。
 その挙句、崖崩れに巻き込まれたのです。
 深い精神集中にあって身動きの取れない主の代わりに、この鏡を守らなければと思い飛び出したのだが、何故あの時あんな事が出来たのか、自分でもよくわかりません。
 
(直前まで、腰が抜けていたのに――)

 『火事場のバカ力』というヤツでしょうか。
 とにかくあの時は、自分の身を守る事よりも、鏡を守る事の方で頭が一杯だったのです。
 掌玄の生まれた三田村家は、先祖代々由比家に仕える執事の家柄で、専ら『裏』の仕事を請け負って来ました。
 由比家自体が、五十鈴宮家の『裏』の仕事を一手に引き受ける家宰の家柄です。
 裏の仕事の更に裏、というのだから、三田村家の携わる仕事というのは、相当にロクなモノではありません。
 しかし掌玄は、そのロクでもない仕事に人生を賭けてきました。
 掌玄だけではありません。掌玄の父も、祖父もそうでした。
 恐らくは、もっと前の一族も皆、そうだったのでしょう。
 きっと、遺伝子レベルで使用人根性が染み付いているに、違いありません。
 そうでなければ、あんなロクでもない主に、ここまで献身的に仕える理由が見当たりません。

「――……」

 掌玄の耳にまた、何かの音が聞こえてきました。
 咄嗟に、耳をそばだてます。

(これは……声!?)

 それが、人の声だと気付いた掌玄は、痛みに悲鳴を上げる身体を無理やり引き起こすと、声のする方へと、足を引きずるようにして歩き出しました。
 進むにつれ、声はよりはっきりと聞こえてきます。

 呻き声です。誰かが、苦痛に呻いているのです。
 掌玄は、今にも崩れそうな不安定な足場の上を、月明かりだけを頼りに進みます。
 やがて行く手に、地面に横たわる人影のようなモノが見えてきました。

「――!景継様!!」

 それが景継だとわかると、掌玄は、転げるように駆け寄りました。

「景継様、景継様!」

 景継の名を何度も呼びながら、抱き起こそうと景継の身体に手を掛け――絶句する掌玄。
 両の掌に、粘着質の何か黒いモノが、べっとりと付いているのです。

 それは、血でした。

 景継の背中に突き刺さった樹の枝が、脇腹を貫通しており、そこから流れ出た大量の血が、血だまりを作っているのです。
 思わず悲鳴を上げそうになった掌玄は、必死にその声を呑み込みました。
 まだどこかに、三道六黒がいるかもしれないのだ。大声を上げる訳にはいきません。

「景継様!しっかりなされませ、景継様!」

 必死に景継に呼びかける掌玄。
 しかし景継の顔色はまるで死人のように真っ青で、月明かりの下では、生きているのかどうかすらわかりません。

(そ、そうだ……。と、とにかくまずは、息があるかどうか確かめないと……)

 ようやく落ち着きを取り戻してきた掌玄は、恐る恐る景継に近づいていくと、脈を確かめようと、首筋に手を伸ばしました。

「――ヒッ!」

 突然、腕を掴まれた掌玄は、心臓が止まりそうになりました。
 景継の血塗れの手が、自分の腕を掴んでいるのです。

「鏡は……、ドコだ――……」

 景継の、狂気に満ちた目が、自分を見つめています。
 
「か、かがみ――!鏡でしたら、ココに――!」

 掌玄は震える手で鏡を取り出すと、景継の指し示すままに、彼の胸の上に、それを置きました。
 そして、景継の手に、鏡を握らせます。
 掌玄の両目から、次から次へと涙が溢れてきた。掌玄には、鏡を求める景継の言葉が、今際の際の願いの様に聞こえたからです。
 己が野望を託した鏡を、最後まで手にしていたい――。掌玄はてっきり、景継がそう望んでいるだとばかり思っていました。

 だが、実際は違いました。
 景継は、まだ己の死を受け入れていなかったのです。
 その証拠に、絶え絶えの息の下、声にならない声で、必死に何か唱えています。

(呪文――!?)

 掌玄がその事実に気付いた時、彼の身体を、戦慄が走りました。
 死に際してなお、何事かを成し遂げようとする執念。
 その執念の凄まじさに、掌玄は恐れすら抱きました。
 そうして、畏怖と驚愕とに呪縛された掌玄が、目を見開いて見守るその前で――景継の唇の動きが、止まりました。

「か、景継様――?」

 上ずった声で、景継に呼びかける掌玄。
 だが、返事はありません。
 景継は、既に事切れていました。
 事切れているはずなのに――。
 景継の気配は薄まるどころか、ドンドンと強くなっていきます。 

「ば、バカな――。景継様はお亡くなりになったのだ……。そんな、そんなバカな事が……」

 恐れ慄(おのの)く掌玄の前で、景継の身体に常に影の如くまとわりついていた怨霊が、ドンドン濃さを増し、ドンドン大きくなって行きます。

「う、うあああ!うあああああーーーー!!」
 
 恐怖の余り、絶叫する掌玄。
 意識を失う前に、彼が最後に目にしたのは、自らの亡骸の上に立つ、怨霊と化した巨大な由比景継の黒い影でした。
    

 

「お加減はいかがですか、雄信様?」
「うん。もう、随分いいよ」
「まだ、無理をなさらない方が……」
「いや、大丈夫だよ。――有難う、母さん」

 首塚大社(くびづかたいしゃ)で東遊舞が奉納された、その二日後――。
 御上 真之介(みかみ・しんのすけ)五十鈴宮 円華(いすずのみや・まどか)は、首塚大社から救出された広城 雄信(こうじょう・たけのぶ)の元を訪れました。
 雄信は、予想以上の回復を見せていました。受け答えもしっかりしているし、母の春日(かすが)に手伝ってもらいながら上体を起こしたその顔は、確かに血色もいいです。
 元々、目立った外傷を受けていなかった事もあありますが、やはり若さ故の回復力もあるのでしょう。

 中ヶ原(あたるがはら)での、西湘(せいしょう)軍との決戦の最中。
 その血統ゆえに、由比 景継(ゆい・かげつぐ)によって首塚大神(くびづかのおおかみ)の依代(よりしろ)とされた雄信は、しかし強靭な精神力によって、何とか自らの身体の支配権を取り戻すと、首塚大社の本殿に閉じこもりました。

 (大神に対する封印が施されている首塚大社の本殿であれば、少しでも大神の力を削ぐことが出来るのでは……)

 と考えたのです。そして、この雄信の判断は正鵠を射ていました。
 一旦本殿の中に入ってしまうと、大神の、雄信を支配しようとする力は著しく弱まりました。
 雄信は、大神の激しい攻撃にもかかわらず、最後まで身体の支配権を保ち続け、社の中に押し留める事に成功しました。
 そして、大神が社に留まった事によって、眷属達も社の中に留まったのは幸運でした。
 しかし、雄信に出来たのはここまででした。大神が、怨霊の群れを喚び出すのを止めさせる事は出来ませんでした。その事は、中ヶ原(あたるがはら)での大虐殺と並んで、雄信の心に、深い悔恨の情を残しています。


「雄信様。お疲れの所、大変申し訳無いのですが……」
「いえ、大丈夫です。僕の知っている事は、全てお話します」

 体調を気遣う御上に、雄信は、しっかりとした口調で言いました。

「ではまず、首塚大神ですが……。大神はまだ、社の中にいるのでしょうか?」
「はい。大神は、皆さんの東遊舞(とうゆうまい)を邪魔しようとして、膨大な数の怨霊を喚び出しました。しかしそのために一気に力を失ってしまい、僕はその隙を突いて大神の支配から脱したのです。ですが、大神は消滅してしまった訳ではありません。また、眷属に憑依された旗本達も、未だ社の中にいます。彼等はきっと、力の衰えた大神を守るため、側近くにいるはずです」
「雄信様。その……、大神の力が衰えたというのは、本当なのですか?」
「それは、間違いありません。そのお陰で僕は、大神様の支配から抜け出す事が出来たのですから。……何か、あったのですか?」

 御上達の怪訝そうに違和感を感じて、雄信が訊ねます。

「実は……。東野ではまだ、怨霊が現れ続けているのです。しかも今度は、人々が鬼となる事態まで起きています」
「そ、そんな!?僕が脱出した時には確かに、大神様には新しい怨霊を喚び出す力はありませんでした。ましてや、人々を鬼に変える力なんて――」
「ではやはり、今回の事態は由比景継の仕業と見て間違いありませんね」
「私も、そう思います」

 頷き合う御上と円華。

「それで、一体どの程度の被害が出ているのですか?」
「昨日だけで、数百人が命を落としました」
「そ、そんなに……」

 絶句する雄信。

「怨霊だけなら最悪消滅させてしまう事も出来ますが、今回は、鬼人化した人達がいます。迂闊に攻撃する事も出来ず、対処に苦慮しています」
「鬼人化した人達を、元に戻す方法は無いのですか?」
「怨霊の浄化と同じく、東遊舞で元に戻せるという報告が来ています。ですが、東遊舞を舞う事の出来る人は、まだまだ少なくて……」
「大神様の次は、由比景継が……。一体我が東野は、どうなってしまうのでしょう……。私は仮にも藩主の座にありながら、何もする事が出来ない……。それどころか、自ら民を手に掛ける有り様で……」

 悔しさの余り、布団を強く握り締める雄信。
 その両の目から、大粒の涙がボロボロとこぼれ落ちます。

「雄信。お前が悪いのではありません。お願いだから、そんなに自分を責めないで……」
「母上……」

 そう言って、息子の手を取る春日の目からも、涙が溢れます。 

「雄信様……」

 円華も、雄信の名を呼んでは見たものの、それ以上掛ける言葉が見つかりません。 
 
「雄信様――」
「す、すみません御上殿。お見苦しい所をお見せしました。もう大丈夫です」

 春日の差し出した懐紙で涙を拭う雄信。
 もう一度顔を上げた時にはもう、元の毅然とした表情を取り戻しまています。
 
「雄信様。もう一つ伺いたいのですが、猪洞 包(ししどう・つつむ)という名前を、覚えてらっしゃいますか?」
「そうです、御上殿!その猪洞包という青年を、探して下さい!事は、一刻を争います!」

 猪洞包は、以前首塚大社のご神体である磐座が汚された事に怒った首塚大神を、東遊舞(とうゆうまい)によって鎮めた時に、何処からともなく現れた少年です。
 自らを、『首塚大神の生まれ変わり』と称した包は、リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)と旅する事になりましたが、その後、まるで童話の主人公のように、わずか数ヶ月の内に立派な青年に成長したのです。それは、皆に首塚大神の生まれ変わりと思わせるに、十分でした。
 その包は、首塚大社での東遊舞の警護に当っていたものの、戦いの最中、いつの間にか姿を消してしまったのです。
 御上は、彼が由比 景継(ゆい・かげつぐ)に殺されたか、攫われたのでは無いかと踏んでいます。

「実は、僕が首塚大神の支配から逃れる時、僕の頭の中に、大神の言葉が流れ込んできたのです」
「もしかして大神様が、『包さんを探して欲しい』と言ったのですか?」

 包の言葉に、円華が驚きの声を上げます。

「そうなのです。大神は、言っておられました。『猪洞包ハ我ガ和御魂(にぎみたま)ナリ。我ガ怒ヲ鎮メ、亦(また)神トナルニハ、和御魂ト一(いつ)ニ成ルヨリ他ナシ』と」
「包さんが、和御魂……」
「円華さん、和御魂というのは確か――」
「はい。日本やマホロバに置いては、全て神様は二つの顔を持っているとされています。一つは、荒々しく、破壊や死をもたらす荒ぶる神としての顔。そしてもう一つは、慈悲深く、人々に恩寵をもたらす神としての顔です。この二つの顔をそれぞれ、荒御魂(あらみたま)と和御魂と呼ぶのです」
「では今の大神様は、和御魂を持たない、荒御魂のみの存在であるため、祟り神のようになってしまっているのでしょうか?」
「そう思います」

 雄信の問いに、頷く円華。

「でも何故、大神は自分の和御魂を切り離すような事を?それともこれも、景継の仕業なのでしょうか?」
「それは、違うと思います」

 円華は、頭(かぶり)を振りました。

「何故大神様が、ご自分の和御魂に包さんという形を与え、切り離されたのかは、私にもよくわかりません。ですがそれはきっと、大神様が祟り神ではなく、これまで通り東野の地を守護する神として在り続けるために、必要な事だったのでは無いでしょうか」
「なるほど……。とにかく、大神様の言葉が合っているとするなら、包君は少なくとも生きていて、何処かにいる訳――恐らくは、景継に監禁されている――訳ですね。しかし探すと言っても、一体何処を探せば……。そもそも景継が何処にいるのかも、分からないのに……」

 今度ばかりは御上も、困惑の色を隠せません。

「もし本当に包さんが大神様の和御魂だとするなら、包さんは単に監禁されているのではなく、『封印』されているので無いでしょうか?」
「封印?」
「はい。もし私が景継なら、監禁などといういつ逃げ出されるか分からない方法よりも、より確実な封印を取ります」
「でも円華さん。人間を封印なんて出来るんですか?普通に考えたら、そのまま餓死してしまいそうですが……?」
「包さんは大神様の和御魂です。普通の人間よりも神に近い、より霊的な存在なのです。そんな包さんなら、封印も十分に可能です。そしてもし封印するのであれば、何も無い場所に封印するよりも、既に霊的な素地の調っている場所、例えば社とか祠とか、そういった場所を選ぶと思います」
「社や、祠ですか……」

 一体この東野に、社や祠が幾つあるのだろうか。御上は思わず、気が遠くなりました。

「あとは、首塚大神に関係のある場所、とか……」
「中ヶ原の首塚明神とかですか?」 
「さすがにそこではすぐに見つかってしまいます。もっと、普通の人が考えつかないような場所ではないでしょうか?」
「どちらにしても、探すのは至難の業、という事ですね……。分かりました。とにかく、みんなで手分けして探してみましょう」

 まさに雲を掴むような話だが、とにかく何としてでも探すしかありません。
 御上は、覚悟を決めました。


 
 一方、その頃――。
 南濘(なんねい)藩にあるアメリカ海軍の基地では、炎の魔神を再封印するための切り札、機晶エンジンを利用した要石(かなめいし)量産体制の整備が、急ピッチで進められていました。
 幸運な事に、米軍と南濘藩からは、損傷した大型飛空船の機晶エンジンの提供について了承が得られただけでなく、要石の作製に必要な、精密機器の一切の提供まで受ける事が出来たのです。

「あとはこれで、人も貸してもらえれば、言う事なかったのじゃがな……」

 成り行きで現地責任者となった宅美 浩靖(たくみ・ひろやす)の口を、思わず愚痴が吐いて出ます。
 米海軍は、前回の魔神掃討戦の失敗を受け、基地からの全面撤退を決めました。
 飛空船が埋まっていた沼地の大半が、既に溶岩の海に呑み込まれてしまった今、飛空船のサルベージはもはや絶望的な状況だ。仮に魔神が再封印出来たとしても、埋まっていた飛空船は既に使い物にならなくなっているに違いない。
 そう判断した米海軍司令部は、南濘基地の放棄と、人員の撤退を決定したのです。
 要するに、『旨味の無くなった四州島防衛のために、手を差し伸べる気はない』と言う訳です。

「ま、機密保持のために、基地と機材を破壊されなかっただけでも良しとするか……」

 実際、米海軍はそのつもりだったのですが、これは東野に駐留するアメリカ海兵隊のマイク・カニンガム基地司令が猛烈に講義してくれたお陰で、取り止めになりました。

 宅美は、カニンガム司令から、

「我が海兵隊は、四州島に米国人が一人でも残っている限りは、駐留を続ける。あんな海軍のタマ無し野郎共と一緒にするな」

 という、大変頼もしいお言葉も頂戴しています。
 今のペースで行けば、後数日の内には、必要な数の要石を揃えられるでしょう。

「問題は、魔神がそれまで待ってくれるかじゃが――」

 魔神は、一旦は我が方のイコン部隊によって撃滅され、その肉体の最後の一片まで溶岩の海に沈められたものの、早くも翌日には、溶岩の海の底にその存在が確認されました。
 恐らく倒された直後から、肉体の再構成を始めたものと思われています。
 魔神は未だ、溶岩の中からその姿を現してはいないが、上空からの偵察によると、既にかなりの大きさにまで復活を遂げているようです。

「もし要石が揃うまでに魔神が動き始めたら、また倒せばいいだけの事だ」

 と、メンバー達は息巻いているが、次も同じ手が通用するとは限りません。
 要石の作製とイコンの整備に余念が無い仲間達を他所に、宅美はどうしても、不安が拭い切れませんでした。

担当マスターより

▼担当マスター

神明寺一総

▼マスターコメント

 皆さん、いつもお世話になっております。神明寺です。
 いよいよ四州島記の最終話『【四州島記 完結編 三】妄執の果て』をお届けします。

 今回もまた申し訳無いのですが、いつもの如く、リアクションの作成期間を、通常よりも長く取らせていただきたいと思います。

 このシナリオのリアクションの公開予定日は、9月29日(月)とさせて頂きます。

 リアクションの公開が通常よりも大幅に遅れる事になりますので、プレイヤーの皆様には、くれぐれもこの点ご了承の上、ご参加頂きますようお願い致します。


 そうそう、それと、前回のリアクションを読んで頂いた方は既にお気づきの事とは思いますが、この度四州島記の扉絵を描いて頂きました!
 絵師さんは、須藤怜様です。
 有難うございました!!

 ちなみに、左から水城薫流と由比景継→真ん中が炎の魔神→広城雄信と首塚大神となっております。



【シナリオの目的】

 このシナリオの目的は、大きく分けて3つあります。

 1つ目は、怨霊と化した由比景継を完全に滅ぼす事。
 2つ目は、猪洞包を見つけ出し、首塚大神を元の穏やかな神へと戻す事。
 そして3つ目は、炎の魔神を再封印する事です。

 その他、景継の喚び出した怨霊を退治したり、鬼人化した人々を元に戻したり、また魔神を封印する準備が完全に整う前に魔神が活動を再開したら、魔神と戦う必要なども出てきます。

 モチロン、以上の目的以外での参加も大歓迎です(シナリオの趣旨から外れていなければ、ですが)。
 個人的な因縁のある方は、是非エピソード回で満足行くエンディングを迎えられるよう、因縁に決着をつけて置いて下さい。


【新規参加について】
 
 本シナリオはキャンペーンシナリオですが、これまで参加した事のないキャラクターであっても、問題なくご参加頂けます。
 また学校の制限も一切ありませんし、特定の学校の生徒が有利になるという事もありません。

 四州島の四藩は、一応マホロバ幕府の統治下にありますが、その幕府を含めて、外部の勢力が大規模な介入を行う事は一切ありません。
 しかし、個人の立場で戦いに協力する事は出来ます。

 新規参加のキャラクターの導入としては、「友人や知り合いから頼まれたり、あるいは何かのツテから四州島の内乱の話を耳にして、戦いに参加する事を選んだ」というのが一番あり得るケースかと思います。
 もちろん、その他の理由で戦いに参加しても一向に構いません。――マスターを納得させられるだけの説得力は必要になりますが。



【継続参加の方へ】

 今回のシナリオは、前回のシナリオから2日しか経過していません。ですので、基本的はこの2日の間に何かするのは不可能、としておきます。ただし、仲間内での情報共有や、四州島内での移動などは問題ありません。



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 ★☆★ 戦闘について ★☆★

 戦争を扱うこのシナリオでは、いつどのような形で戦闘に巻き込まれるかわかりません。ですので「戦闘で活躍したい!」という方は、アイテムやスキルなどをどう使うかも含めて、具体的な戦闘方法を書いておいて下さい。
 逆に「戦いたくない」という方は、どうやって戦闘を回避するのかを(「逃げる」「隠れる」等具体的な行動を、スキル・アイテムの使用も含めて)記述して下さい。
 戦闘描写は必要ない(あるいは書いて欲しくない)という方は、その旨明記しておいて下さい。
 その一文が無いと、マスターがキャラクターの装備やスキルを元に戦闘を描写する可能性があります。


 ★☆★ ダブルアクションについて ★☆★

 このシナリオでは、MCとLCが別々の場所で、別々の行動をとっても構いません。
 ただし、MC・LC共に一人が取れる行動は一つだけです。
 例えば「MCが自分の行動を取りつつ、LCの行動にも協力する」というのはダブルアクションになりますので、注意して下さい(助言したり、ケータイによる会話程度なら可能ですが)。



 ★☆★ NPCと称号について ★☆★

 このシナリオには、神明寺が管理するNPC(御上真之介等)と、これまでのキャンペーンに登場した四州島民のNPC以外は、一切登場しません(話の流れ的に、名前だけ登場することはあります)。
 それ以外のNPCを登場させるアクションは、失敗したり、そもそも不採用になることがありますので、注意して下さい。

 また、葦原藩やマホロバ幕府、その他各学校や日米両政府など、島外の勢力に協力を要請しても全て失敗に終わります。
 四州島の危機を救うのはあくまでキャラクターと島民たちであって、島外の人々であってはならないというのが、このキャンペーンでの最低限のルールとなのです。

 称号についてですが、他のMSのシナリオで獲得した称号を名乗るのは自由ですが、特別な場合を除き、本シナリオ内では効果はありません。


 ★☆★ 四州島におけるインフラについて ★☆★

 四州島はつい最近まで数千年に渡り鎖国を続けていたこともあり、パソコンやインターネットに携帯電話、さらには電気に至るまで、現代文明において必須と思われるインフラはほとんど普及していません。

 発電は一部で行われていますが、いずれも小規模な太陽電池や燃料電池で行われているため、その量はとても少なく、ほとんどが自家消費してしまいます。

 ガスも同様で、一部でLPガスが使われていますが、一般には普及していません。
 水道は大きな都市であれば上下水道が整備されていますが、浄水施設などはありませんし、ちょっと地方にいけば水道もありません。

 IT機器は四州島に進出している外国企業が利用しているのみで、一部の好事家を除けば、藩などの公的機関も含めて全く使用していません。
 携帯電話は、各藩の首府の、さらにごく一部にのみ基地局が整備されているという状況なので、原則PC〜LC間での通話以外には使用出来ないと思って下さい。
 このため各キャラクターには、無線機が貸与されています。

 また、公衆電話回線や光ファイバーケーブルなども一切ありません。外国企業で構内専用回線が使われているのみです。
 かつて調査団の本部が置かれていた広城城内には、空京と通信するための専用回線がありますが、それも不安定なもので、恒常的かつ快適に使えるようなモノでありません。


 ★☆★ 四州島の軍隊について ★☆★

 以上の如く、四州島の科学技術は前近代的なレベルにありますが、こと軍隊に限っては、急速に近代化が進んでいます。
 北嶺を除く三藩の軍隊では、自動小銃を兵士の標準装備とした軍編成や戦法が一般化しつつあります(残念ながら無線が無いため、意思伝達には未だ伝令が使用されていますが)。


 ★☆★ シナリオ内時間について ★☆★

 このシナリオ内で扱う日時ですが、現在の蒼フロ時間よりも2年近く前の、2022年6月頃を想定しています。

 と言っても、キャラクターデータについては特に変更する必要はありません(2012年3月以降に追加された種族やクラスなども、そのままで問題ありません。スキルやアイテムも同様です)。
 ですが、データ以外の設定などについては、例えそれが公式のモノであっても、話の整合性の問題から、採用できない場合があります。
 このキャンペーンは基本的に他のMSのシナリオから完全に独立していますので、問題ないとは思いますが、問題のある場合には掲示板から質問して下さい。
 またキャラクター個々人についてですが、特にアクションに記述がない場合、データ的にも設定的にも、現在と同じと判断してリアクションを作成します。
 逆に、「昔あの頃は……という事があったんだ」と言うカンジでアクションを書くのも面白いと思います。


 ★☆★ 質問を受け付けます ★☆★

 掲示板からの質問を受け付けます。

 掲示板の『アクション相談/リアクション感想』スレッドに、質問を記入してください。
 マスター側で「回答の必要がある」と判断した質問については、回答します。

 また、必ず書き込みの冒頭に、【質問】とつけるようにしてください。
 冒頭に【質問】とない書き込みについては、質問ではないものと判断しますので、注意して下さい。

 なお、質問の回答はマスターページにて行います。
 質問はアクション締切日の2日前の午前10:30まで受け付けます。
 時間は、掲示板の投稿時間で判断します。
 締切以降のご質問につきましては、原則お答えできません。

============================================================

 ★☆★ クリティカル(大成功)判定について ★☆★

 今回のシナリオでは、『クリティカル』というシステムを導入します。
 以下に、その判定方法を説明します。

 皆さんが掲示板に書き込みをすると、書き込みの一番右端にダイス(サイコロ)が2つ表示されますが、判定には、このダイスを使用します。
 まず2つあるサイコロの内、左側を十の位、右側を一の位として、2ケタの数字を導き出します。
 例えば、左側が「5」右側が「2」なら、「52」になります。

 一方マスターは、アクションが締め切られた後、一度だけダイスを振ります。
 使用するダイスを2つ。一つは赤、一つは青です。
 赤いサイコロを十の位、青いサイコロを一の位として、サイコロを振ります。
 例えば 赤いサイコロが「1」、青いサイコロが「6」なら、「16」になります。

 皆さんの書き込みのダイス目とマスターのダイス目を比べ、両方の数字が同じなら、そのプレイヤーの担当する
MC(およびLC)のアクションは「大成功」になり、予想外の素晴らしい結果を生み出します。

 
 言葉でいうとなんだかややこしく感じるかもしれませんが、「宝くじ」をイメージするとわかりやすいと思います。
 皆さんの書き込みのダイス目が抽選番号、マスターのダイス目が当選番号という訳です。

 なお、もし当選者が一人も出なかった場合は、再抽選を行います(マスターがもう一度ダイスを振ります)。
 それでも当選者が出なかった場合は、マスターは当選者が出るまでダイスを振り続けます。
 当選者が複数いる場合は、当選者全員のアクションが大成功になります。

 ちなみに、6面ダイス2つによって作り出されるダイス目は、6×6=36通りになりますので、クリティカルが発生する確率は
1÷36=2.7777……≒2.8%となります。
 ちなみに過去のキャンペーンでは平均すると、約50人参加で3人、30人で1人が、クリティカルとなっています。

 クリティカル判定には、参加者用掲示板への書き込みのダイス目を使用します。
 複数の書き込みがあった場合には、最初の書き込みのダイス目を、判定に使用します。
 書き込みが無かった場合は、そのプレイヤーの担当するキャラクターについては、クリティカル判定は行いません。

 当選番号と当選者は、アクション締め切り後に、マスターページにて発表します。
 
============================================================
 説明は以上となります。

『終わり良ければ全て良し』という言葉があります。
 その一方で、『画竜点睛を欠く』という言葉もあります。
 そして自分は、およそ物語というものは(ましてやそれがながければ長いほど)、最後が重要になる、と思っています。
 ですので、何とか皆さんに『面白かった!』と思って頂けるよう、最後まで頑張る所存でおりますので、是非最後までお付き合いの程、よろしくお願い致します。


 追伸

 掲示板に書き込みして頂いた方、有難うございました。
 アンケートを実施しては見たものの、ご意見らしいご意見は無かったようなので、このまま突っ走らせて頂きます(笑)
 感想、大変励みになりました♪

▼サンプルアクション

・東遊舞を舞う

・イコンで魔神と戦う

・封印に適した場所を探す

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2014年09月05日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2014年09月06日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2014年09月10日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2014年10月03日


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