なし

　イルミンスールの森の近く、そこには少女の幽霊がいました。
　少女が思い出せないことは自分が死んだ理由と、恋人の顔。
　少女が覚えていることは、生前に撮った写真をペンダントに入れて近くの洞窟に恋人とそれを隠したこと。
　少女が確信していることは、恋人が既に死んでいることと、自分が恋人の顔を思い出せないから成仏が出来ないということ。
　ただ、彼女はその場から遠くに行くことも物に触ることも出来ないのでペンダントを取りに行くことは叶いませんでした。

　少女は仕方なく、自力で恋人の顔を思い出そうとする日々を送っていました。
　そうこうしている間に、洞窟はゴブリンたちが宝物庫代わりに使い始め、そのお宝の噂を聞きつけて盗賊たちが辺りをうろつき始めたのです。
（このままじゃ、ペンダントも取られちゃう！）
　彼女自身が思い出せない以上、ペンダントは彼の元に辿り着く唯一の方法。それが無くなってしまえば少女は恋人に二度と会えなくなるかもしれないのです。
　少女は矢も楯もたまらず道行く人たちに助けを求めましたが、みんな幽霊の少女を怖がって事情を聞こうともせず、幽霊の噂だけが流れだしました。
　そのおかげで彼女の周りにはポツポツと人が集まるようになりましたが、みんな少女を怖がり、力になろうとする人間はおらず誰も相手にしてくれません。
　それでも、少女は叫び続けるのです。
　いつか自分の力になってくれる存在が来ることを願って、叫び続けるのです。

「お願い！　私をあの世に連れて行って！」

　どうも初めまして。
　新しく蒼空のフロンティアのゲームマスターを務めます西里田篤史と申します。

　今回のシナリオは洞窟に入り、ペンダントを届けて少女を成仏させるというものです。

　どうぞよろしくお願いします。

■少女の幽霊
　少女は地縛霊であり、その場をあまり動けないため洞窟には入れません。戦闘能力もなく、恋人の顔を思い出せないという未練を解消しない限りは成仏することもありません。
　基本的にしおらしい性格なのだが助けを求める言葉のチョイスと相まって幽霊っぽさが割り増しし、みんなに怖がられて詳しい話を聞いてもらえていない。

■探索について
　洞窟内は相当ぬかるんでおり、気をつけないと足音が鳴る。
　洞窟には松明が設置されており、そこそこ明るい。
　
　洞窟内にはゴブリンが出現します


■洞窟について
　洞窟は複雑に入りくんでおり、あちこちに剣や弓を持ったゴブリンがいる。
　お宝も一箇所には無く、バラバラに保管されている。
　洞窟内は松明がついており明るいが、地面はぬかるんでおり足音が聞こえてしまう。


■トラップについて
　ゴブリンたちにはトラップを作る知恵があるため、虎ばさみや撞木（しゅもく）トラップのような危険なトラップからタライや放水のようなイタズラトラップも仕掛けられている。


■ゴブリンについて
　とにかく数が多く、全員が剣や弓などの武器を装備している。
　基本的には雑魚キャラなので一対一なら余裕で勝てますが、わらわらと大所帯で動いているため乱闘は確実です。グループで動くことをオススメします。
　


■盗賊について
　屈強なリーダーの統率によりグループで動いています。
　リーダーだけは巨大なハンマーを携えて一人で行動し、ゴブリンたちを蹴散らして前進しています。この洞窟におけるボスのような存在です。
　かなりタフで頭も悪くなく、相手によっては山分けを持ちかけたり騙し討ちなどのような行為も平気でします。


■戦闘について
　足下がぬかるんでいるため、気をつけながら戦わないと転んだりして不意を突かれる可能性がある。
　火術などがあればある程度、地面を固めることは出来ます。
　雷術を使うと感電してしまいます。


■お宝
　洞窟のあちこちに保管されており金銀財宝や骨董品、はてはガラスやビー玉などが地面にそのまま置かれています。

　探している最中、盗賊と遭遇する可能性もあります。

・　洞窟探索

・　強敵と戦って苦戦しながらも勝利したい。

・　放水トラップを喰らって、みんなを悩殺したい

・　とにかく暴れたい。