なし

　先日、戦いに巻き込まれた
　タシガン空峡沿岸部　ツァンダに所属する小さな街≪ヴィ・デ・クル≫。

　戦いの被害は決して小さくはありませんでした。街の至る所には未だ傷痕が残っていました。
　それでも住民達は延期になっていた夏祭りを開催するために、汗水流して駆け回ります。

「マスターは人使いが荒い……」
　早見　騨（はやみ・だん）は額の汗をハンカチで拭きます。
　喫茶店で働いている彼は、マスターの指示で街中総出の夏祭りの準備に駆り出されていました。
「それにしても、ちゃんと人が集まるのかな？
　夏休みは終わっちゃったし、延期してた夏祭りの開催が決まったのだってついこないだなのに。
　マスターは人が来なくても街の人達が楽しめればいいって言うけど……」
　マスターは戦いの被害で落ち込んでいる街の住民達が活気づけばいいと話しました。
　もちろん騨もその事に大いに賛同しました。
　しかし、彼にはそれ以外にも夏祭りを成功させたい理由が他にもありました。
　騨のパートナーである≪猫耳メイドの機晶姫≫あゆむ。彼女が夏祭り当日に検査も兼ねた入院から退院する予定なのです。
「あゆむのためにもできるだけ盛り上げたいよな」
　夏祭りがあることは秘密で、驚かせつつ退院祝いをしたいと思っていました。
「何かプレゼントとか用意したほうがいいかな。食べ物とかアクセサリーかな……」

　騨が立ち止まって悩んでいると、段ボールを抱えたポミエラ・ヴェスティン（ぽみえら・う゛ぇすてぃん）がぶつかってきました。
「あぅ！？」
「あ、ごめんね」
「い、いえ。わたくしこそ余所見していましたわ。ごめんなさいですの」
　ポミエラは落としそうになった段ボールのバランスを必死にとります。
　彼女の視界は段ボールに塞がれ、前が見えていませんでした。
　そこで騨は段ボールをいくつか持ち上げ、運ぶのを手伝うことにしました。
「どこに持っていけばいいの？」
「イベント会場ですわ！」
「もしかして君も何かに出場するの？」
「はい！　わたくしのデザインした服を妃美さんと一緒に披露しますの！」
　ポミエラは知り合いの弓彩　妃美を巻き込んで、街の広場に設置されたイベント会場で洋服を披露しようとしていました。
　イベント会場では、他にも一発芸からコンサートまで様々な催しが行われることになっていました。
「沢山の人に見てもらいたいですわ！」
「そうだね。そのためにはやっぱり人が集めないと……」
　騨はほんのり涼しくなった風を感じながら、自分に何ができるのだろうかと考えました。

　季節は確実に秋に向かっています。
　ですが、≪ヴィ・デ・クル≫の夏祭りはこれから始まろうとしているのです。

　今年最後の夏を感じながら、
　一緒に祭りを楽しんでみてはいかがでしょうか。

　初めまして、またはお久しぶりです。
　虎＠雪（とらっとゆき）です。
　ここまでご覧になっていただきありがとうございます。

　今回のテーマは『夏祭り』。
　なんだかんだで夏らしいことをしていなかったので……。

　シリーズ物も終わり、心機一転。
　まったり、ほのぼの、のんびりやりたいと思います。
　よろしくお願いいたします。


　●まず初めに

　参加制限はございません。
　夏祭りを楽しくしたい方、楽しみたい方歓迎します。


　●アクションに関して

　☆夏祭りを楽しむためには、まず準備をしなくてはなりません。

　　露店やイベント会場の手伝い。（木材の調達や設置作業など）
　　また希望を出せば、露店の出店やイベント参加・企画をすることも可能です。

　　他にも人を呼び込むことが大切です。
　　ビラを配ったり、街の飾りつけをなどの行動が有効だと考えられます。


　☆夏祭りが始まったら、楽しみましょう。そして、楽しませましょう。

　　興味のある露店やイベントを見て回りましょう。
　　イベントに参加する方は出場時間を忘れずに。

　　露店を出す方はランキングもあるので、頑張ってください。

　　最後には綺麗な花火が夜空に揚がります。
　　気の合う友人や大切な人と、思い出に残る時間を過ごしてください。


　●最後に

　今年の夏も終わりますが、皆様の楽しい思い出をつくることができればと思います。

・他の方の手伝いをしたい

・あゆむを喜ばせたい

・夏祭りを盛り上げたい

・皆が楽しく過ごせるようにしたい