なし

　シー・イー（しー・いー）は夏休みに変な噂を耳にしました。
　ヒラニプラ鉄道に幽霊電車が現われるというのです。
　深夜、本来ならば列車など動かない時間帯に、灯りの消えた古代パラミタのおんぼろ列車が走っていて、誰かが近づくと、煙の中に隠れてしまうという話です。

　かつてはパラミタ全土に道路網が張り巡らされ、鉄道網が敷かれていたと考えられています。
　その名残である鉄道がヒラニプラ周辺にもあります。

　話を聞いた王大鋸（わん・だーじゅ）は、にやりと笑いました。
「幽霊じゃねぇ、これは金の匂いがするぞ」

　王大鋸は、最近、話題のラッキーボーイの顔を思い浮かべています。
　無一文で日本から空京やってきて、アングラカジノで大もうけしたという話です。
　金は金を呼び、カジノで儲けた金を使って始めた怪しげな接待のクラブや飲み屋で大儲け、今ではヴァイシャリーに別荘まで持っているそうです。
　幽霊電車が目撃され始めた時期は、彼が空京に来た時期を重なります。
　王大鋸は、彼が闇で集めた鉱物やら遺跡の調度品やらを空京から地球に運んで売り捌いているのだろうと推測しました。

　「横取りしようぜ」
　幽霊列車の話を教導団に告げるのも一案ですが、ここはチャンスです。
　王大鋸の元には、一儲けをもくろむ仲間がぞくぞくと集まっています。

　幽霊電車を装っていますが、闇組織のカモフラージュと思います。どんなお宝があるのかは分かりません。
　列車内は武装していると思われます。
「列車強盗」ですので、モラルが通じない場面も想定できます。

・列車を停めて、お宝を盗む。

・組織側に潜入して、列車情報を仲間に告げる。

・組織側について、襲撃計画を洩らす。