なし

　
「ヒュー、ヒュー。うそだぴょーん」
　イルミンスールの森に、奇妙な鳥の声が響き渡りました。鷽（うそ）という名の小鳥です。
　それはいいのですが、相変わらずでたらめな生態系のパラミタのこと、巨大です。通常の１００倍ほどの巨鳥になっています。
　胸の部分が色鮮やかな深紅の鳥なので、見た目美しいのですが、この鳥の周りで何とも奇妙な現象が起こり始めました。
　なんと、嘘が本当になってしまうのです。
「実は、俺、目からビームが出るんだ」
「私、光条兵器を３つ取り出せるのよ」
「我は、変形すると巨大機晶姫型戦艦になれるのだ」
　
　ちょっと待てー。貴様ら、その自由設定は自称扱いだろうがー！
　
　どこからか、天の声がメタ発言をしますが、鷽の方はそんなことにはお構いなしです。その不思議な力で、周囲１００メートルほどの世界を俺様世界に変えてしまっています。このままでは非常にまずいです、世界観の崩壊です。
　さらに困ったことに、この鳥、世界樹イルミンスールの枝に止まってまったりとくつろいでいます。本来は暖かくなれば北へ移動するのですが、よほど気に入ったのか、完全に居座るつもりです。
　このままではいろいろまずいことになります。なんとか皆さんで追い払ってください。

　また、非常に反則的なシナリオです。
　はっきり言ってなんでもありですが、さらにはっきりいって、どうなるのか見当もつきません。
　この鳥のいる半径５０メートルは自由設定が完全採用候補となります。ただし、原則として、このためだけに自由設定を書き換えるのはあまり粋ではありません。絶対だめとは言いませんが。ええい、だからよせと言っているのに……。なお、すでにある設定をより細かくするのは、充分ありです。
　はっきり言って、普段グレーだと言われ続けて、書き換えようかどうしようかという設定がどれだけまずいかをデフォルメして楽しむという、何とも自虐的なシナリオです。
　とはいえ、意外にこの設定は世界観となじむじゃないかとか、バランスとれてるんじゃないの？　などという思わぬ結果に、運営が重い腰をあげるかも知れません。まあ、たいていは、やっぱりおかしいから二度と使うなーになるとは思いますが。このシナリオが終わったらちゃんと修正しましょうね。間違っても直すのを忘れて他のシナリオで総没を食らわないようにしてください。
　アクションには、自由設定のここをクローズアップしてくれと書いてください。ただし、さすがに物には限度という物がありますから、「我は神、パラミタを滅ぼす」なんて自由設定は不採用になります。実際、蓋を開けないと、どの程度まで採用できるかは分からないのが実情です。ストーリーの流れとして採用するかどうかは確約できませんが、普段の「ルール違反なので問答無用で没」というのが適用されなくなります。むしろネタ設定は、今回に限り採用されやすいと言えるでしょう。
　もし自由設定がそのまま採用されたらどんなことになるのかというシミュレーションとしても使えるかも知れません。
　また、自由設定が現実化するのは先の限定範囲内だけですので、そこから一歩でも外にはみ出すと、厳密にゲームルールに再度縛られます。状況によってはものすごい反動がキャラを襲うかも知れませんので御注意ください。鷽が他の枝に移動したら、簡単にエリア外になりますので。へたをすると、分裂合体、小さくなって世界樹内に逃げ込むなんてことをするかもしれません。。
　はっきり言って、チート設定であれば一撃で鷽を瞬殺できる可能性もあります。その場合、一気に「それは無理設定だった」という反動がきますので注意してください。また、この設定のままでいたいんじゃあと、鷽を守るキャラも当然立ちはだかると思います。
　シナリオの前提が矛盾だらけなので、矛盾を矛盾で突かれても泣かない。これ、約束ね。
　なお、鷽はすべての設定や攻撃を反転させて嘘にできる力を持っていますので、無敵ではありませんが不条理に強いです。「やられたー、うそだぴょーん」で躱すか復活します。あるいは、もっと恐ろしいことに……。常識は通用しませんので気をつけてください。
　おそらく、不条理返しが炸裂するのでユーザーキャラ無敵は無理です。どんなに格好良くっても、「そんな攻撃、うそだろー……ちゅどーん」でやられます。覚悟しておきましょう。美形シリアスヒーローは、すべてうそにされて、いいかげんな顔のギャグ通行人にされる可能性もあります。

　それでは、四月一日だけのカオスな世界へ、これから一シナリオ分、あなたの目はあなたの体を離れて、この不思議な時間の中に入っていくのです。

・設定のままに動く

・ＮＰＣをあごで使う

・変形！

・霊獣を召喚する

・星剣を使いこなす