なし

　シャンバラ大荒野のただ中に、人々の恨みやねたみといったマイナスの精神エネルギーが渦を巻いて集積する地点がありました。

　何百年もの間、そこはただの集積点だったのですが、シャンバラに闇龍が現れたとき、その恐るべき闇の力により、集積点に堆積していたマイナスの精神エネルギーは濃度の異常なたかまりを示したのです。

　その結果、物体に作用するまでの力を獲得した精神エネルギーが、集積点の近くにあったガラクタのうちで、大昔に人間に捨てられて死んでいった、カメの死骸にとりついていきました。

　カメの死骸の中に、マイナスの精神エネルギーがこりかたまり、どぎつい黄金の光を放つ不思議な宝石ウォーマインドに変貌していきます。同時に、カメはその身体を再生・巨大化させ、毒ガメダークキッコウとしてよみがえりました。

　ダークキッコウは、マイナスエネルギーの力で凶暴化し、歪んだ思考の中で、自分がこうなったのは人間が文明に魂を汚されたからだと考え、文明を破壊し、文明に染まった人間も抹殺することを決意しました。

「文明は悪だ！　文明を破壊するのだ！　文明人を、抹殺するのダ！　ぶきー！」

　ダークキッコウの力で荒野に毒の沼地が発生し、沼地の中には、泥の塊にマイナスエネルギーが作用して生まれた黒鬼たちが無数に生息するようになりました。

「ワリャ、誰の許しを得て入りこんだんじゃコラー！」

「えっ、いや、俺は、う、うわ〜」

「きゃ〜」

　沼地を訪れた人々は、黒鬼たちに襲われ、衣服は文明の象徴だとして、男女を問わず全裸にされ、泥の中に転がされてしまいます。

　毒の沼地はみるみる広がってゆき、パラ実の生徒たちも黒鬼を恐れて近づこうとしません。


　だが、ある日、パラ実の生徒たちのすさんだ心を癒し、勉強を教えて更生させようという奇特な志を持った美少女アケビ・エリカのペットである、ゆるスターのハムーザ３世ちゃんが行方不明になります。

「あの子、どこに行ったのかしら？　そうだわ、きっとあそこに紛れこんでしまったんだわ！」

　エリカは、ペットが毒の沼地に迷いこんだのだと考え、彼女を慕う生徒たちが止めるのも聞かず、毒の沼地に入りこんでいってしまいます。

　戸惑う生徒たちの前に「おやっさん」と呼ばれる中年のバイク店経営者が現れ、彼らにこう助言しました。

「聞け。沼地の怪物たちは、マイナスの精神エネルギーに動かされている！　普通の攻撃は受けつけないが、同等の精神エネルギーをぶつければ倒すことができる！　怪物たちと闘うとき、お前たちの情熱を精一杯振りしぼり、気合の入った啖呵を切るがいい！　お前たちの気迫が本物なら、怪物たちを動かす精神エネルギーを吹き飛ばし、もとの泥の塊に戻すことができるだろう！」

　男の言葉によってやる気を出した生徒たちは、エリカを追って毒の沼地の中へ。

　また、同じく「おやっさん」によって、毒の沼地に貴重な宝石ウォーマインドが眠っていると知らされた、他の生徒たちも沼地に入りこむことを決意します。

　一方、エリカの探すゆるスターはどこかといえば、沼地の中心で甲羅干しをするダークキッコウの甲羅の上で、恐怖に震えていたのです……。

このシナリオはとにかく熱く叫びたおしたいという方向けの内容になっています。

パラ実の生徒でなくても、誰でも参加できます。

暑苦しくなりすぎないように美少女が登場してますが、「焼け石に水」となる可能性もあります。

黒鬼やダークキッコウとの闘いに敗れた場合、全裸にされて泥の中を転がされますのでご注意下さい。そのような不幸な目にあった方には、エリカが慰めの言葉をかけてくれます。

宝石の奪取をもくろむ方には、当然他の生徒たちが妨害に出てくることも考えられます。

エリカを快く思わない生徒（特にパラ実の女生徒！？）が彼女に直接攻撃を仕掛けることも考えられるので、エリカを守る役割も重要でしょう。

エリカの人物像としては、大富豪の両親のもとで育ったお嬢様であり、超一流の進学校を卒業したエリートでありながら、癒しの心とボランティア気質にあふれており、また、よくも悪くも非常に「天然」な傾向があります。頭はいいですが、特殊能力等はいっさいなく、典型的な非戦闘要員になっています。

最後に、「気合の入った啖呵」の例をあげます。

「べらんめえ、このクソ鬼め！　お前と、エリカのお嬢さんとでは、その価値にどれだけの違いがあるかわかってるかっつうんだ！　文句があるなら地獄で不服申し立てしてションベンもらしやがれ、この、すっとこどっこい、おたんこなすの、筋肉バカで角だけ一人前の死にやがれ小僧がぁぁぁぁぁ！」

ここまで頭の悪い内容にする必要はありませんが、こんなもので十分ですので、どうぞいろいろ考えてみて下さい。

・めちゃめちゃ気合の入った啖呵を切って黒鬼と闘う。

・ウォーマインドを求めて、沼地の中心に待ち構えるダークキッコウと闘う。

・ハムーザ３世を救出するため、沼地の中心に待ち構えるダークキッコウと闘う。

・どさくさに紛れてエリカをくどく。

・エリカの言動を批判し、ヤキを入れる。