なし

　どの学校にもある七不思議。
　特に、ここイルミンスール魔法学校は七不思議の宝庫。豊作入れ食い状態です。
　七不思議が七つ八つ九つ……。それはすでに七不思議じゃないじゃんというツッコミはスルーして、七不思議が八つ以上あることがすでに七不思議の一つであるとかないとか。ゆうに煩悩の数を超え、総数では一〇八以上あるというのが、現在の定説です。
　
　それはさておき、有名な物では「怪奇、這い寄る紫の湖」とか「戦慄、ゆる族の墓場」とか「秘境、茨ドームの眠り姫」などがありますが、今宵クローズアップされたのは、「驚異、撲殺する森」です。
　イルミンスールの森の中に、旅人が一人で通りかかると殴り倒される場所があるという噂があります。犯人の姿は見えませんが、様々な武器で殴られるということのため、複数犯であるという説が有力です。単なる盗賊だという説や、木のモンスターが枝で殴っているのだという説もありますが、今のところははっきりとはしていません。
　だいたいにして、殴られた者は金品を奪われることもなく、襲われた理由すらはっきりしないのだそうです。
　
「……という話を、この間通りかかった人が言っていたのよ」
　メイちゃんがズシンと言いました。
「まあ怖い、蒼空学園とイルミンスール魔法学校で大量撲殺事件だなんて」
　コンちゃんが、コンコンと震えて周囲にぶつかりながら言いました。
「大丈夫、何かあったらあたしが守るから。だいたい、あたしたちに勝てない人なんか、あたしたちと遊ぶ資格がないもの」
　ランちゃんが、ビュンビュン唸りながら言いました。
「でも、もしかしたら、私たちの仲間かもしれないじゃない」
「確かめに行こうか……」
「えー……」
「よし、行こう、行こう！」
　
　何かがイルミンスール魔法学校に近づいてきます。それを暗示するかのように、通り魔事件が連続して発生しました。その現場は、北からだんだんと世界樹に近づいてきています。
　このままでは、イルミンスール魔法学校に何かとんでもない事件が起きるかもしれません。早急に真相を確かめてください。

　「小ババ様騒乱」と「たっゆんカプリチオ」の事件が、予想もしない厄災を招きつつあるようです。
　ただ、事件が事件ですから、犯人と疑われている人たちもいます。
　とにかく、先日の校内殴打事件から、イルミンスール魔法学校では、事件の再発は防ぐようにと生徒たちに命令が出ています。
　過去の事件は最終的に大ババ様の責任になって一ヶ月アイスクリーム禁止の刑にされましたので、内外の生徒たちは不問に処されています。まあ、大ババ様は恨んでいるかもしれませんが、自業自得です。
　シナリオの目的としては、迫りくる脅威の正体を推理してそれを暴き、なおかつその接近を防がなければなりません。戦うのか、説得するのかはお任せします。

　なお、『たっゆんカプリチオ』のときの御招待フラグが立っておりますので、該当者はご確認ください。

・メイちゃんたちの正体を暴く

・真犯人を捕まえる

・イルミンスールは私が守る

・推理する

・わあーい