シナリオガイド
少女の思い出の花を探し出そう。邪魔するのはパラ実生……!?
シナリオ名:想い出の花摘み / 担当マスター:
夜光ヤナギ
ツァンダ郊外のとある村に住む少女プリッツ・アミュリアは、今日も毎日の日課である花畑の世話を終えて、自宅への帰路を歩んでいました。
「あら?」
すると、そんな彼女の目の前……自宅の近くで、青年で倒れているではないですか。
プリッツは慌てて近寄って、彼をゆすり起こそうとします。
「うう……ん……」
「あの……! 大丈夫ですか?」
「ハ…………」
青年が虚ろに呟こうとしている言葉を、彼女は必死で聞き取ります。それは――
「ハ……ハラ減った……」
ぐうううぅぅ、と、青年の腹の虫は豪快に鳴ったのでした。
むしゃむしゃばくばく、モグモグモグ……。
「…………」
ガウルと名乗った、差し出された食事を貪り食う青年を、プリッツは目を丸くして見つめていました。
やがて、食事を終えた青年はまさしく生き返ったような息をつきます。
「……美味かった」
「よほどお腹が空いていたんですね。ちょっと驚いちゃいました」
プリッツは青年の食べっぷりを思い出して、笑顔を浮かべます。
「人は食べないと生きていけないんだったな。久方ぶりで、すっかり忘れていた……」
「久方ぶり……?」
「あぁ、いや、なんでもない。それよりも本当に助かった。礼を言う」
首を傾げるプリッツに、慌てて青年は取り繕いました。
その様子に少しだけ怪訝そうな顔をするプリッツでしたが、それよりも先に青年が口を開きます。
「それよりも、その花は……?」
「ああ、これですか? ……今日は、私の母の命日なので」
プリッツが向けた視線の先には、古びた写真の入った写真立てが飾られています。
それを見た青年は、物憂げな顔になりました。
「命日……」
「本当は、もっと良い花を用意してあげたかったんですけど……これぐらいしか。あの花も、今はもうほとんど咲いていませんし」
「あの花……?」
「写真に写ってる花なんですけどね。父の話だと、昔はたくさん咲いていたみたいなんです。……でも、今ではあの山に少しだけ咲いているものぐらいしか、ないみたいです」
プリッツは、母と幼き自分と父の映る写真を手に、どこか遠くに思いを馳せているようでした。
青年にとっては、とても懐かしさを覚えるような感情です。
「……食事のお礼を、しないといけないな」
「え……?」
青年は立ち上がりました。
「山に行って、花を摘んでくる」
「え、そ、そんな……見ず知らずの人に手をわずらわせるわけにも……。それに、山にはパラ実生と名乗る蛮族も多いですし……」
「大丈夫だ。それに、この地域には蒼空学園という学校もある。協力も頼めるだろう。せっかく食事を頂いたんだ……任せてもらえないか」
青年は慣れていないのかぎこちない笑顔を浮かべて、玄関の戸を開きます。
「あ、あの……」
そんな彼の背中を、プリッツの声が呼び止めました。
「――あ、ありがとうございます!」
彼女の声を背に、ガウル――いや、かつては魔獣と呼ばれていたガオルヴは、思い出の花摘みに向かうのでした。
少女の健気な想いを叶えるために、ガウルが助けを募ります。
どうか皆さんで、思い出の花摘みを手伝ってあげてください!
担当マスターより
▼担当マスター
夜光ヤナギ
▼マスターコメント
初めましての方は初めまして。
そうでない方はお世話になっております。
夏バテの解消法に悩むMS、夜光ヤナギです。
【内容補足】
今回のシナリオは、若干スピンオフ的な位置に属する冒険シナリオです。
過去のシナリオで登場したNPC二人が出てきています。
とはいえ、内容的には続編の関連はほとんどありません。
初参加の方でも、お気軽にご参加くださいませ。
蒼空学園への要請ということになっていますが、もちろんそれ以外の学校の方も参加OKです。
巻き込まれて、噂を聞いて、蒼学に知り合いがいて、パラ実生として山で蛮族やってます、etc……。
●山岳のモンスターや蛮族について
山岳では無闇にモンスターが襲ってくることはありません。
しかし、モンスター(熊や狼など)が住んでいるであろう縄張りに入るなど、彼らの生活を脅かそうとすると襲ってくるかもしれませんね。
蛮族はある程度中腹より高いところにいるだろうと思われますが、どこで襲ってくるか分かっていません。
パラ実生を名乗る彼らは、山の一部を自分たちの支配下だと主張しているため、よそ者を許さないのです。
●花について
プリッツの両親の思い出の花は白い花びらを生やした花で、クラウズと呼ばれています。
一見すると何の変哲もない花ですが、一つの種から生えてくるのが僅かに一本だけという珍しい花です。
●NPCについて
・プリッツ・アミュリア
父親と二人で暮らしている心優しき少女。
母親はかつて一大義賊団であったミアード義賊団の長、ミアードである。
近くの洞窟の中でその事実を知り、母の深い愛も知ることになった。
・ガウル(ガオルヴ)
伝説の魔獣として封印されていた狼の獣人。
封印から解かれ、世間的には死んだことになっている。
そのため、今回から偽名を名乗ることにした。
「力」だけを求め続けてきた人生だったため、人の持つ何気ない愛情に興味を抱いている。
※以上はアクションを考える上での参考情報です。あくまで参考となるものなので、必ずしもMCやLC自体がそれを知っている前提でなければならない、ということはありませんのでご安心下さい。(もちろん、周知を前提にされても結構です)
▼サンプルアクション
・ガウルと協力して花摘みに向かう
・思い出の花に価値があると見出し、それを奪いに行く
・蛮族たちを退治する
・プリッツと一緒にお菓子作り
▼予約受付締切日
(予約枠が残っている為延長されています)
2010年08月17日10:30まで
▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)
2010年08月18日10:30まで
▼アクション締切日(既に締切を迎えました)
2010年08月22日10:30まで
▼リアクション公開予定日(現在公開中です)
2010年09月06日