なし

-洞窟の館-

　依然として表情の戻らないオメガ・ヤーウェ（おめが・やーうぇ）を心配し、彼女の傍にミニミニが寄り添っています。
「どうしてオメガちゃんがこんな目に遭わされなきゃいけないの。
早く笑顔が見たいよぅ〜」
　十天君の存在とオメガが館に閉じ込められた理由を知らないミニミニは、メソメソと泣きながら少女の顔を見上げました。

「魔女さんのお家ってここ？
魂を連れて皆こっちに行ったみたいだし」
　魂が闇に消えたままにはさせておけないとウェリス・クォッローク は、礼海を連れてオメガの館へやってきました。
「オメガちゃんのお友達の人たちと助けに行ってくれた人？」
　寝室にいるミニミニがウェリスを見上げて話しかけました。
「そうよ。
魔女さんは元気？」
「魂が全部戻ってなくてね、感情を表に出せなくなっちゃったんだよぉ」
「十天君よりも先に闇の中に消えた魂を連れ戻さなきゃ！
なっ、何？
きゃぁあーっ！」
　眠っているオメガの頭をそっと撫でると突然、魔女の周辺に闇の霧が現れ、ウェリスはそこへ飲まれてしまいました。
「―･･･来て欲しいっていうことでやしょうか？
だとするとこの先にいるんでやんすかねぇ」
　ウェリスの後を追って礼海は霧の中へ入ってきました。


-ゴーストタウン・マンションの外-

「こんな場所に少女が1人でいるなんて妙ですわね･･･」
　今宵もナラカへつながっている黄泉時へ魂たちを案内しようとしているケレスが、路地を歩く少女の姿を見つけました。
「どうやら身体はなく、魂だけですが死者ではないようです･･･」
　それが何なのか確認しようと少女の魂へ、そっと近づいていきます。
「建物の中へ入って行くみたいですけど、どこへ向かっているんでしょうか･･･？」
　少女の行き先を追っていくと、マンションの中に入って行ったようです。

　その建物の近くを十天君・秦天君がウロつき、仲間を待っています。
「袁天君から連絡がこないねぇ？
目的を遂行したらここに来るはずなんだけど。
数日の内に連絡をこっちにしなけりゃ、生きて戻れないかもしれないと言っていたけどさぁ〜。
ありゃ〜？マンションの中に誰かいると思ったら魔女の魂じゃないか。
ドッペルゲンガーに吸収させることが出来れば、あきちたちのリーダーの王天君様もお喜びになるはずさ」
　建物を見上げるとその窓の向こうは見慣れた顔があり、ニヤリと笑いました。
「秦天君･･･」
「おや鎌鼬じゃないか、袁天君はどうしたんだい？」
　呼び止められた彼女が振り返ると妖怪の少女がいました。
「エリは･･･袁天君は封神されちゃったよぉ。
闇世界に変わっている時だったから、ぼっくんは大丈夫だったけど袁天君は･･･」
「へぇー。で、ドッペルゲンガーに魂を吸収させることは出来たのかい？」
「分かんない」
「あちきの命まで使いたくないけどこの際仕方ないねぇ、後から柏天君を呼ぼうか」
　秦天君は合わせ鏡でドッペルゲンガーの森にいるもう1人の自分とコンタクトを取り、魔女のドッペルゲンガーに話しをさせてもらう変わりに、ことが済んだら命を差し出すと約束をしました。
「半分とはいかないけどその一部は吸収出来たのかい？」
「そうですわ。
でも、ここまま出てしまうと魔力が下がってしまいますわ。
出てからでも吸収して力をつけることは出来ますけど」
「じゃあ、あちきたちは魂を探しに行くねぇ」
　用件だけ簡単に言うと、アヤカシの女はコンタクトを終えました。
「（誰かが泣くことはもう見たくないよ）」
　彼女が魔女の魂を見つけられないよう、鎌鼬は少しでも罪を償おうとしています。

　PM14:00

「ここは･･･あの村が闇世界に変わった時と同じような空ね」
　霧に飲まれたウェリスたちはゴーストタウンへ送られてしまいました。
「兄貴が前に言っていた実体化した闇世界でやしょうな」
「あら、もしかしてあの方の弟さん？」
「ちょいと闇の中に消えた魔女の魂を探しているんでやんすが」
　ケレスに話しかけられ、オメガの魂を探していること言いました。
「もしかしてマンションの中へ入っていった魂がそうかもしれませんわ」
「きっとそうよ！」
「最近、少しずつ悪霊が入り込んでいるようですから気をつけて･･･」
「分かったわ、ありがとうね」
　ケレスの忠告を聞き、ウェリスたちはマンションの中へ入っていきました。

ゴーストタウン編は全2話ですが、このマンション編は1話です。
暗き森の泣き声から闇世界…村人が鬼へ変貌する日早田村　２の末までの結果を反映したものです。
どの所属学校でもご参加いただけます。
新規ご参加に関わらず一律、ここまでの大まかな話しの流れを知っているとします。

【外】
トンネル、もしくは霧の先からマンションまでの通り道

【マンション内】
外／中庭・外庭
1F／ロビー
2F〜14F／部屋（各に8部屋）


【注意事項】
基本的なことは、他の闇世界シリーズと同じです。
オメガが眠っている寝室に現れた霧を通り、直接ゴーストタウン・マンションの前へ行けます。
ただしウェリスたちよりも先に霧の中へ入ったこというにする行動は出来ません。
14時過ぎなら何時でもいけると考えてください。
魂を探す者や協力者は17時までなら館へ戻りたいと念じれば戻れますが、その時間を過ぎると2日後の朝6時まで戻れません。

しかし魂を連れて帰ろうとする者たちと敵対する方は、16時にだけそこへ行けるようになる蒼空学園の近くにあるトンネルからしかいけません。

敵味方サイド問わず17時を過ぎると、村で心の闇が広がった影響で翌日ではなく、2日後の6時までトンネルの外へは出られません。
出遅れたり一旦外へ出ると、かなりロスタイムになりその間、秦天君と鎌鼬が魔女の魂を探し歩きます。
見つけた魂をマンションの外へ連れ出すとオメガのドッペルゲンガーに気づかれ、どこからともなく魂を狙って追ってきます。
マンション内は時間が経つにつれ、闇に侵食されて不気味に変わっていき、徘徊する悪霊が増えていきます。

建物の中・周辺は乗り物を使用することは出来ません。
通信などは悪霊たちの心霊現象の影響で、うまく出来ない場合もあります。
ベックォンに引き込まれると、建物の外に埋まっている状態になります。
自力で出ることも出来ますが少し大変です。

【鎌鼬について】
改心はしているようですが、何か考えているようです。

【出現ゴースト】

・スピリット
身体のない魂のみの悪霊。
とり憑き殺そうと標的をどこまでも追いかける。

・ベックォン
無数の悪霊の手が壁や床、天井などから現れ生者をナラカへ引き込もうとする。

さて、今回はオメガさんの魂を探すのはどちらが先でしょうか･･･。

・魂を見つけられないように十天君の妨害する。

・マンションの敷地内でオメガの魂を探す。

・悪霊から魔女の魂を探している生徒たちを守る。