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桜井静香の奇妙(?)な1日 前編

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桜井静香の奇妙(?)な1日 前編

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シナリオガイド

この幽霊には夢がある、んだけど……
シナリオ名:桜井静香の奇妙(?)な1日 前編 / 担当マスター: 名も無き詩人

 それはまさに突然の出来事でした。

 その日の朝、いつも通りにラズィーヤ・ヴァイシャリー(らずぃーや・う゛ぁいしゃりー)の私邸にて寝泊りしている百合園女学院校長の桜井 静香(さくらい・しずか)は、いつも通りに目覚め、いつも通りに身支度のため洗面台に立ちました。
 その時、洗面台の鏡を前にして静香は驚きました。自身の背後、左肩付近に「誰か」がのしかかっていたのです。

「うわあああっ!?」

 ただ驚くだけでは終わらず、静香は背中の不審者を振りほどこうと、振り向きざまにパンチを繰り出しました。普段の姿からは想像できない動きです。それだけ驚いたのでしょう。
 パンチは背後にいた者の顔面に直撃しました。いくらひ弱でも静香とて契約者、人間を張り倒す程度のパワーはあります。

「ぶっ!?」

 静香のパンチを食らった不審者らしきその人物は、2メートルほど吹き飛びました。

「ど、どうしましたの、静香さん!?」

 パートナーであるラズィーヤが音と悲鳴を聞きつけて、部屋に飛び込んできます。
 彼女の目に飛び込んできたのは、息を切らせて肩を上下させる静香と、その静香に殴り倒された、体が全体的に透けている、セーラー服を着た見知らぬ女生徒でした……。


「大変失礼いたしました……」

 静香の左肩にいたその女生徒は名を吉村 弓子(よしむら・ゆみこ)といい、地球のとある高等学校に在学していますが、パラミタの百合園女学院に強い憧れを抱いており、見学にくる予定でした。ですが話によれば、見学直前で交通事故に遭い、即死してしまったというのです。
 そう。今の彼女は、いわば幽霊でした。未練と悲しみから霊体だけがこの場に残ってしまったのです。

「いけないことだとはわかっていましたが、せめて学校の雰囲気だけでも味わいたく、こうして参上いたしました」

 そこで弓子は静香に土下座しました。

「お願いです。2〜3日で構いません。どうかその間だけ、このまま取り憑かせてください」
「うわぁ……」

 取り憑かれた方である静香は青ざめます。目の前の女生徒に害意は無さそうですが、だからといってホイホイと体を貸すのもためらわれます。

「お断りいたしますわ」

 当然といえば当然ですがラズィーヤは断ります。いぢり甲斐のある自分のパートナーに幽霊が取り憑くなど、他の誰が許しても自分だけは許したくないのです。
 ですが幽霊の方も負けてはいませんでした。

「お前には聞いてない。おばさんは黙ってな」
「お、おばさんですって!? わたくしはこれでも20歳ですわよ! どうやらお仕置きが必要のようですわね!」
「なにを、やるかこの年増!」
「ちょ、ちょっと待って、ケンカはやめて〜!」

 弓子はなぜかラズィーヤに対しては非常に態度が大きくなるようです。それが癇に障ったラズィーヤは幽霊相手に乱闘を始めました。
 これに慌てたのは静香です。どちらかといえば平和主義者の静香は、自分のパートナーと自分を頼ってくれた幽霊のケンカなど見たくありません。

 なんとか2人をなだめ、静香は考えました。力ずくで無理に成仏させるという手もありますが、弓子は「百合園女学院の学園生活を体験する」ということに執念を燃やしており、一筋縄では行きそうにありません。ただ逆に言えば、弓子の願いを叶えてあげれば自然と成仏できるということです。
 できるだけ穏便に解決したい静香は、弓子の頼みを引き受けることにしました。
 弓子は静香に取り憑いているため、静香から1〜2メートル程度しか離れられません。よって静香が彼女と共に「授業や部活を見学に行く」という方針が定まりました。

「校長先生が授業参観に行く、って感じかな。とりあえず今日はこの方向で行こう」
「わがままを言って申し訳ございません」
「そうですわよ。それがわかっておいでなら、さっさとわたくしの静香さんからお離れなさいな」
「年増の言うことを聞く義理は無いね」
「……前途多難だなぁ」

 百合園女学院に振って湧いた幽霊騒動。いつも通りだけどちょっと違う、そんな学園生活が始まろうとしていました。

担当マスターより

▼担当マスター

名も無き詩人

▼マスターコメント

 どうも皆様こんにちは。
 心霊現象は結構好きな「名も無き詩人」が、ちょっとした幽霊騒動のシナリオをお届けいたします。

 今回は百合園女学院が舞台となっており、抽選では百合園生が優先となりますが、もちろん他校生の方の参加は歓迎いたします。「百合園の知り合いに誘われた」「幽霊がいると聞いて」等の理由でご参加ください。
 ただし「外見性別・男性」の方は原則として敷地内に入れませんのでご注意ください。その代わり「MCは待機、LCは入る」といったものはダブルアクションとして数えません。待機される場合は、待機中の行動を手段欄にお書きください(ただし、空白分をMCやLCの行動補足にするのは禁止とさせていただきます。ご了承ください)。

 校長の桜井静香に幽霊が取り憑きました。幽霊自身に害意は無く、単に百合園の学園生活を楽しみたかったという未練からこの世にとどまっているだけのようです。前編となる今回は、そんな幽霊に百合園女学院という学校の雰囲気を味わわせるのが目的です。
 今回のシナリオでは「登校から放課後(下校、部活等も含む)までの1日分」を取り扱います。中心になるのは「学校内」での行動で、ヴァイシャリーの町へ遊びに行く、学生寮で行動するといったものはどちらかといえば「オマケ扱い」になります。2日目以降については後編で扱います。


 絡めるNPCは、公式の桜井静香、ラズィーヤ・ヴァイシャリー、そしてゲストの吉村弓子の3人です。

・静香――普段と大して変わりませんが、幽霊の弓子が取り憑いています。弓子の願いを叶えるという都合上、学園内を歩き回っており、授業や部活に顔を出すことがあります。

・ラズィーヤ――静香に弓子が取り憑いているという現状が面白くないようです。本当なら弓子を監視するという名目で静香についていきたいところですが、さすがに事務作業をおろそかにするわけにはいきません。よって今回は校長室で待機ということになります。

・弓子――今回のゲストで、静香に取り憑いた幽霊です。容姿としては、紺のセーラー服に、ロングの黒髪をカチューシャで後ろに流しています。それなりに礼儀作法はわきまえているのですが、生前、地球の高校では「やんちゃ」していたらしく、静香は例外としていわゆる「目上の存在」に反発したくなるようです。
 静香に取り憑いている都合上、静香から1〜2メートル程度しか離れられませんが、その範囲内では好きに動けますし、物に触れることもできます。「学園生活を楽しむ」という執念は強く、無理に成仏させるのは適当ではないと言えます。彼女に付き合って未練を晴らしてあげれば自然と成仏に向かうようです(ただし、実際に成仏するのは後編での話となります)。


 それでは皆様の学園生活のアクション、お待ちしております。

▼サンプルアクション

・授業に参加し、幽霊にその光景を見てもらう

・部活動に参加し、幽霊にその雰囲気を楽しんでもらう

・校長先生に取り憑いた幽霊を成仏させる!

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2011年01月27日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年01月28日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年02月01日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年02月15日


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