なし

「うそだぴょーん」
「うそだっちゃ」
「うそだぎゃあ」
　突然、イルミンスールの森が、奇妙な喧噪につつまれました。
　そうです、奴が、奴が帰ってきたのです。
　鷽――周囲１０メートルを鷽空間へと変え、その範囲内であれば、どんな突飛な自由設定であろうと現実に変えてしまうという、恐ろしい渡り鳥です。
　もちろん、そんな掟破りがいつまでも許されるはずもなく、鷽のそばを離れたとたん、現実のルールや物理法則が戻ってきます。嘘が大きければ大きいほど、その反動は致命的です。
　今回は、最初から多数に分裂して、イルミンスールの森のあちこちにすでに巣くってしまっているようです。
「今年は、絶対に世界樹に近づけてはダメですぅ。全員で追い払うですぅ」
　エリザベート・ワルプルギス（えりざべーと・わるぷるぎす）が、生徒全員に言い渡しました。
「でもお、私のイコンは合体変形ができて、無限力で……」
「そんなもので、また世界樹を真っ二つにされてはたまらないですぅ。命令を聞けない生徒はおしおきですぅ」
　そう言うと、エリザベート・ワルプルギスは一枚の紙を校長室に貼りつけました。
『マジック・スライムは、ワープして生徒の頭の上にドバドバ落ちることができるですぅ』
「ちょっと待ってください校長。もし鷽が校長室までやってきたら……」
「全員すっぽんぽんですぅ」
　エリザベート・ワルプルギスがニヤリと笑いました。
「きゃー、全力で退治するよわ。出撃ー」
　世界樹から生徒たちが大あわてで、イルミンスールの森へと出撃していきました。
　鷽接近の情報は、他の学校にも速やかに広がり、物見遊山の生徒や、去年の仇をとるべく、他校の生徒たちも集まってきています。
　はたして、どうなっちゃうんでしょう。

　はい、誰もやってくれないから、今年も自分でやります。
　詳しくは、去年のシナリオを参照……はい、ちゃんと説明しますです。
　
　はっきり言って何でもありです。
　イコンで地に潜ろうと、悪の魔王になろうと、ＮＰＣとラブラブになろうと。
　ただし、その効果は鷽の半径１０メートル以内に限られています。すでに分裂しているので、範囲はこの程度です。
　もちろん、鷽は討伐命令が出ていますから、建前として全生徒は鷽を倒しに来ますので、自分の嘘に酔いしれているととんでもないしっぺ返しが来ます。
　
　基本ルールですが、アクションが最優先ですが、このシナリオに限っては、自由設定が容赦なく適用されます。
　何かクローズアップしてほしい自由設定がある場合は、アクションに明記してください。
　それらがなくても、自由設定は、任意に、かつ強烈に反映されます。これは、自由設定にある言葉の意味通りになりますので、日本語が曖昧だとかなり大変なことになります。
　ゲームルールや世界設定無視の自由設定でも、無条件で通ってしまいますが、それが幸せとは限りません。
　当然、嘘が解けた場合、強烈なしっぺ返しが来ます。
　基本的に、どれだけ普段の設定が痛いかを自慢するという、あまりにも自虐的なシナリオとなります。とはいえ、あわてて自由設定を修正するのは粋ではありません。いずれにしろ、９割は酷い目に遭うと思います。
　すんなりアクション通りにはまずいきませんので、そのへんを承知の上で御参加ください。
　合い言葉は「突っ込み上等！」です。すばらしいボケを期待します。
　
　ちなみに、校長室の張り紙はフェイクですので。鷽の範囲内にいない限り、校長室に達してもスライムがワープしてきたりしません。
　舞台はイルミンスールの森ですが、希望があれば世界樹の中へと鷽が入り込んでも構いません。
　
　いちおう、去年のシナリオ「うそ」は参照してください。だいたいどういうことになるのか分かると思います。
　なお、このシナリオは４月１日公開予定となっています。

・小ババ様とラブラブする

・イコンの変形合体を楽しむ

・実家自慢をする。

・妹１００人います。

・嘘は許さん！