なし

　――蒼空学園校長室。

「いえ、オレ達に任せてください！　そんな、遠慮なんて不要ですよ、困った時はお互い様ですから！　ええ、お店のことは気にせず、温泉でゆっくり羽を伸ばしてきてください！　オレ達も社会勉強の一環として真面目に店番します！　はい、それでは明後日からですね、了解しました！　では失礼します」

　校長兼理事長の山葉　涼司（やまは・りょうじ）は先程から電話で話をしていました。

「ふぅ……駄菓子屋の店番かぁ」
「涼司様お疲れ様です。村木お婆ちゃんとお話しされていたんですよね？」

　受話器を置くとイスの背もたれに身体を預け、視線を虚空へと彷徨わせます。
　別の机で書類の整理をしていたパートナーの花音・アームルート（かのん・あーむるーと）がやってきました。
　村木お婆ちゃんとは、空京の片隅で駄菓子屋を営む地球人のお婆さんのことです。この村木お婆ちゃんの駄菓子屋は、閑静な住宅街の一角に看板も出さずに道楽でやっている、知る人ぞ知る隠れ家的お店で、駄菓子の他にリーズナブルなもんじゃ焼きなども出しています。
　何より有名なのが、Ｂ級グルメファンの間で『伝説の焼きそばパン』と称される、村木お婆ちゃんが作っている一日５０個限定の焼きそばパンです。裏メニューともいうべき存在で、噂を聞き付けたＢ級グルメファンが買いに来るため、いつも午前中で売り切れてしまう程の人気ぶりです。涼司は３ヶ月間村木お婆ちゃんと交渉を重ねた結果、不定期ではありますが、蒼空学園の購買に置けるようにしました。
　その後も涼司はこまめに村木お婆ちゃんと連絡を取り合っています。

「村木お婆ちゃん、商店街の福引きでヒラニプラにある温泉への旅行を当ててさ、お孫さんと行きたいけど店は空けられないっていうから、店番を代わることにしたんだ」
「お孫さんとですか……とても楽しみなんでしょうね。涼司様優しいんですね」
「よせやい、照れるじゃねぇか。村木お婆ちゃんにはお世話になってるし、実地で社会勉強が出来る良い機会だと思うんだ。問題があるとすれば伝説の焼きそばパンだが、村木お婆ちゃんが休みの間は販売しなくても良いことになった。駄菓子菓子！」
「涼司様、発音が違いますよ」
「だがしかし、せっかくだから伝説の焼きそばパンに代わる裏メニューを、オレ達で考案したいと思うんだ！」

　涼司は子供のような瞳をキラキラと輝かせていました。
　伝説の焼きそばパンに代わる裏メニューを考案したくて、早くもワクワクが止まらないようです。


　数時間後、蒼空学園の掲示板を始め、各校の掲示板に『一日駄菓子屋店員やりませんか？』の募集の張り紙が貼り出されました。

　子供の頃、「駄菓子屋の店員になりたい」と思いませんでしたか？
　そんな思いを胸に、このシナリオを作りました。

　空京の閑静な住宅街の一角にある駄菓子屋の一日店員を募集します。
　舞台は空京ですし、涼司は全学校に張り紙をしているので、他校の生徒も「掲示板の張り紙を読んで来た」の理由で、気軽に参加できます。
　また、この張り紙を見たり、元々常連だったりと、客として買い物に行くことも出来ます（ただし、菓子類のアイテム配布はありません）。

　駄菓子屋の一日店員をする場合、午前、正午、午後の３つの時間帯から店員になりたい時間帯を選んでください。
　各時間帯の特徴として

・午前
　掃除といった開店準備や駄菓子の仕入れなどがあります。
　客足は多くありません。

・正午
　伝説の焼きそばパンが売られるため、かなり混雑します。
　伝説の焼きそばパンに代わる裏メニューを考案する場合もこの時間帯を選んでください。

・午後
　学校が終わった小学生を中心に賑わいます。
　もんじゃ焼きなどもこの時間帯に多く食されます。


　駄菓子屋に買い物に行く人も、上記の時間帯の中から１つ選んでアクションを掛けて下さい。
　裏メニューを食べたい場合は正午を選択してください。

　なお、駄菓子につきましては、市販されている商品名をアクションに書かれても構いませんが、リアクションでは商品名は書かれません。
　また、もんじゃ焼きは店員の方でメニューを考案されても構いません。

　それと、伝説の焼きそばパンに代わる裏メニューですが、「駄菓子屋で売られる物」「比較的簡単に作れて、値が張らない物」を念頭に置いて考案していただければと思います。

　それでは駄菓子屋ライフをお楽しみ下さい！

・一日駄菓子屋店員になる！

・もんじゃ焼きでヒャッハー！

・裏メニューを開発する