なし

２０２１年、５月。
太平洋沖で一つの事件が発生しました。

イコン等で武装した謎の集団が、太平洋上に許可を取らずに長期間駐留しており、
警告に向かった海京の巡視艇が攻撃を受けた、というものです。

どうやら三枝仁明（さえぐさよしあき）という富豪が裏で糸を引いているらしいのですが、
今のところ決定的な証拠が見つからず、手を出しかねている状態です。

また、三枝本人の行方もわからず、恐らくは無許可で駐留している武装集団の中にいるのではないかと考えられます。

武装集団のイコンは、先日の鏖殺寺院と思われるテロ組織が海京に送り込んだものに酷似しており、
宝剣を狙っていた集団との関与についての噂も流れています。

目的は不明ですが、太平洋を占拠している彼らによって、物流などに影響が出始めており、
海京では攻撃を受けたこともあり、武力による撤去も視野にいれた対策を練っています。

しかし、ゾディアックが東京に向かったこともあり、多くの戦力を割けないのも事実です。

そして、太平洋上では。

「ええ、わかってますよ。この間は、思わぬ邪魔が入りましたが……既に龍宮は我々の手の中。あとは、宝剣さえ取りもどせば……ふふ、心配はいりません、私が敗北した事が無いのはあなたもご存知でしょう？」

「……ラーメンが伸びるから、簡単に」

小さなラーメン店で、できたてのラーメンを前にした佐野　実里（さの・みのり）は誰にでもなく小さく呟きました。

「……わかった。宝剣と安徳天皇を先に抑えればいいのね」

実里はじっとラーメンを見つめると、それから店主に視線を移して尋ねました。

「テイクアウトでお願い」





「まずは、どこに行こうかしら？」

「服じゃ、服を買うのじゃ。あの場所ではみんな同じ服を着ておる、つまりあれが人の言う流行の最先端というものなのじゃろう？」

「え？　……いや、あれは制服で別に流行ってるわけじゃないんだけど」

天気のいい昼下がり、小谷　友美（こたに・ともみ）と安徳　天皇（あんとく・てんのう）は二人で買い物にでかけていました。

現在、安徳天皇は天御柱学院で保護されています。

何人かの教師と生徒で彼女の面倒を見たりしているのですが、
中でも友美は特に安徳天皇に懐かれていました。

今日は安徳天皇のために、日用雑貨や服などを買い物におでかけです。

このおでかけには、何人かの契約者が堂々と、もしくはこっそりとついていっています。

「どうした？　浮かぬ顔をしているようじゃが」

「ううん、そんなことないよ」

「大方、噂のぶそーしゅーだんとやらじゃろう？　確かに、案ずるべき事柄ではあるが、仮に龍宮を抑えたとて、すぐに何かできるわけではあるまい」

「そうなの？」

「うむ。龍宮の宝は、誰にでも扱えるものではない。ある意味、宝剣よりも気難しい奴じゃ。それに―――」

「それに？」

「妾には心強い友達が大勢おる。だから、大丈夫じゃ」

（護衛って言うほど簡単じゃないんだけどなぁ）

できれば安徳天皇はまだじっとしていた方が安全なのですが、
やっと外に出れたのにまた閉じこもらせるのはという意見もあり、
護衛を用意してのおでかけになったのです。

このまま、何事もない楽しいお買い物になればいいのですが―――

マスターコメントを書くのは久しぶりな気がします、お久しぶりです、野田内廻です。

浪の下の宝剣の続編を担当することになりました。改めてよろしくお願いします。

というわけで、前回の無料グランドシナリオの続きです。とは言っても、前回に参加しないと参加できないという事はございません。また、天御柱学院の生徒でなくても参加可能です。ただ、安徳天皇の護衛に関しては、天御柱学院の生徒が最優先になります。護衛としてではなく安徳天皇に近づくなどのアクションであれば、その限りではありません。

このシナリオでは、武装集団との戦闘と、安徳天皇の護衛の二つのパートがあります。

武装集団との戦闘では、イコンが使用可能です。非水中適正の機体も、前回同様簡単な改修によって対応できます。また、水中用変形イコンのガネットはようやく量産体制が整い、天御柱学院限定で５月３０日から購入可能となります。

武装集団の戦力は、水中用イコンを中心に、その整備を行っている軽空母が二隻、偵察用と思われるヘリがあります。常にヘリが飛び交っており、近づこうとすると容赦なく攻撃を仕掛けてきます。水中戦も合間って、厄介な相手です。ご注意くださいませ。

安徳天皇の護衛ですが、こちらは読んで字の如くとなっております。学校の命令で護衛に参加しても、個人的に心配だからついていっても、単にぶらぶらしていたら出会っても大丈夫です。安徳天皇の前だから、トモミンはとっても大人しいです。いじめないであげてください。

佐野実里の行動は皆様のアクション次第です。三つ目のパートになるか、他のパートに出てくるか、今のところはわかりません。彼女にどう動いてもらいたいか、でアクションを考えてみると面白いかもしれません。

海鎮の儀で優勝しました閃崎静麻様は、現在宝剣を持っております。現段階では、どこの勢力にも組しておりませんので、自由に行動をお選びください。どこかに近づくも、誰にも近づかないのも自由です。ただ、宝剣を持っているので狙われる立場であることは頭に入れていただけると助かります。
また、参加されない場合は宝剣は安徳天皇手元に出現したこととします。


ではでは、みなさまの個性的なアクションお待ちしております。

・武装集団と戦う

・実里に会う

・安徳天皇護衛