なし

「小暮少尉、入ります！」

　シャンバラ教導団、校長室。
　新入生の小暮　秀幸（こぐれ・ひでゆき）が、校長からの呼び出しを受けて出頭していました。
　秀幸の声に応えるように、校長である金　鋭峰（じん・るいふぉん）が執務の手を止めて顔を上げます。
「入れ」
　ぴ、と背筋を伸ばした秀幸は、校長の前まで歩み出ます。
「まずは先日の飛空艇の発掘、よくやった」
「ありがとうございます」
　校長の口から発せられたねぎらいの言葉に、秀幸は敬礼をもって答えました。すると鋭峰はスッと手を上げてそれを制します。
　秀幸はつい先日、校長の指示の元、第７８発掘現場から古代の飛空艇を発掘してきたばかりです。様々な苦難はあったものの、なんとか起動可能な状態で、飛空艇を持ち帰ることが出来ました。
　しかし。

「だが、長期間にわたり地中に埋まっていた為、損傷が激しい」

　校長の言葉に秀幸も頷きます。
　飛空艇は発掘した段階で応急手当は施したものの、それでようやく、なんとか飛べる、という状態でした。
　帰還後は教導団の整備場で整備が進められていると、秀幸の耳にも入っています。

「整備が進んでいると聞いていますが」
「動力部は問題ない。だが、軍用機として運用していく為には武装が不可欠」

　その言葉を聞いて秀幸は納得しました。
　エリュシオンとの緊張状態が続いている中、武装の拡充は目下の課題です。現在教導団に配備されている武器類はほぼ全てが現行の機体に搭載されている為、新たな飛空艇に組み込める余剰がありません。

「現在、ヒラニプラ北部の軍需工場で必要な部品を生産させている。それが完成したと、連絡が入った」

　鋭峰は校長室壁面のモニターに地図を映します。教導団本部の北に、赤いマルが表示されています。

「しかし、工場の付近はシャンバラ大荒野を縄張りとする蛮族が出没するため、襲撃の可能性もある。貴官の任務は、荷物の運搬および護衛である。さらに、技術科の学生と連携し、飛空艇を運用可能な状態に修復せよ」

　秀幸は、敬礼をもって答えました。　
　そしてその直後、校内をはじめシャンバラ各学校の掲示板には協力者を募る依頼書が張り出されるのでした。

はじめましてこんにちは、常葉です。ガイドへのお目通し有り難う御座います。
今回のシナリオは、【新米少尉奮闘記】シリーズの前回シナリオ（ 【新米少尉奮闘記】飛空艇を手に入れろ！）で手に入れた飛空艇を、軍用機として運用可能な状態に修復することが目的です。
物語自体は独立しておりますので、前作に参加していない・リアクションを読んでいない方でも、有利不利なく参加出来ます。
また、教導団の方が受かりやすくなっていますが、荷物の運搬・護衛に関してはどの学校の方でも参加できます。
飛空艇の修復に関しては、教導団内部での作業となりますので、外部の生徒は立ち入れません。

以下、ガイドの補足です。

・荷物の運搬は陸路で行います。荷物はミサイルポッドなどの武装が大型トラックに二台分です。
・工場から荷物を運搬するためのトラックは教導団で準備されています。
・蛮族の襲撃がある可能性があります。周辺では、巨獣に乗った蛮族の姿が目撃されています。
・戦闘が起こる可能性があるのは荒野付近です。広範囲に効果が及ぶ術や、乗り物なども使用できますが、荷物を巻き込まないよう注意が必要です。
・飛空艇の修復に関しては、武装の取り付けを行うことがメインとなります。原則として専門のスキルや知識が必要となります。ただし、言われた工具を取ってくる、等の軽作業であれば、教導団生なら誰でも行うことが出来ますので、ＬＣがＭＣを手伝うなどのアクションは可能です。

なお、小暮秀幸以外のＮＰＣは登場させることが出来ませんので、ご了承下さい。

皆様のご参加をお待ちしております。

・荷物の護衛に付く

・トラックに同乗する

・飛空艇の修復をする