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シナリオガイド

【魔戦記じゃない】ザナドゥから来たはみ出し魔族を倒せ!
シナリオ名:ザナドゥの方から来ました / 担当マスター: まるよし

 このシナリオは『ザナドゥ魔戦記』ではありません。このシナリオに参加することによって『ザナドゥ魔戦記』本編での有益、無益、または不利益な情報や立場を手に入れることはできません。また『ザナドゥ魔戦記』本編や実際のザナドゥに影響を与えることは一切ありませんので、ご了承ください。


 ――それは、突然のことでした。
 いい天気の空から、一転して立ちこめる黒雲。生暖かくて、気持ちの悪い風が7月のツァンダの街を駆け抜けていきます。

「……天気予報では晴れだったけどな」
 と、ブレイズ・ブラス(ぶれいず・ぶらす)は曇天を見上げて呟きました。その傍らにはツァンダ付近の山 カメリア(つぁんだふきんのやま・かめりあ)もいます。
「ん……そうじゃな」
 カメリアが何の気なしに空を見たその時、大きな地響きが街を襲いました。
「な、何じゃ!?」
 激しい地響きと共に空に走る雷光。それら数十秒間の異常現象が終わった後で、ツァンダの空に映像が現れました。
「何だ、アレは!?」
 ブレイズは叫びます。そこに写っていたのは頭がまるでタコのような、赤黒い鎧を纏った魔物の姿でした。
 その後ろには、様々な姿をした異形の魔物たちが写っています。魔物は宣言しました。

「我が名はDトゥルー(でぃーとぅるー)、ザナドゥより訪れた魔族である。
 数千年の眠りより醒めた我々は、現魔王の統治を受け入れず――袂を分かつことになった」

「……ザナドゥ? ザナドゥって、あの魔界のことか? 悪魔とかが住んでいるっていう?」
 先日、魔界の世界樹『クリフォト』がイルミンスールの森に出現したことは記憶に新しく、繰り広げられた激戦はザナドゥの名をパラミタ中に広めていました。当然、ブレイズもカメリアもその話は耳にしています。
 しかし、魔王に反抗する勢力がいたことは意外でした。魔法で空に顔を映したDトゥルーは続けます。

「――それにより、我々は元々さほど興味も愛着もなかったザナドゥを後にすることにした。……というかうっかり寝過ごしたせいでここ5〜6000年ほどのザナドゥの事情がさっぱり分からん。
 それに我々は闘いも殺し合いも大好物だが、戦争は好かん。……ゆえに今のザナドゥを捨て、この地に我らの真なる(トゥルー)ザナドゥ……トゥ・ザナドゥを築くことにした!」

 どうやら彼らは魔王に反抗しているというより、『まったく関係ない』というのが実情のようです。
 映像が動き、ツァンダの近くにある山の風景が映し出されました。そこには、いつの間にか強大な魔力によって建てられた漆黒の塔があります。
 彼ら7人の魔族はそこに自分たちのユートピアを築こうというのです。そこはきっと100万の光が踊り、流星も降り注ぐような桃源郷なのでしょう。
 もちろん、その桃源郷は彼ら魔族にとっての桃源郷なので、人間にとって住みよいとはとても思えません。そんな地域住民の不満もよそに、Dトゥルーは声を高くします。

「この界隈はすでに我が秘術『ザナドゥ時空』に引きずり込まれている!!
 我が居城『ブラックタワー』に辿り着き、我が力の源である『愚者の石』を破壊せねばこの『ザナドゥ時空』を解除することはできぬ!!
 そのためには6色の地下通路を潜り抜け、6つある鍵を探し、内部から侵入するしかない!!
 我らは誰の挑戦でも受けよう、命が惜しくない者は山の麓にある6色の扉を自由に開くが良い!!
 そこで我が配下『魔族6人衆』と手下のモンスターが相手をしよう!!
 さあ、色1本ずつの通路を潜り抜け、我が下へ来るがいい!! PRIPARE TO DIE!!

 最後に、山の麓に出現した6色の扉を映し出して、映像は途切れました。しかし、相変わらず空は黒雲に覆われ、雷は鳴り響いています。

「……えらいことになったな……ってどうした、カメリア!?」
「ふ……ふざけるでないわぁっ!!!」
 ブレイズは、カメリアが物凄い剣幕で街を走っていくのを後ろから掴んで止めました。放っておけば、自分一人で山へ乗り込もうという雰囲気です。
 確かに緊急事態ですが、一人で乗り込むのは無謀でしかありません。ここはやはりツァンダの街や付近のコントラクター達と協力して攻略するのが順当というものでしょう。

「わかっとる、わかっとるが……これが黙っていられるか!!」
 しかし、ブレイズの制止を受けたカメリアは、それでもじたばたと暴れます。激しい稲妻と共に、カメリアは叫びました。


「あの山には儂の家が……儂の神社があるんじゃあああぁぁぁ!!」


 さて、6色の地下通路を抜けて、無事『ブラックタワー』の扉を開けることができますでしょうか?


担当マスターより

▼担当マスター

まるよし

▼マスターコメント

 みなさんこんにちは、まるよしと申します。
 今回が12本目のシナリオになります、よろしくお願いします。

 改めて申し上げますが、このシナリオは『ザナドゥ魔戦記』とは一切関係ありませんので、ご了承ください。

 さて、ザナドゥからのはみ出し魔族『Dトゥルーと魔族6人衆』がツァンダ付近の山を占拠してしまいました。いますぐ街に危害を加えようというわけではありませんが、山の頂上に建てられた『ブラックタワー』付近には彼らの配下であるモンスターたちがうろつき、いつかは山全体が魔の山と化してしまうでしょう。もちろん、ツァンダやパラミタにいい影響は一切ありません。
 魔族や彼らの配下であるモンスターたちと戦いながら地下通路を抜け、ブラックタワーの最上階にあるという『愚者の石』を破壊して『ザナドゥ時空』に引きずり込まれたツァンダの街を救うのが目的です。地下通路を通らなくてもブラックタワーには山を登れば普通に(雑魚モンスターはうろついています)たどり着けますが、その入口は内部から鍵となる水晶を使わなければ開きません。その『鍵水晶』はそれぞれの地下通路にひとつずつ隠されています。
 鍵水晶は基本的に魔族6人衆やトラップが守っていますが、アクション次第では6人衆を倒さなくとも鍵水晶を手に入れられるかもしれません。今回倒されなかった6人衆がいた場合は、次回引き続き登場する予定です。
 全2回を予定しておりますので、今回は地下通路を抜けて魔族6人衆と戦い、ブラックタワーの扉を開けるまでのリアクションになります。そのため、今回のうちに大ボスである『Dトゥルー』を倒すことはできませんので、ご了承ください。また、今回参加した方が次回参加できない場合は、『ブラックタワーの扉を守っている』ということになります。今回参加していない方も、ブラックタワーの扉が開くであろう次回の戦いに途中参加することができます。

・6つの地下通路を攻略してください。
 6色の扉の向こうは異空間で、地下通路には6人衆とそれぞれ配下のモンスターがいます。また、地下通路にはトラップが仕掛けられており、解除しないとモンスターとの戦闘や6人衆との戦いに悪影響が出ます。トラップを制御する『制御室』が隠されているか、モンスターが守っています。
 1PLが攻略できる扉はひとつだけです。アクション内で攻略したい通路の色を【】で指定してください。
 例:赤の通路を攻略したい場合は、【赤】です。

・6つの鍵水晶を手に入れてください。
 鍵水晶は魔族6人衆が守っていますが、アクション次第では6人衆を倒さなくとも鍵水晶を手に入れられるかもしれません。必ずしも鍵水晶を6人衆が身につけているわけではなく、通路のどこかに隠されている場合もあるからです。また、身に着けている場合でも、『盗む』『奪う』などの行為に専念することで、倒さずに鍵水晶を入手できる可能性があります。ただし、場合によっては倒すよりも難易度が上がる可能性があることにご注意ください。

・6人衆と戦ってください。
 魔族6人衆は6つの地下通路に一人ずつ待ち構えています。今回の目的は『鍵水晶を入手し、ブラックタワーの入り口を開くこと』なので、必ずしも6人衆を倒す必要はありません。しかし、今回で倒されなかった6人衆は次回も登場し、次回ミッションの難易度が上がってしまうでしょう。

・MCとLCについて。
 基本的にMCとLCは同じ色の地下通路に入ることになります。MCとLCが別の地下通路に入ることはできません。ただし同じ地下通路にいるならば、MCが6人衆と戦い、LCがトラップを解除するというような別行動は、今回はダブルアクション扱いになりません。

・『ザナドゥ時空』の影響について。
 ツァンダの街からブラックタワーを含む広範囲が『ザナドゥ時空』に引きずり込まれています。この中では『知的生命体の自己認識』に狂いが生じやすい、ということになります。
 その結果として起こりえる事態として、なぜか魔族に味方してしまったり、戦うべきところで素っ頓狂な行動を取ってしまったり、何の影響も受けなかったりします。もちろん、ザナドゥ時空に影響されなくとも、それぞれの理由から魔族に味方することは自由です。
「実はオレは魔族の仲間だったんだ!」
「いやオレが魔王だったんだ!」
「何の必然性があるのかは分からないが、ここはオレに任せて先に行け!」
「こんな奴に倒されては困る、ここはひとまず休戦だな。勘違いするなよ、お前を倒すのはこのオレなんだからな」
「実はオレはケモ耳ミニスカロリメイドでご主人様にご奉仕しながらも魔族と戦う伝説の戦士だったんだ!」
 というような状況が想定されます。もちろん、他にも様々な誤解や勘違いがあるでしょうから、アクションのきっかけにしてください。
 様々な誤解、勘違いをしながらも、6人衆と戦ったり地下通路の攻略をしたりすることはできます。
 注意点としては、そのように『思い込んでしまう』だけなので、実際の能力に変化はないということです。
 例えば『実はオレは曲がり角を曲がるとどこへでもテレポートできるんだ!』という思い込みをしたとしても、実際にはテレポートはできません。また、『あの曲がり角を曲がると食パンをくわえた美少女とぶつかるはずだ!』という思い込みなども同様で、自分の能力や、周囲の状況、偶然や運命に影響を及ぼすことはできません。
 さらに、『ザナドゥ魔戦記』本編で魔族に魂を捧げた、または奪われたなどの影響はこのシナリオ内では基本的に適用されません。もし、その内容を反映させたい場合はアクション内で主張してください。ただし、あくまで『ザナドゥ時空』の影響を受けた自己主張、という扱いになります。

・掲示板で挨拶をお願いします。
 あいさつ掲示板で挨拶をした際、ダイスの目が『ゾロ目』だった場合、そのPCは『ザナドゥ時空』と相性が非常によく、自分の思い込みや勘違いを、能力や周囲の状況にまである程度反映させることができます。この特例は一度きりで、短時間に限られます。
 例えば、空を飛ぶ能力がないPCでも少しの間だけ空を飛べるようになりますし、そのPCが使えないはずの攻撃などを繰り出すこともできます。全くのオリジナルな能力も可としますが、あまりにも都合の良い能力は弱体化させられることがあります。
 この特例が適用されるのは、1PCのみです。MCが挨拶をして、LCに適用させるのはOK、その逆も可です。他プレイヤーのPCにこの特例を譲渡することはできません。『あの人は○○という能力を持っている』という『思い込み』は可です。また、その相手が望んでいない(と思われる)内容は効果が発揮されない、または効果が薄い場合がありますので、他PCに効果を及ぼしたい場合はグループアクションをお勧めします。
 適用されるのは、最初にMCかLCが挨拶をした時のダイス目のみです。

・6人衆の強さについて。
『魔族6人衆』は、本来ならば旧き魔王の配下としてかなりの強さを誇る魔物なのですが、Dトゥルーを含めて数千年来の寝起き状態で、いまひとつ実力を発揮できません。ですが、その状態でも無策の1対1で勝てる相手ではありませんので、作戦を練るか数人で当たる必要があります。多人数で戦いたい場合は、グループアクションをかけることをお勧めします。6人衆は地下通路の中を自由に動き回っていますので、運悪く一人でいると各個撃破される可能性もあります。
 また、総合レベルが低い場合なども、単純に敵を倒すことは難しいですが、作戦を練ることでチャンスを作って活躍することはできます。
 戦闘不能のダメージを負ったPCは、魔族たちにとっては無価値なので、通路の外に放り出されることになります。

・6色の地下通路と『鍵水晶』、6人衆の詳細について。

 以下が6人衆の詳細です。【】色の通路にいます。

 グレーターワイバーン ワムワ【赤】……炎と風を支配する巨大な赤い翼竜です。全ての竜の祖先は自分だと言い張っていますが、真偽のほどは定かではありません。
 マンドラゴラの花妖精 ラウネ【緑】……恐怖と毒を使役する花妖精です。マンドラゴラがベースですが、様々な毒植物を『接ぎ木』されており、妖艶で美しく豊満で魅力的な女性の上半身が3つ、木の幹のような下半身から生えています。全ての花妖精の原種は自分だと言い張っていますが、真偽のほどは定かではありません。
 破壊の機晶姫 ウド【鉄】……戦闘と破壊を好む4mほどの黒い鎧型の機晶姫です。3つの目で正確に獲物を狙い、機晶レールガンや機晶爆弾などで攻撃します。右肩は幾多の戦場で倒してきた敵の血で赤く染まっています。足元はダッシュローラーです。全ての機晶姫のモデルは自分だと言い張っていますが、真偽のほどは定かではありません。
 ザナドゥの地祇 メェ【黒】……黒魔法と儀式を統べる地祇です。外見は黒く長い呪われたローブを纏った10歳ほどの可憐で可愛らしい、あどけない少女ですが、頭部は山羊です。山羊の角がついている、とかではなくて山羊そのものです。全ての魔女のルーツは自分だと言い張っていますが、真偽のほどは定かではありません。
 バルログ リッパー【金】……美と闘いを愛する悪魔です。長い爪と身の軽さを生かして、まるで空を飛ぶような格闘戦を挑みます。その素顔は仮面で覆われ、ハンサムな素顔を見たものはいません。腰には鞭を装備しています。全ての格闘術の源流は自分だと言い張っていますが、真偽のほどは定かではありません。
 バーサーカー ギギ【混沌】……狂気の暴走者であり、全ての生命を殺戮する一つ目の狂戦士です。斧と盾を振り回し、その場の敵を倒しきるまで止まりません。全てのヒャッハーの根源は自分だと言い張っていますが、真偽のほどは定かではありません。
 Dトゥルー【タワー前】……タコの頭と触手を持つ赤黒鎧の魔族です。片手剣と盾を持ち、魔法も使えます。倒すことはできませんが、戦いを挑んで消耗させることはできます。その場合、次回はダメージを追った状態で登場します。

 以下が地下通路の概略です。地下通路とは言うものの、ものによっては迷宮のように複雑なものもあります。

 赤の通路……炎のトラップが仕掛けられている、赤い壁の通路です。通路の置くには大広間もあり、そこに『赤水晶』があります。
 緑の通路……緑の壁に植物のツルやツタ、棘などの毒のトラップが張り巡らされています。咲き乱れる毒花のどれかに『緑水晶』が隠されています。
 鉄の通路……無機質な鉄色の壁の通路で、爆発物によるブービートラップが仕掛けられています。厳重なトラップの奥に『鉄水晶』が安置されています。ここにも大広間――さながら闘技場のような場所があります。
 黒の通路……視界の狭い真っ暗闇の通路で、あちこちにテレポーターのトラップが仕掛けられています。通路の外や石の中、都市の上空などに飛ばされることはありません。壁で隠された見えない通路をすり抜けると、『黒水晶』がある部屋に着きます。
 金の通路……壁の代わりに金網が迷路のように張り巡らされた通路です。電撃のトラップが仕掛けられています。6人衆『バルログ リッパー』が戦いに賭けるチャンピオンベルトに『金水晶』が埋められています。
 混沌の通路……まるで自然洞窟のような岩盤ですが、紛れもない人工通路です。いたるところから刃のトラップが飛んできます。6人衆『バーサーカー ギギ』の首輪は、『虹水晶』でできています。

 それぞれの地下通路には、そこにいる魔族6人衆の配下の雑魚モンスターがいますので、多少の戦闘はあるもの(回避するなら、回避するアクションが必要になります)と考えてください。

・NPCについて
 アクションをかけられるNPCは、まるよし管理下にある以下のNPCが中心となります。NPCの詳細につきましてはお手数ですがマスターページをご覧下さい。

 ブレイズ・ブラス……赤の通路に行くようです、が。「今なら空も飛べる気がするぜ!!」
 ツァンダ付近の山 カメリア……お供のカガミとフトリは無事でした。タワー前に行くようです、が。「……わ、儂の神社が……」
 四葉 恋歌……金の通路に行くようです、が。「あれ……私、なんでこんなとこに」
 ウィンター・ウィンター……戦闘能力もないくせに黒の通路に行くようです、が。「ここは私に任せて先に行くでスノー!!」
 スプリング・スプリング……戦闘能力はありませんが、混沌の通路に行くようです、が。「じ、実は私は悪魔の手先だったのでピョン!!」

 武装・スキルはアクションを投稿時の装備がダイレクトに反映されますので、アクション内で装備やスキルを使う場合にはご注意ください。
 イコンのデータは使えません。
 残念ながら他GM様のシナリオは基本的に参照できませんのでご了承下さい。キャラの関係などをアクション内で『〜ということがあったので』と説明がある場合はその範囲内で表現したいと思います。
 公序良俗に反するアクションは採用できませんのでご注意下さい。

 それでは、よろしくお願いいたします。


▼サンプルアクション

・地下通路を攻略する

・魔族6人衆を倒す

・『ザナドゥ時空』に引きずり込まれる

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2011年07月11日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年07月12日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年07月16日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年08月01日


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