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空京古本まつり

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シナリオガイド

掘り出し物を探せ! 図書館から奪われた蔵書を取り返せ!
シナリオ名:空京古本まつり / 担当マスター: 県田 静

「そこのあなた! 手伝ってくれない?」
 雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)は通りがかりの男子生徒に声をかける。呼ばれた高円寺 海(こうえんじ・かい)は『なんだコイツ?』と思い、悪い目つきを一層悪くする。
 睨まれたことも意に介さず、雅羅はダンボール箱を押し付ける。
「なんでオレが……」
「そんなに大きいな体してるんだもの、夜のため人のため、動かしなさいよ」
 かく言う雅羅も、身長は170センチ余りと、女子の中では大柄な方だ。しかし190センチ近い高円寺海からでは見下ろす格好になる。ダンボール箱で押し上げられた雅羅の大きなバストが目に止まって、海はあわてて顔をそらした。
「汚くなんかないわよ!」
「ち、ちがっ!」
 とっさに否定したが、結局箱を押し付けられた。

「……重いな」
 海は抱えたダンボール箱を揺らす。
「落っことさないでよ。本が入ってるんだから」
 海の持ったものより一回り小さいが、雅羅も箱を抱えている。再び胸が持ち上がる格好となり、海は直視できないながらも、ついつい横目で見てしまっている。
「本? 本なんかこんなにどうするんだ?」
「読むに決まってるじゃないの」
 パラミタに来た雅羅は、積極的に自分を変えようと務めている。読書量もその一つ。5人兄弟で育った海は運動は好きだったが、本を読んだ憶えは少ない。
「本なんか読んでるより、体を動かした方がマシだと思うがな」
「さっきから聞いてれば“本なんか”って何よ!」と、雅羅は海の前に立ちふさがって、箱と箱をぶつける。当然、乗せられた胸もユサユサと……。
「体を動かすことは悪くはないわ。でも本を読むことだって大切なんだから」
「わ、わかったよ」
 やがて雅羅の家まで着くと、「じゃあな」と帰ろうとする海を、雅羅が呼び止める。
「今度の日曜日空いてる?」
「ああ、それが?」
「空京で古本まつりがあるの。連れてってあげるわ」
 どこまでも雅羅の上から目線は変わらない。
「別に興味ねえよ」
「本の楽しみを知らないなんて、人生損してるわ。興味を持ってもらうために連れてってあげるの。9時に迎えに来なさい!」
 きつい顔で言うだけ言うと、一転笑顔になって「じゃあねー」と手を振り家の中に入っていった。
「勝手だな……」
 文句を言いながらも、海の頬はいくらか緩んでいた。


 ――蒼空学園校長室。

 校長兼理事長の山葉 涼司(やまは・りょうじ)は、図書館の館長から報告を受けていた。
「これが無くなっている本か?」
「ゴーレム騒ぎが収まった後、蔵書をチェックしてみました。最初はまさかと思ったんですが」
 涼司はリストを眺める。
「古代文字……伝承と伝説……遺跡……と、傾向が似ているな」
「研究途中ですが、古代の遺産に結びつくとの噂もあります」
「しかし書かれている内容はデータ化されてるんだろ? 本そのものが必要なのか?」
 館長は「おそらくですが」と腕を組む。
「オリジナルでなくては分からない手がかりがあるのかもしれません」
「これは……魔道書もあるのか」
「はい、封印が解けると実体化するとされていますが、封印の手がかりは不明です。そして問題が……」
「問題?」
 そこに皇彼方(はなぶさ・かなた)が飛び込んでくる。少し遅れてテティス・レジャ(ててぃす・れじゃ)も入ってきた。
「図書館の本が盗まれたって本当か?」
 噛み付かんばかりに、涼司に詰め寄った。テティスが襟をつかんで引き離す。
「緘口令を敷いたのですが」
 苦々しい表情をした館長の言葉に、山葉涼司も察した。
「噂になってるとすれば、処分されてしまうかもしれないな」
「実は……」
 図書館長は涼司にチラシを見せる。
「古本まつり?」
「ここで蔵書の売買が行われるとの話があります。もっともどれだけ正確な情報かは不明ですが」
「わかった。こちらでも手を打とう」
 一礼して図書館長は部屋を出て行った。
「どこから話を聞いた?」
「誰だったかなぁ」
 悩む彼方をよそに、テティスが「ゴーレム騒動の時に参加した生徒達の間で噂になってます」と説明する。
「そうか、いずれにしても蔵書を取り戻さなくちゃいけない。また手伝ってくれないか? 信頼できる人間を集めて欲しい」
 彼方とテティスはうなずいた。

担当マスターより

▼担当マスター

県田 静

▼マスターコメント

 県田静です。どうぞよろしくお願いします。

 今回のシナリオは、会話にチラッと出てくるように、『図書館ボランティア』の後のお話です。と言っても『図書館ボランティア』に参加していなくても、内容を知らなくても一向に構いません。
 
 ご存知の方もいると思いますが、毎年文化の日の前後には、東京都の神田神保町で古本まつりが開催されます。それと同じような催しが、空京でも開催されると考えてください。

 その古本まつりを隠れ蓑に、図書館から奪われた蔵書が取り引きされるとの情報が入りました。山葉校長から協力を求められたとして、また噂を耳にしたとして、ぜひ取り戻す協力をお願いします。
 金でカタをつけても良し、力ずくで奪い取るも良し、知略策略で入手するも良し。ただし町中ですから、あまりの騒動になれば、取締りの対象となってしまいますので配慮が必要です。

 もちろんそんな事とは別に、普通に古本まつりを楽しむのもありです。買い手、売り手のどちらでもOK。本のフリーマーケットと考えてもらっても構いません。
 また空京の書店や古書店などの主催ですが、ボランティアで運営に参加することもできます。

 注意点としては、シナリオ内での本の売買ですので、アイテムで持っている本などを直にやり取りするわけではありません。その点はお間違えなきよう、よろしくお願いします。 
 
 では皆様の参加をお待ちしております。

▼サンプルアクション

・不要な本を売って収入を得ると共にスッキリしたい

・歴史系の本で掘り出し物が無いか探します

・大事な図書館の蔵書を取り戻して図書館に返す

・大事な蔵書に興味があるので貰っちゃいます

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2011年11月12日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年11月13日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年11月17日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年12月02日


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