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悩める夢魔を救え!

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シナリオガイド

急募! 茸探し担当さん、ならびに笑える夢を提供できる方!
シナリオ名:悩める夢魔を救え! / 担当マスター: 鷺沼 聖子

 季節はもう初冬。空京の繁華街に近い公園の一角。落葉樹は葉を落としており、花壇の花もまだ植えられたばかりで見栄えがしません。

「ううーん。……やってしまったか」

公園の噴水そばで漆黒の長い髪にグレーの瞳、瞳と同じグレーのローブ姿の美女、メアベルは腕組みをして考え込んでいました。目の前には初冬の日差しの注ぐ公園のベンチに座り、うつむいたまま水晶のような物に閉じ込められた、同僚のメアテネルの姿が……。

 彼らは悪魔の中でも夢をつむぐことのできる特殊な能力を持っており、一般に夢魔と呼ばれています。半ば精神的な存在である彼らはその力を使い、良心にもとる行いをしたものに悪夢を届けることで、良心を維持させることを生業としていたのですが……。

「ここしばらく思い悩んでいたようだから、気になってはいたのだが……」

「すまん、メアベル。仕事帰りに考え事をしていたらこんなことに……」

「仕方ないよ。稀に、そういう者ががでる」

メアテネルは人に悪夢を見せることについて、悩んでいたのです。そしてその悩みを抱えたまま発散することもできず、今朝方とうとう自分自身が苦悩の精神の結晶に閉じ込められてしまったのです。

「……どうしたら出られるのだろうか?」

「我らの力と薬湯を使って出るんだが、あたしだけでは無理なんだ。協力者が要る」

「どういうことだ?」

「苦しみが解けるだけの『笑える夢』を見て、殻を破るパワーを得ること。

 それと、我らの夢世界にいるメアービーの巣にある夢幻茸で作る薬もいる」
 
「……なるほど」

「我らが持つのは自分のために楽しい夢をつむぐ力ではない」

そこで一旦、メアベルは言葉を切りました。

「つまりだな……。メアービーの巣にある夢幻茸を集めてくれる人間と、

 コミカルな夢を見てくれる人々が多数必要だということだ」

「しかしそれは ……難しいのではないか? 申し訳ない ……俺が迷いを吹っ切れぬばかりに」

「……話は聞いたわっ! 協力します!」

 不意に背後で声がし、驚いたメアベルは振り返りました。空京へ買い物にやってきたパラ実生熾月 瑛菜(しづき・えいな)と、百合園女学院生泉 美緒(いずみ・みお)が、公園を通り、困った様子の彼らの話を聞いていたのです。声をかけたのは瑛菜でした。

「ええと、夢を見てくれる人を探すのね?」

「そうだ。それと、茸も集めてもらいたいのだ。

 ……ただ、この茸のありかはこの世界ではない。我らの夢世界の森にある」

「どうやって行くのですか?」

美緒がおっとりと尋ねます。

「あたしが送り込める。だが、あたしは薬も煎じなくてはならない。

 こことあちらの世界をつなぐ、ゲートキーパーとなる人間が一人ずついてくれたら助かる。

 ゲートキーパーは半径2キロ以内の任意の人物を行き来させることができるのだ」

「なら、それはあたしたちが引き受けるわ。 ……それと、そのハチは危険なの?」

瑛菜がてきぱきと尋ねると、メアベルは難しい顔をしました。

「メアービーは一匹ずつで生活する1メートルほどの巨大なハチでな。地中にトンネルを掘って巣を作る。

 巣の奥に毎日草を集め、そこに生える夢幻茸を餌としておるのだ。
 
 こやつは夢世界の生き物なのでおぬしら生身の生き物には倒せん。

 せいぜい気絶させることができる程度だ。

 そしてこれに刺されると刺された時の格好のまま笑顔になって体がマヒしてしまう。

 意識もあるし話せるが、動けなくなる。毒の効果は1時間ほどだが」

「そしたら、動けなくなったり、茸を回収した人はどうやって帰ったらいいのかしら?」

美緒が長い髪を風になびかせながら言いました。

「我らの連絡用のブローチ型夢線機がある。

 それでゲートキーパーに連絡して、こちらの世界に呼び戻せばよいかと思う」

水晶の中では、メアテネルが話を聞いてしょげ返っていました。

「……本当に面目ない」

「気にすることはないさ。それより、人が集まってくれるかどうか……」

メアベルが呟くと、瑛菜がぽんと手を打ちました。

「あ、いいプランがあるわ、ちょっと待っててね」

 瑛菜はショッピングモールのほうへと駆け出していきました。戻ってきた瑛菜の手には、ハロウィン仮装の売れ残り、サキュバスのセクシーなコスチュームがありました。コウモリの羽をイメージしたストラップレスのハイレグ、角とコウモリの羽のカチューシャにノンガーターの腿半ばまでのストッキングという露出の多いコスチュームです。

「はい、美緒はこれを着てね」

「……え? あの……?」

「夢魔といえばこれでしょう!! それに美緒がこれを着て頼んだら、協力してくれるわよきっと!」

「そ…… そうでしょうか……」

「そうよ! 人助けのためなのよ!」

しぶしぶと着替える美緒。

「んー、完璧ね!」

瑛菜の言葉に、メアベルがうなずきます。

「うむ。これは色っぽい」

「そ、そんな。 ……それにちょっと寒いですわ」

もじもじするさまが余計に色っぽさを感じさせます。

メアテネルの水晶をポンポンと叩くと、メアベルは瑛菜と美緒に手伝ってもらい、協力者探しを始めることにしました。

「メアテネル、何とかしてやる。待っておれ」

担当マスターより

▼担当マスター

鷺沼 聖子

▼マスターコメント

 こんにちは、鷺沼 聖子(さぎぬま せいこ)です。急に冬が来ましたね。風邪など引かれないようどうか十分気をつけてくださいね。

このシナリオには公園を通りかかった、あるいは誰かから話を聞いたなどで、どなたでも参加していただけます。

 悩める夢魔。ストレス解消にはやはり笑いが良いのですが、この面々、普通の方法で楽しい夢を見ることができません。

さて、このシナリオでできることですが……。

・楽しい夢を見せる。

 これは一人でもかまいませんし、お友達やLCと協力でもかまいません。
 夢なのでいたずらを仕掛けることもできます。
 ただしNPCには仕掛けられません。PL同士か、LC、MC間のみです。

・薬湯の材料の夢幻茸を探す。

 メアベルの夢世界の一匹ずつで生活する巨大なハチの地中の巣の中にあります。
 巣は一本の洞窟です。また、夢世界の生き物なのでハチは倒せません。
 茸の栄養となる草を探しに出た隙に巣に入り込んで探す。
 ハチを気絶させてその隙に探す。
 おとりで蜂を釣るなどの行動ができます。
 刺されると刺された時の格好のまま笑顔でマヒしてしまいます。

どうか皆さんでメアテネルを助けてあげてください。

▼サンプルアクション

・MCを陥れる!

・お笑いネタを提供

・蜂の巣に潜入

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2011年11月14日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年11月15日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年11月19日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年12月02日


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