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炭鉱のビッグベア

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炭鉱のビッグベア

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シナリオガイド

二人の獣人が向かうはビッグベアの住まう炭鉱。二つの物語が、幕を開ける。
シナリオ名:炭鉱のビッグベア / 担当マスター: 夜光ヤナギ

 ヒラニプラのとある村。
 その日――その村では、ある青年が保護されていたのでした。


 ガツガツガツガツ、むしゃむしゃむしゃむしゃ……
「ほえー…………あんたもよう食うもんじゃねえ。よっぽどお腹が空いてたんじゃな」
 目の前で村人たちが用意した食事をむさぼり食う青年を見ながら、村の長老らしき老女が感心した声をあげていました。
 そのほかにも、青年を見る村人たちが長老の後ろにいます。誰もが、そのあまりにも勢いの良い食いつきっぷりに感心、あるいは呆然とした目を向けていたのでした。
 そして。
「ふぅ…………美味かった」
 最後の一口をぺろりと口にして、青年はカラン、と食器を置きました。
 そんな青年の髪は鮮やかな金髪で、その隙間から生えているのは、狼を思わせる耳でした。
 ――獣人。
 村人たちの誰もが、青年の種族を推測出来ます。
「そうかそうか。いや、美味かったならなによりじゃ」
 老女はほがらかに笑いかけました。
「旅に夢中になると、つい食事を取るのを忘れてしまう。駄目な癖だ」
「ほほほ……面白い奴じゃのぉ。よっぽど、なにか大切なものを探しているとお見受けするが?」
 食器を村人に片付けさせるよう指示しながら、老女が訊きました。
「大切なもの…………。まあ、確かに、そうかもしれない」
「まあ、なにを探しておるかは知らんが、二、三日はこの村でゆっくりしていくと良い。大したものはだせんが、食事も用意しよう。ただ――近いうちに旅立つことは、お勧めするがの」
「それは、どういう……?」
「ここ数年、近くの炭鉱に住み着いたビッグベアどもが、たまに麓に降りてきては村を襲い、食料を奪ったり人を傷つけたりと、暴虐の限りを尽くすのじゃ。これ以上、この村に住み続けてても仕方あるまい? 近いうちにみな、村を出るつもりじゃ」
 ビッグベア。
 凶暴な動物型モンスターの一種で、その強靱な筋肉によって振り下ろされる鋭い爪は、竜族の鱗すら砕くという。
「大昔、わずかな先祖が必至に開拓してようやく形になった村じゃったが……これも運命というものじゃろう。そろそろこの村も仕舞いじゃ」
 老女は寂しそうにそう言って、情けなく頭を振りました。
 青年はそこで先ほどから感じていた視線の正体に気づきます。それは、子どもの視線でした。お腹を片手でさすりながら、自分が食べていた食料を羨ましそうに見ていたのです。
(そうか……。なけなしの食料を……)
 青年はしばらく考え込み、やがて立ち上がりました。
「……?」
「俺がいく」
「な、なに……?」
「俺が、そのビッグベアどもを退治してきてやる」
「し、しかし……見ず知らずのお前さんにそんなこと頼むわけには……」
 老女が慌ててそれを引き留めようとします。
 しかし、青年はそれを優しく拒みました。
「食事の礼はしなくてはならんしな。――それに、俺一人じゃない。シャンバラには各地に契約者という地球の冒険者たちもいる。彼らに協力を仰げば、ビッグベアたちと対抗するぐらいの戦力は集められるだろう」
 青年はそう言って、長老の家を出て行こうとしました。
 その途中、先ほどから視線を送っていた子どものもとではたと止まり、彼の頭にぽんと手を置きました。少年が、そしてその傍にいた母親が、不思議そうに見上げています。
「……安心しろ。必ず、救ってやる」
 青年は――金髪の獣人ガウルは、力強く言ったのでした。


 空京にある、とある宅配会社でのアルバイトを終えた獣人の娘リーズ・クオルヴェルは、しばらく旅を続けていく内にヒラニプラにたどり着きました。
 その、ある辺境の炭鉱近くで、彼女は路銀を稼ぐためにある依頼を受けることになります。
 それは――
「炭鉱に住むビッグベアたちの退治?」
「そう。なんでもその炭鉱には多くの機晶石が眠ってるらしいんだがな。凶暴なビッグベアどもが住み着いたせいでおちおち発掘なんてしてられないってことらしい」
 麓の町で冒険者に依頼を斡旋してくれる店で、念入りに依頼書を見ているリーズに店主がそう言います。
「炭鉱夫たちもほとほと困っているらしいな。どうだい? 受けてみるかい?」
「うーん…………」
 もともと、困っている人を放ってはおけない性分の娘です。
 だけど、受けたいのはやまやまのようですが……気がかりなのはその数。多くのビッグベアたちを相手にするには、リーズ一人では無謀というものでした。
 しかし、彼女はしばらく考え込んで、ひとつの結論にたどり着きました。
(契約者の人たちに協力を頼んでみたら……なんとかなるかな。幸い、会社の人脈もあることだし)
 こう考えてみると、アルバイトもそういった意味で役に立つことでした。
「じゃあ、おじさん。この依頼、私が受けるわ」
「お、本当かい。それじゃあ、頼んだよ」
「まっかせといて」
 リーズは依頼書にサインをしてから、不敵な笑みを見せて店を立ち去りました。
 肩にかけ直された古びた剣がガシャリと音を立てます。それはまるで、剣さえも同意を示しているかのようでした。


 かくして、二人の獣人がそれぞれに炭鉱へと赴くことになりました。
 目的はビッグベアたちの退治。それを手伝うのは、他ならぬ契約者たちなのです。
 どうか、皆さんで彼らの手助けをしてあげてください!


担当マスターより

▼担当マスター

夜光ヤナギ

▼マスターコメント

初めましての方は初めまして。
そうでない方はお世話になっております。
雪が降ったらまっさきに雪合戦をしたくなるMS、夜光ヤナギです。

【内容補足】
今回のシナリオは、獣人シリーズ第5弾となります。
とはいえ、そこにあるのは一つ一つの完結したストーリーです。
初心者の方もそうでない方も、お気軽にご参加くださいませ。

●目的の炭鉱
機晶石が多く採れるヒラニプラにある炭鉱。
本来はそこを採掘する予定の炭鉱夫たちがいましたが、ビッグベアが住み着いていることから作業が進まなくなっているようです。
そのため、まだまだ未開拓の場所も多く、調査によって分かっている限りの地図は半分までしか書き込まれていません。
ビッグベアたちが自ら作った巣穴もたくさん掘られていますし、炭鉱があとどれだけ深く続いているのかは、誰も知り得えていないのです。
また、開拓済みの場所まではどうやら簡単な機晶システムの照明が設置されているらしいですが、それ以上奥は何も用意されていないということです。

●ビッグベア
一言で言うと巨大熊です。
しかし、その強靱な肉体は鋼のように硬く、刃のような鋭い爪は竜族の鱗すら砕くと言われています。
本能的な破壊衝動があり、猛禽と呼ぶにふさわしく、実に凶暴。
好奇心でビッグベアに近づく者は、一撃のもとに地に伏すとは、よく聞く話のようです。
集団のビッグベアの場合、トップに最も強いビッグベアがいるらしく、彼らはそのトップに従って生活しています。
逆に言えばトップさえ倒してしまえば他のビッグベアたちは縄張りを奪われたと考えることでしょう。
ちなみに、麓の人々の話のよると、集団の頂点に立つビッグベアは、かこくな戦いを勝ち抜いてきた猛者であるため、必ずその顔のどこかに傷があるらしいです。
しかしながら噂に過ぎない話ですが……。
いずれにしても、炭鉱内部はビッグベアの縄張り。しかも彼らは夜目が利くため、炭鉱の暗闇はものともしません。挑むにはそれなりの準備が必要でしょう。
なお、一説によると普通のビッグベアはくねくねとうねる蛇のようなものや、空から降り注ぐ雷が苦手ということです。

●NPCについて
【ガウル】(獣人)
 かつてはツァンダ東の森を脅かしていた魔の獣人(その時の名は「ガオルヴ」)。
 封印から解かれたとき、リーズ・クオルヴェルによって倒された。
 だが、実は生きており、現在は偽名を使って自分自身と向かい合う旅をしている。
 金髪に狼の耳を生やしており、魔力を帯びた拳で戦う。
【リーズ・クオルヴェル】(獣人)
 気の強い娘で、ツァンダの狼獣人の集落『クオルヴェルの集落』で女ながらに戦っていた戦士。
 集落の長の一人娘でもあり、集落の英雄であるゼノ・クオルヴェルの孫であることを誇りに思っている。
 常に祖父ゼノの言葉を胸に秘めており、それが彼女の戦いへの原動力である。
 現在は、とある獣人(ガウル)を探して集落を旅立っている。
 背中に祖父ゼノの形見である剣を担いでいるが、それを使うにはまだ自分の実力が足りていないと思っており、普段は腰の長剣で戦う。

※以上はアクションを考える上での参考情報です。あくまで参考となるものなので、必ずしもMCやLC自体がそれを知っている前提でなければならない、ということはありませんのでご安心下さい。(もちろん、周知を前提にされても結構です)

▼サンプルアクション

・ガウルを手伝う

・リーズを手伝う

・炭鉱に迷い込む

・ビッグベアに戦いを挑む

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2012年02月21日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年02月22日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年02月26日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年03月09日


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