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忘却の少女

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シナリオガイド

全てを忘れた少女に私達は何をしてあげられるのか?
シナリオ名:忘却の少女 / 担当マスター: OGA-SAN

 

 「古代技術の機晶姫?」

雲少なく、澄み渡る空の広がる、とある日の午後
蒼空学園校長山葉 涼司(やまは・りょうじ)の呼び出しにより校長室にやってきた人物は声をあげました

彼女……雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)の反応に涼司は止まった話を続けます

 「ああ、校舎から少し離れた発掘エリアで、担当の研究機関が石棺のようなものを発見してね
  引き上げて調査したところ、一種の維持カプセルだということが判明したんだ。
  敷地提供をしている我が校への確認の後、中を開けたところ一人の女性が姿を現した。
  更なる調査の結果、古代にも等しい遥か昔の技術による機晶姫だと言うことが判明したというわけさ」
 「……こんな学園近くの所からも、まーだそんなモノが出てくるとはねぇ」

学園周辺では珍しいニュースに、思わず雅羅も感嘆の声を漏らしてしまうようです
そんな中、彼女の隣でずっと話を聞いていたアルセーネ・竹取(あるせーね・たけとり)が口を開きました

 「その発掘に関しての出来事はよくわかりましたわ
  けど、それと私達がここにこうやって呼ばれた理由が繋がらないのですが……?」
 「いやすまない、これからその話をする所だったんだ」

アルセーネの問いに苦笑いと共に答えると
涼司は机上の端末に触れ後方の巨大モニターに幾つかのデーターを展開させました
そのデーターを確認しながら彼の話は続きます

 「発掘担当の研究機関は、古代史担当でね
  遺跡と古代遺産の管理はしても、機晶姫など人型の管理は専門外なんだ
  もちろん、彼女から出てくるデーターには興味はあるだろうが
  生憎、彼女ごと管理維持する暇も金もないらしくてね……敷地が学園内なのを良い事に押し付けてきた」
 「まぁ、古代からの生き字引なんてパラミタじゃザラだもんねぇ……地球の化石より価値なかったりするし」
 「それでも手に入れた情報はそれなりに欲しいらしい、手段は完全に我々に一任すると言ってはいたがな
  で、そうこうしている内に、ついに眠り姫が目を覚ました……これがその写真だよ」

ホロウィンドウに一際大きく映し出された画像、雅羅とアルセーネが一斉に覗き込みます
そこには石棺のようなカプセルから起き上がる翠髪翠眼の少女の姿がありました

 「へぇ、なんか随分あどけない感じねぇ……かなり戸惑っている顔してるって事は
  外世界の情報は特にスリープ中でも収拾してなかったみたいね、これは完全な眠り姫だわ」
 「……確かに彼女の事はよくわかったのですが、やっぱり私達が呼ばれた理由に………は……?」

珍しそうに眺める雅羅の隣で、困惑気味に画像を見ていたアルセーネの言葉が不意に止まりました
不思議に思った雅羅が彼女をみると、画像の一端を眺めています
視線の先は石棺状のカプセルの模様……そこでようやく自分の記憶と繋がり、雅羅が涼司に声をかけます

 「ねぇ!この石棺の模様って!?」
 「ようやく気がついたようだな
  ああ、先日君達がおまじないスポットとして学園に維持交渉を申し出た、例の遺跡のレリーフ
  あれと一致するんだ……それにもう一つ、彼女の手元を見るといい」
 「「………あっ!!」」

今度は雅羅とアルセーネの二人が同時に驚きの声を上げました
機体維持用と思われる、光沢のあるアンダースーツに包まれた彼女の手に握られていたのは
水晶で作られたスイレンの花の指輪だったのです

 「これ!あの遺跡の台座にあった奴と同じだわ」
 「……つまり、彼女とあの遺跡とは関係がある……と」
 「ああ、例の遺跡と今回の遺跡の距離は3キロと近い範囲にあるしね
  ただ、さすがにそれ以上は彼女からも聞くことができなくてね……」
 「……?」

首を傾げる雅羅達二人に、困ったような顔で涼司は話を続けます

 「発掘作業の衝撃か、維持カプセルのシステムが大味だったのか……彼女、自分の記憶がないらしい
  もちろん、一過性のショックでフリーズしてるだけかもしれないし、消去されてる可能性もあるがね
  ただ、彼女が学園にいる他の生徒と変わらない機晶姫である以上、強制的な行為は俺は認めない」
 「はいはいはい、ようやく話の展開が見えてきたわ」

そう言って溜息とともに片手を上げ、雅羅が彼の話を遮りました

 「つまり、これも何かの縁……この前と同じように面倒見てやってくれってわけね」
 「ああ、精神的負荷がかからなければ記憶へのアプローチを試みても
  覚醒から落ち着くまで学園の一生徒と同じように接しても構わない
  一応彼女は転校生として処理はしてあるから、他連中と協力して校内を案内しても問題はないよ」
 「……手馴れたくらいに迅速な対応なことで」

半ば呆れの言葉を雅羅が校長に述べたところで、これまた図ったように扉が開き
着替えた写真の少女が、戸惑いの表情とともに姿を現しました

 「一応名前だけは記憶にあるらしい……【ヤクモ】というそうだ
  3日後には研究機関からのデーターも来るから、それで改めて今後のことは考えようと思う
  それまで、彼女のことをよろしく頼む」

名前を呼ばれて、機晶姫の少女は驚いたように体をこわばらせた後、目の前の雅羅達を眺めています
画像と同じ翠髪翠眼、長い髪をうなじで束ね、東洋を感じさせる肌は時間を感じさせないほどに艶やかです
3人を見て言葉を選ぶようにおどおどしている姿は、不意の覚醒による混乱が収まっていないようでした

 「あ、あのっ、ヤクモって言います。それ以外……何も覚えてなくて……そのっ……」
 (……本当に生徒と変わんないわね……ま、しょうがないか)


雅羅は僅かに苦笑すると一生懸命に言葉を交わそうとするヤクモに歩み寄り、にこやかに手を差し出しました
戸惑う彼女に向かって、精一杯の笑顔で語りかけます

 「話は聞いたわ、私は雅羅・サンダース三世……よろしくね、ヤクモさん」



担当マスターより

▼担当マスター

OGA-SAN

▼マスターコメント

 ゲームマスターのOGA−SANです。
 今回もよろしくお願いいたします。

 今回のシナリオは戦いを忘れたイベントシナリオです
 前回のシナリオ【水晶の花に願いを込めて……】に続くシナリオですが
 前回の参加不参加関係なく、誰でも参加が可能なので、どの学校の生徒も気軽に参加して下さい!

 基本はシンプルに古代遺跡から覚醒した機晶姫の女の子【ヤクモ】と、どう過ごすかというシナリオです
(ヤクモの外見のイメージはマスターページに掲載していあります)
 彼女はガイドのとおり名前以外は全ての記憶がないので、遺跡に関わる観点から記憶の覚醒を促す事も可能です
 しかし、内面は皆さんと変わらないので、不意に目覚めて戸惑う彼女のケアをしたほうが良いかもしれません
 ついでに自分達の世界を案内してもいいと思います

  ・一緒に遺跡に足を運んでみる
  ・学園を案内し、サークルや部活を体験してもらう
  ・一緒に行動しながら、とにかく彼女を観察してみる
  ・自分達のめくるめく趣味(?)の世界を体験し、仲間に引き込む

 とにかく、この時代や世界について何も知らない状態なので、ケアをしつつ接してください

★補足事項★
  
 シナリオ【水晶の花に願いを込めて……】での遺跡関係ですが
 現在まだ発掘作業が終了していないので、見学には手続きが必要で、いずれも一人一回となっております
 (受理されるまで一日かかるので、待っている間のアクションも書いてかまいません)
 【水晶のスイレンの花】は学園内の資料室に保管してあり、こちらは閲覧自由です
 (持ち出しは不可ですが、手に取る事はできます)
 
 
 ………では、みなさんと彼女にとっていい時間が送れますように


▼サンプルアクション

・学園を案内し、楽しんでもらう

・遺跡の場所に一緒に足を運ぶ

・ヤクモとともに色々見て廻る

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年08月14日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年08月15日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年08月19日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年09月01日


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