なし

　
　年も移り変わり、ここイルミンスールでは、恒例？のお風呂開きが開催されていました。
　新年に、地下大浴場でお風呂を楽しみましょうという催し物です。
　縁起物ですから、地方からもいろいろな人がやってきて、お風呂を楽しんでいきます。
　人が集まれば、トラブルもつきもの。何やら、一部で騒がしい動きが……。
　
「ああ、いいお湯なんだもん」
　イルミンスール大浴場で、リン・ダージ（りん・だーじ）はのんびりと……泳いでいました。
　ばしゃばしゃばしゃ……。
「ふっ、まったりとした風呂。まったく、心が洗われるようだぜ……」
　ばしゃばしゃばしゃ……。
「うっぷ……。てめえ、風呂で泳ぐんじゃねえ」
　リン・ダージの上げるお湯飛沫をあびて、のんびり風呂に浸かっていたモヒカンが怒って立ちあがりました。
「あによお。こんなにでっかいんだから、泳ごうが何しようが勝手なんだもん」
　リンちゃんは、完全に無視です。まったく、マナーがなっていません。
「貴様、風呂という崇高な場所における公式ルールを無視するとは……。あっ、てめえ、この間の穿いてない娘！」
「なによ、それ！　お風呂なんだからあたりまえじゃない！」
　いきなり指さされて、リンちゃんが怒って言い返しました。ちなみに、最近はアルディミアク・ミトゥナ（あるでぃみあく・みとぅな）に怒られるので、ちゃんとお風呂用ロングタオルは身体に巻いています。
「それが間違いだってえんだ。いいか、風呂に入るときはな、こうやってちゃんとモヒカンにパンツを被るのが粋ってもんなんでえ」
　そういうモヒカンは、ちゃんとモヒカンにパンツを被せていました。そう、彼はＰモヒカン族だったのです。ちなみに、腰にタオルは巻いていますが、パンツは被っているので穿いていません。
「あによ、変態！」
「変態は、穿いてないから大丈夫などというてめえの方だろうが」
「だから、ここはお風呂だってば」
「だから、パンツは頭に穿くもんだ。パンツを被らない奴は、風呂に入るんじゃねえ」
「何言ってんの、もうぜんぜんわかんなーい」
　癇癪を起こして、リンちゃんがばしゃばしゃとお湯を撥ね飛ばします。
「おーい、何騒いでんだあ？」
　騒ぎに気づいて、ココ・カンパーニュ（ここ・かんぱーにゅ）たちが、やってきました。
「変態」
　有無をも言わさず、リンちゃんがＰモヒカン族を指さしました。さすがに、モヒカンにパンツを被せて風呂に入っているのは……変態です。
　ＣＲＡＳＳＳＳＳＳＳＳＨ！
　顔色一つ変えずに、ココ・カンパーニュがＰモヒカンを吹っ飛ばしました。容赦ありません。
「あっちで、スイカ割りしてるから行こうぜ」
「わーい」
　端からＰモヒカン族など存在していなかったかのように、リン・ダージとココ・カンパーニュはどこかへ行ってしまいました。
「くそお、覚えていろ……」
　ジャングル風呂の椰子の葉がクッションとなって一命をとりとめたＰモヒカン族が呻きました。
「あのお方なら、このジャングル風呂で、正しいパンツの使い方をここの奴らに教育してくれるに違いない、Ｐ級四天王様なら……」
　そう言うと、Ｐモヒカン族は、仲間を集めるために脱衣所の携帯を取りに行きました。
　ここに、風呂の正しい入り方を巡る戦いが、イルミンスール大浴場で勃発したのでした……。
　

　
　はい、カオスシナリオです。
　ずいぶん前にリクエストされていたんですが、今頃になっちゃいました。
　
　舞台は、イルミンスール魔法学校の地下にある大浴場です。
　全体がジャングル風呂になっていて、大小様々な浴槽が点在しています。
　脱衣所は男女別々ですが、中は混浴です。一応、水着推奨となっていますが、お風呂用ロングタオル一枚とか、すっぽんぽんでも問題ないことになっています。
　脱衣所前は、パラソルつきのテーブルと椅子がならび、ジュースなどが飲めるスペースになっています。
　一番奥には噴水つきの大浴槽があり、周囲に広い洗い場があります。そこから流れるお風呂が川のようにのびていて、ぐるりと大浴場を一周してまた大浴槽に戻ってきています。
　流れるお風呂に沿って小径があり、周囲には様々な浴槽があります。中には、隠されているんじゃないかというお風呂もあります。全体的に、観葉植物が生い茂り、ジャグル風呂となっています。
　
　ＮＰＣに関しては、毎度のゴチメイとか、イルミンの連中は適当に入っているので絡めます。
　時系列的に艦隊戦キャンペーンも終わっていますので、エステルたちも可能ですね。
　それぞれ、確定ロールでなければ、接触は可能です。
　公式ＮＰＣは、さすがに役職関係やほかのシナリオで忙しいキャラは無理です。目安は、グラシナ、キャンペーンに登場している場合は、ほぼ無理と考えてください。それ以外だと、登場させるのは不可能ではありません。ただし、確定ロールはダメです。
　「ＮＰＣの＊＊さんと、露天でしっぽり」なんていうのは確定ロールで、９０％の確率で運営チェックで没になると考えてください。
　他マスターのキャラは、マスターの許可が必要なので、時間的に許可が取れるかは難しいです。
　あえて、これらを狙うというチャレンジャーは、玉砕してもいいように、予備のアクションを必ずつけておいてください。おそらく、そちらになる可能性の方が高いですので。そうでないと、ただ温泉に浸かっているだけの行殺になってしまいます。
　また、Ｐモヒカン族が徘徊していますので、当然安住の地はほとんどありません。ＮＰＣともども襲われる可能性は高いので覚悟してください。
　まあ、絡まなくてもいいのであれば「ＮＰＣの誰々さんがいるか探す」とあれば、運がいいと、隅っこの方にいて最後まで気づかないということがあるかもしれません。直接関わらなければ、ハードルは低いです。
　登場シナリオが少なくて暇そうにしてるＮＰＣは、適当にお湯につけとくかもしれません。
　
　さて、Ｐモヒカン族は、パンツをこよなく愛し、頭のモヒカンに被せているという習性を持つ一族です。彼らの愛は、中身よりも、パンツに注がれています。
　そして、彼らのヘッドがＰ級四天王です。パラ実ですので、四天王と言っても何人もいます。また、Ｐモヒカン族が認めれば、それがＰ級四天王ということらしいです。男女、経歴、関係ありません。
　
　と言うことで、Ｐ級四天王の称号を得るために、パンツ愛を発揮して大浴場で暴れまくるか。
　あるいは、すでにＰ級四天王なので、Ｐモヒカン族を率いて暴れまくるか。
　そんな奴らは消毒だあとばかりに、退治して下水口にスライムと共に流すか……。（いや、別にマジックスライムは大浴場にいるわけではありませんが……。修練場奧の養殖場にはいますが）
　輝くのは被害者とばかりに、水着で逃げ回りつつ脱がされるか。
　穿いてなければ大丈夫と、すっぽんぽんでお風呂を楽しむか。（多分、Ｐモヒカン族に誰かのパンツを被せられる危険が……）
　
　ええと……、もう、好きにしてください。
　

・Ｐ級四天王に俺はなる

・Ｐ級四天王を倒す

・すでにＰ級四天王

・大浴場の平和を守る

・パンツを死守