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森の精霊と抜けない棘

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シナリオガイド

突き刺さったままの棘は、どうするべきなのだろう?
シナリオ名:森の精霊と抜けない棘 / 担当マスター: 黒留 翔

 ――妖精の集落、フラワーリング。
 集落の族長・三編みおさげのハーヴィ・ローニは対面に座る二人にお茶を勧めながら、自分の席に着きました。
 しかしリト・マーニ(りと・まーに)はハーヴィの着座をみとめるとすぐに、真面目な顔をして「大切な話がある」と言うのです。

「私、全部思い出したい」

 少しだけ、時間が止まったようでした。
 ハーヴィはリトの隣に座るカイ・バーテルセン(かい・ばーてるせん)と思わず顔を見合わせましたが、彼もまた言うべき言葉を失っているように見えます。

「いきなりどうして……」
「夢を、見たの」

 リトは言います。夢の中で懐かしい声を聞いた気がした、と。そしてそれは、忘れてはならないもののはずなのに、忘れてしまっていることなのだと。

「だから私は思い出さなきゃいけないの。本当は、ずっと考えてた。いつまでも皆に護ってもらってばかりじゃダメだって。いい加減、ちゃんと自分で受け止めなくちゃいけないって。だから、ハーヴィ……力を貸して欲しいの」

 そう真っ直ぐに視線を向けられて、ハーヴィは少し辛そうな表情を浮かべました。

「じゃが、リト……上手く思い出せたとして、それが楽しい記憶ばかりとは限らんぞ」

 その言葉にリトは分かってる、と頷いて「それでもこのまま知らずに過ごすよりは良いから」と答えた。

「だから久しぶりに、ハーヴィと一緒に森の中を歩きたいな。そこで色んなこと話して欲しい」

 その時でした。
 危機を知らせるような巨大鷲の鳴き声が、一声高く響き渡ったのです。


■■■


 フラワーリングは、契約者たちによって造られた防護柵にその外周を囲まれています。
 森の住人である巨大鷲が警戒の声を上げた直後、防護柵に吊るされた鳴子も音を立てて、侵入者の存在を警告していました。
 集落を守る意思の強い一部の妖精たちは、一瞬にして顔を強張らせ周囲の様子をうかがいます。
 どこから敵が来るのか――その答えは意外にも、直球すぎるものでした。
 
「――正面きって攻めてきた!? 族長……!」
 
 集落の入り口から男たちの姿を確認した妖精は、急いでハーヴィの家へと駆けて行きます。
 そうしているうちにも近づいてくるその相手は、皆一様に灰色のポンチョを纏った数人の男たち。その数6――いや、5人という小規模な集団でしたが、彼らの顔にはすでに妙な焦りの色が見てとれます。
 そしてその先頭の男は、集落の手前で歩を止めて野太い声を張り上げたのでした。

「おさげの嬢ちゃんを呼んでくれ!」

 族長のことを指しているらしい、というのはその場に居合わせた妖精たちにも分かりました。しかし、彼女たちはその集団こそが以前ハーヴィをさらい、森を狂わせた張本人であることは知りませんでした。とはいえ、灰色ポンチョの背中に描かれた『灰色の棘』の文様については、知らされている妖精たちも多かったのです。特に自警団のメンバーは彼らに対する危機感を共有しており、絶対に男たちをハーヴィに会わせるわけにはいかないと身構えていました。
 
 その様子にしびれを切らしたのでしょうか。男は切羽詰まった表情でその言葉を吐き出したのです。


「頼む、お頭を助けてくれ」



担当マスターより

▼担当マスター

黒留 翔

▼マスターコメント

 黒留 翔です。

 間があいてしまい申し訳ございません。
 機晶精霊&灰色の棘に関するお話はきちんと完結させるつもりでおりますので、どうぞよろしくお願いいたします。



■今回の補足■

 集落の入り口前には、『灰色の棘』の男たちの姿が5人確認できます。
 この5人は全員同じ服装ですが、背格好などはバラバラなので見分けはつきます。見知った顔があれば妖精たちが気付くはずですが、少なくともこの中にそういった人物はいないようです。ただしハーヴィはさらわれた時やその後の尋問時(石化していた男たちを縛って口を割らせた)、煌めきの災禍事件の際にも彼らの顔を見ています。
 
 なお、現在目視しうる限りでは彼らの他に敵の姿は確認できません。



■登場人物&用語等■

・リト・マーニ……自分に暗い過去が存在することは薄々気が付いていますが、しっかりと向き合わなければならないと思っています。

・ハーヴィ・ローニ……昔を思い出して欲しい反面、リトが記憶に押し潰されてしまうのではないかと心配しています。

・カイ・バーテルセン……特に指定がなければ『灰色の棘』の相手をします。


・『灰色の棘』……ハーヴィ誘拐を企てた他、機晶精霊『煌めきの災禍』として封印されていたリトを奪おうとした集団です。首謀者のソーン・レナンディは未だ行方知れずですが……?

・緑の機晶石……リトの弟・ヴィズの魂が宿っている機晶石です。『煌めきの災禍』事件以来ソーンに強奪されたままですが、幸か不幸かリトは弟の存在自体を忘れています。



■行動可能な範囲■

 自由に行動して頂ける場所は「フラワーリング」および「森の中」とさせて頂きます。
 なお、フラワーリングは防護柵で囲まれている他、森の中には「封印の洞窟」、「カイの家(旧炭焼き小屋)」が存在します。
 これらの場所においては基本的に何をして頂いても構いませんが、悪意をもって他PC様に危害を加える等のアクションはNGとなりますのでご注意ください。

 現在、集落内に建設済みの建物に関しては以下の通りです。

 学校/子ども園/倉庫、水車/宿泊施設、温泉/洋服店/自警団員詰所
(学校に図書室と職員室および宿直室、保健室、子ども園に遊戯室は設置済み。詰所は談話室完備です。)

 また、集落周辺に関する地図はマスターページに載っていますので、気になる方はそちらをご覧頂いて「何となくこんな感じ」というのを掴んで頂ければ幸いです。



▼サンプルアクション

・『灰色の棘』と戦闘

・『灰色の棘』と対話

・リトと森へ行く

・避難誘導

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2014年06月03日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2014年06月04日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2014年06月08日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2014年06月18日


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