空京のシャンバラ宮殿前広場に、またまたイベント会場が姿を現しました。
どうやら、新型のイコンシミュレーターを運び込んで、大規模な模擬戦の大会を開催するようです。
「よっしゃあ、来たぜ、俺様の時代がよう。愛機スーパーデラックス喪悲漢で、他のイコンを全てスクラップに変えてやるぜ!」
噂を聞きつけたパラ実生なども、続々と集まってきているようです。
「兄貴い、シミュレーターですから、実物は壊れないらしいですぜ」
「しゅみれーたー?」
趣味ではありませ……いや、やっぱり趣味の範疇でしょうか。
「シミュレーターですってばあ。要はゲーセンにある、オンライン対戦みたいなもんでさあ」
「上等じゃねえか、こら。なんでもいいから、全てぶっ壊してやるぜ、いぇーい!」
「ふむ、新型イコンの性能シミュレーションとしては、手頃なところか」
最近新型イコンが配備されたシャンバラ教導団とイルミンスール魔法学校などにとっては、そのお披露目も兼ねて渡りに船の話でした。
「はい。一応、公のデータは全て登録されており、それをベースに各イコンをスキャニングしてパラメータ変更をしているとのことです」
平たく言えば、性能は平均化されており、極端な優劣はついていないらしいですね。
「しょせんはシミュレーターと言うことか。実戦でない分、それなりというわけだな」
「ええ。極端な性能差はデータ的にまるめられているでしょうから、機体性能よりもパイロットの操縦技能が試されるということになるかと思います」
「むしろ、望ましい。存分に新戦術を試そうではないか」
「シミュレーター? だったら、フィーニクスの本領発揮じゃないか。他のイコンなんて、目じゃないぜ」
もともと仮想世界のイコンであったフィーニクスやスフィーダ乗りたちは、自分たちこそ有利だと自信を持っています。
「シミュレーターなら、うちのくわがったんだって死んだりしないよね。でてみようかなあ……」
「やめときなさいって。第二世代機とかに勝てるわけないでしょうが」
「でも、運とか、まぐれとかってあるじゃない」
「いや、まぐれ勝ちに期待している段階でダメだって気づきなさいよ!」
「イコン? ははははは、そんな物、我が超ド級戦艦の前には、カトンボも同じ!」
「あのー、その超ド級のドってなんなんですか」
「決まってるだろう。超ドキュン系戦艦の略だ」
「一撃で沈没しそうです……」
さあ、基本的なイコンから要塞までなんだかイコン以外も参加してきているようですが、はたしてどうなるのでしょうか。
スーパーイコンファイトの開始です。