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幻夢の都(第2回/全2回)

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シナリオガイド

魔獣の森の再来。そして、過去との決別へ――
シナリオ名:幻夢の都(第2回/全2回) / 担当マスター: 夜光ヤナギ

 ヒラニプラ南のある町を襲った邪竜アスターの魔の手。
 町の人々は幻の〈黄金の都〉へと誘い込まれてしまい、契約者含むガウル・シアード(がうる・しあーど)は、それを救うために黄金都市へと足を踏み入れたのでした。
 しかし、町の人々を幻から救い出し、同じく幻に囚われていた仲間を救い出したのも束の間、黄金都市に波紋が広がるや、次の瞬間――ガウル達の目の前に現れたのは、それまでの黄金都市とは似ても似つかぬ森の光景でした。
 しかしそこは、ガウルにとって二度と忘れることの出来ない森でもありました。
 ツァンダ東の森。クオルヴェルの集落のある場所。ガウルが魔獣ガオルヴとして君臨していた森。
 そして、嫌な予感を覚える一行の前に現れたのは、すでに故人となっているはずのガウルの亡き親友、ゼノ・クオルヴェルだったのでした。


「ゼノ……」

 ガウルが愕然とした声をこぼしました。
 すると、馬上のゼノが眉をひそめます。彼はガウルが何者なのかをまるで分かっていないようでした。

「俺の名前を知っているとは……貴様、何者だ」
「何を言ってるんだ。私だ。ガウルだ。いや、シアードと言った方がいいか……。覚えていないのかっ……」

 途端、ゼノの表情が一変しました。

「貴様っ! なぜシアードを知っている!」
「な、なに……っ?」

 戸惑うガウルを前にして、ゼノはつぶやくように言いました。

「シアードは俺の友の名だ。そしてその男は、魔獣に自らの身をなげうって死んだのだ! 誇り高い戦士だった! その名を語るとは……貴様も、あの魔獣ガオルヴの仲間かっ……!」

 途端、激情に駆られたゼノが剣を抜き放つや、その切っ先をガウルの喉元に突きつけました。
 同時に、周囲を取り囲んでいた獣人の戦士達も、ガウル達へ向けて槍を突きつけ、完全に回りを包囲します。
 ガウル達は全く身動きが取れなくなってしまいました。

 ゼノがしばらく、馬上からガウルを鋭い眼差しで見つめました。
 それから、ふん、と息を吐き捨てるようにして、馬ごと身を翻しました。

「似てはいるが、髪の色までは誤魔化されん。シアードの髪は黒髪だった。漆黒の黒髪。俺の赤毛とは違う、吸い込まれるように美しい黒だった。……俺はそのことを忘れたりしない」
「違うっ。ゼノ、これは……」

 ガウルがゼノに追いすがろうとしましたが、獣人達の槍が動いてその道を阻みました。

「連れていけ」

 ゼノが言うと、獣人の戦士達がはっと短く答え、ガウル達をロープで縛り上げにかかりました。

「ゼノっ……違うんだっ! 私の話を聞いてくれ……っ」

 最後まで追いすがろうとするガウルの話は、しかし、遠ざかるゼノの耳には届かぬのでした。


 果たして、ゼノは……、この光景は……、幻なのか。
 もとの世界に戻るためには、皆さんの協力が不可欠です。皆さんの力で、ガウルを助けてやってください!


担当マスターより

▼担当マスター

夜光ヤナギ

▼マスターコメント

初めましての方は初めまして。
そうでない方はお世話になっております。
最近、昼間と夜の寒暖の差に悩まされるMS、夜光ヤナギです。

【内容補足】
今回のシナリオは、獣人シリーズ第7弾(後編)となります。
しかしシナリオそのものは単独でリリースしているものです。
初心者の方もそうでない方も、お気軽にご参加くださいませ。

リーズ編に引き続き、獣人シリーズ(ガウル編)は今作で完結を予定しております(あくまで予定ですが)。
もしかしたらガウルも誰かと契約をするかも……しれません。
ご了承くださいませ。

●魔獣ガオルヴ

 かつてツァンダ東の森を脅かしていた魔獣です。
 金色の狼と称されるように、鮮やかな金の毛並みを持った巨大な狼との話です。
 そのパワーは強大で、並の戦士では歯が立たないとか。
 また、興味深い噂で言えば、最近になってガオルヴは相手に幻覚を見せる特殊な力を操るようになったという噂もあります。
 ガウルが魔獣だった時代と、若干の差異があるようです。

●クオルヴェルの集落

 ゼノ・クオルヴェルの父である老獪なる長、カーヴ・クオルヴェルが治める時代の集落です。
 今回の舞台はガウルヴがまだ健在している時代にいるようで、集落はその独特の緊張感に包まれています。
 集落では、ガウルヴを倒すために、後に集落で英雄と呼ばれるようになるゼノ・クオルヴェルを中心とした戦士団が結成されていたり、外部からも傭兵や冒険者を募っていたりします。
 近いうちにガウルヴが根城にしていると言われる古代遺跡へと、一斉攻撃を仕掛ける予定のようです。
 黄金都市から森の中へと飛ばされた際に、ガウル達は散り散りになっている可能性があります(囚われていた町の人々はいません)。時に外部の傭兵として参加している者や、別のルートで集落の戦士に捕らえられた者もいることでしょう。

●NPCについて

【ガウル・シアード】(獣人)
 かつては魔獣ガオルヴとしてツァンダ東の森を恐怖に陥れていた。しかし、親友でもあり戦友であった男によって封印され、さらに復活を遂げたときにはその血を受け継ぐ少女によって討ち倒される。
 魔獣の邪気から逃れ、一人の獣人として生きることを許されるが、自分が生きる意味と戦う意味を求めて放浪の旅に出る。
 背中に担ぐ大剣は、親友の血を受け継ぐ少女より譲り受けた、親友の忘れ形見である(ただし、戦闘スタイルは闘拳。大剣はほぼ使わない)。

【ゼノ・クオルヴェル】(獣人)
 後に集落で英雄と称されるようになる若き戦士。燃え立つような赤毛が特徴的で、腰の長剣と背中に背負った大剣を使い分ける。
 若いとはいえ、すでに息子もいる身であり、愛妻家でもある。ただ、誰よりも真っ直ぐ過ぎるがゆえに、激情に駆られると周りが見えなくなる時もあると、妻や彼をよく知る周囲の人間は心配している模様である。
 特に最近では、無二の親友を失ったことで魔獣に並々ならぬ怒りを覚えているとか。

※以上はアクションを考える上での参考情報です。あくまで参考となるものなので、必ずしもMCやLC自体がそれを知っている前提でなければならない、ということはありませんのでご安心下さい。(もちろん、周知を前提にされても結構です)

▼サンプルアクション

・ガウルとともに牢からの脱出を図る

・集落の戦士団に加わる

・独自に魔獣退治へ

・集落を散策する

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2012年10月27日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年10月28日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年11月01日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年11月19日


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