注※今回より当シナリオでは、参加LC数に1人までの制限が入ります。マスターコメントをご参照下さい。
アトラス火山の遺跡で発掘活動をしているトレジャーハンター、リシアにより、キマク地方に聖地があることが判明しました。
その情報は直ちに、イルミンスールを始めとする、別行動の仲間達に伝えられましたが、ついでに情報として蒼空学園へも連絡したところ、その返答で、予想外の情報が齎されました。
「ツァンダの南方で、件の人物の目撃情報が入ったそうよ」
件の人物とは、以前空京にて撮影されていた、『カゼ』のことです。
観神楽環菜校長は、今回の事態を静観していましたが、一応、ツァンダ周辺の調査に動いてくれていたのです。
「げっ」
通信の様子を聞いていたリシアが、思わずそう声を漏らし、集まる視線に、しまった、と慌てて口を押さえました。
「……やっぱりキマクの他にも聖地の場所を知っていたんですね!」
「しっしっしっ知らないわよ何のことっ!?」
と、しらばっくれて目を逸らす声がしかし上擦っています。
そして、
「あんた達なんかに教えるわけないでしょ!」
という叫びも虚しく、最終的にリシアは、
「場所を知ってるだけよ! 行ったことないし!」
と言いつつも、悔しそうに、ツァンダより南東方向へ下った地方に、カルセンティンという聖地があることを教え、
「……姐さん基本的に嘘がつけない人だから……」
と、仲間で助手で手下な2人組がひっそりと苦笑を漏らしたのでした。
つまり、キマク西方と、ツァンダ南方。
そこにある2つの聖地に、それぞれ、『ミズ』と、『カゼ』がいるものと思われます。
――そして。
「…………嘘だ…………」
コハクは、その光景を前に、愕然と立ち竦みました。
聖地モーリオン。
広がる荒野に、巨石を組んで作られた、ストーンサークル。
それを中心に、夥しい数の死体が、累々と横たわっていました。
そこに立っている人物は、2人だけ。
ゆったりと裾の長い、ドレスのようなチュニックに不似合いの、身長より長い柄と大きな三日月のような刃の鎌を手にした、褐色の肌と長い黒髪の女性。
……そして、戦槍を手にした、背に有翼種の翼を持つ、ヴァルキリーの女戦士だったのです。
「来ると思っていた、コハク」
ついに彼女の元へ辿り着いたコハクを、強く見据えて。
「さあ、”光珠”を、渡して貰おう」
と。
そして更に一方。
砂漠では、ようやく追いつくかと思われたハルカの祖父、ジェイダイトが、今度は、聖地クリソプレイスからの脱出に使われ、砂漠に墜落した、燃料切れであるはずの飛空艇に乗り込み、フラフラと恐らく南の空へ消えて行ったというのでした。