天御柱学院へ

蒼空学園

校長室

イルミンスール魔法学校へ

砂上楼閣 第一部(第4回/全4回)

リアクション公開中!

砂上楼閣 第一部(第4回/全4回)

リアクションが公開されました!

リアクションの閲覧はこちらから!

リアクションを読む

参加者一覧を見る

シナリオガイド

会談目前。薔薇学はタシガンに残ることができるのか?!
シナリオ名:砂上楼閣 第一部(第4回/全4回) / 担当マスター: 芙龍らむだ

「…シャン・ケイシー?」
 エース・ラグランツ(えーす・らぐらんつ)が提示した本は、タシガンの歴史書だった。
 そうは言っても、永い年月を生きる吸血鬼にとって200年という時間はつい最近の出来事である。人間にとっては過去の歴史書であっても、彼らにとってはゴシップ誌に類する書籍にすぎないが。
 この際、そんなことはどうでも良い。
「200年前、リアンさんの家に勤めていた使用人。
 戸籍の記載が正しければ、この人はまだ生きている」
「えっ?! それって?!」
「公には、生存者はリアンさん一人だと言われているけれど、実際には違うってことだよ」
 その場にいた者達の視線がリアン・エテルニーテ(りあん・えてるにーて)に集中する。
 彼らの熱意に圧されるようにリアンはうなだれつつも、ゆっくりと重い口を開く。
「…ケイシーの現在の名は、上杉謙信だ」
 リアンの言葉にリアンのパートナーであるシャンテ・セレナード(しゃんて・せれなーど)が驚愕の声をあげる。
「待って! だったら何でリアンの家の使用人が、アーダルヴェルト卿の家臣だと言い張っているの?!」
「…昔も今も、あの者はアーダルヴェルト卿の家臣だった…ということだろう」
 アーダルヴェルトの屋敷で謙信の姿を見た瞬間、リアンは言葉を失った。
 一族の間で沸き上がった領地争いが、何故あそこまで激化したのか。
 もしも影で糸を引っ張っていたのが、タシガン領主アーダルヴェルトだとしたら?
 しかし、その後、タシガンで同様の事件が起きたという情報はない。
 まるでエテルニーテ家は、生け贄の子羊であったかの如く…。



「まずは互いの情報交換から始めさせていただこうか」
 ハイサム外務大臣を乗せた飛空艇の艦橋と、薔薇の学舎内の会議室。
 2つの離れた空間にいる者達は、モニター越しに対峙していた。
「では、吾人から報告させていただこう」
 最初に口を開いたのは、薔薇の学舎の教員マフディー・アスガル・ハサーン(まふでぃー・あすがるはさーん)だ。
 マフディーは内心、今回の会議をジェイダス・観世院(じぇいだす・かんぜいん)お得意の茶番だと考えていた。モニター越しとはいえ、蒼空学園の酒杜 陽一(さかもり・よういち)といった他校の教師も参加する場で、本音を言い合えるはずがない。
 イエニチェリが同行したとはいえ、領主邸や外務大臣の警備を経験の浅い学生たちに任せたこと自体、胡散臭いことこの上ない。
 何も問題が浮上しないことの方がおかしいのだ。
 マフディーの中で、ジェイダスに対する不信感は高まるばかりである。
 しかし、生徒たちの功績を伝えることも教員の勤めであると思い直し、この会議に出席することに同意したのだった。
 領主邸で見聞きした生徒たちの行動を一通り報告し終えたマフディーは、一呼吸入れると、中央に座るジェイダスに向き直る。
「…抗議に参加していない市民の反応はどうなっている?」
 マフディーが知っている限りでは、タシガン内で空京で起きたようなデモ行為は行われていない。敬虔なイスラム教徒であるマフディーは足を踏み入れたことはないが、せいぜい場末の酒場にたむろする者達が、地球人に対する愚痴を吐き出している程度であろう。
「表沙汰にはしていませんでしたが、学舎が設立された当初から移転を望む投書は時折、届いていましたよ」
 マフディーの疑問に応えたのは、学舎設立時からイエニチェリの任についてきた中村 雪之丞(なかむら・ゆきのじょう)だ。
 ハイサムや酒杜といった外部の者を意識してか、雪之丞の言葉はかなり控えめなものである。
 実際は投書などというレベルではない。
 幸いにも生徒に被害は出ていないが、過去にはジェイダスを狙った暗殺者が忍び込んだこともある。
 マフディーをはじめとした一般教員は、雪之丞が口に出さなかった裏事情を知らない。
 しかし、マフディーには、それで十分だった。
「今回の件で、良くも悪くも排斥派との対立が表面化したと考えるべきであろう。一般市民からも学舎への不満が噴出しているならば、我らは即座に身を退くべきだ」
 蒼空学園教師の酒杜が遠慮がちに口を挟む。
「部外者である私が言うべきことではないかと思いますが。そうそう簡単に学校の移転などできるものではないでしょう。タシガンだけではない。パラミタ全体の情勢が変わってきているのです。情勢に対応するためにも、タシガン人の意識改革と融和を図る方が得策だと、私は思います」
 部外者だという自覚があるならば、黙っていていろ。
 マフディーは苦々しく思いつつも、「融和を図る」という酒杜の意見については同意していた。
 排斥派との対立の原因は、互いの無知にあるとマフディーは考えている。
 無知である理由は対話がないからだ。
 文化も歴史も違う民族が分かり合うのは難しい所行であろうが、生徒たちが対話による架け橋を作ろうとしているのならば、全力で支援したい。
 それがマフディーの意見だ。
「今回の件に対し、ジェイダス校長はどのように考えているのか。校長の考えをぜひうかがいだいところだな」
 真っ向から意見を求められたジェイダスは、人を食ったような笑みで応える。
「対話をするつもりがなかったら、ハイサム外務大臣の来訪を認めたりはしないと思うがな」
「確かに」
 ジェイダスの言葉にハイサムも首をすくめてみせる。
「今は大臣と領主殿の会談を成功させることに注力すべきであろう。違うかね?」
 何を当たり前なことを…マフディーは内心、そう思いつつも黙って頷く。
「それに対して、ひとつ提案があるのですがね」
 ハイサムが発言を求め、挙手をした。
「アーダルヴェルト卿との会談にはぜひ、薔薇の学舎の生徒に同席していただきたい。タシガンに地球人入植の足がかりを作ったのは貴方だが、その後、タシガンの民との交流を育んできたのは貴方の生徒さんたちだ。彼らを無視して話を進めても、良い結果は得られないと私は思うよ」



担当マスターより

▼担当マスター

芙龍らむだ

▼マスターコメント

「砂上楼閣 第一部」第4話のシナリオガイドをお届けします。

 第一部最終話の大きな目標は、ハイサム外務大臣とタシガン領主の会談を成功させることにあります。その結果如何では、薔薇の学舎がタシガンを放逐されることにもなりかねません。
 学舎の皆さんは、自分たちの居場所を守るためにも頑張ってください。

 タシガンサイドの動きとしては、次のようなものが考えられます。

●会談を成功させるためにも、横槍を入れてきている外部を黙らせる。
 タシガンの民に対する態度としては、武力による鎮圧ではなく「対話」にこだわるのも良いでしょう。しかし、実際問題、これまでも何度か、他校生からの横槍で対話のキッカケを潰されてきています。まずは彼らを抑え込まなくては、対話もへったくれもありません。時には武力に訴えることも必要でしょう。
 外務大臣が到着する予定のタシガン空港にも、テロ行為を目的とした人間が忍び込む可能性もあります。対策を考えると同時に武力衝突の覚悟を決めておいてください。
 また、これらのアクションをかけられる方で、第三話まで描写はされていなくとも、タシガンに来ている他校生の動き等、何らかしかの「調べる」アクションをかけられている方は、その前提に基づいてアクションをかけていただいてかまいません。

●アーダルヴェルトと上杉謙信の関係を明らかにし、会談で優位に立てる情報を入手する。
 リアンさんの過去を通して、アーダルヴェルトや上杉謙信が暗躍していることが分かっています。アーダルヴェルトにその事実を突きつけることで、会談で優位に立てるかもしれません。これは前回でリアンさん絡みのアクションをかけられていた方に推奨です。

●外務大臣とともに会談の場に同席する。
 こちらは警備する人と意見を述べる人、両方の人材が必要です。
 警備を担当する方は、その警備計画を、発言者を希望する方は、その発言内容をお書き添えください。その際に理想論を述べるだけではタシガンの民は納得してくれないでしょう。関係修復をするための具体的な施策を提示する必要があります。
 ちなみにリアンさんの情報によると、アーダルヴェルトは「かわいいもの」がお好きだそうです。ラフィタさんからは「薔薇の花」が好きとの情報をいただいております。


 遺跡組については、遺跡の制圧を最終話の目的とさせていただきます。

 薔薇学勢、天魔衆、どちらが遺跡を制圧するかによって、第二部のストーリーが大きく変わってきます。天魔衆が勝った場合、遺跡は天魔衆のアジトとなる予定です。

 制圧に力を注ぐのが正道ですが、アディーンやまだ眠っている2体の花嫁を連れて逃げてしまう方法もあります。
 ただ、一人のプレイヤーさんが、MCは制圧、LCは逃亡といったダブルアクションをかけられた場合、「二兎を追う者は一兎をも得ず」になりかねません。その辺は、同じく遺跡にいる他のプレイヤーさんと役割分担をした方が成功率が高まります。

 また、遺跡がある浮遊島には、残留組帰還のための飛空艇が残っています。
 天魔衆にはお迎えの飛空艇が到着しているため、こちらにも襲撃をかけてくる可能性が高いのでしょう。そのため飛空艇を守る方が必要です。これは新規参加者に守っていただくか、前回のリアクションで明らかに外務大臣の船に乗っている描写がされていない方のみとれるアクションとさせていただきます。


 今回、第一部の最終話ということもあり、個人的な趣味に基づくアクションは通りにくいかと思います。会談の終結と、遺跡の制圧という2つの目的を果たすためのアクションに限定していただければ幸いです。

 また、自らの意志で敵対アクションをかけてきているプレイヤーさん以外の方に対する、敵対アクション(仮にご本人にそのつもりはなくとも、第三者から見るとそうとれるもの)は、結果としてご自身に返ってきます。マゾプレイがお望みならばとめませんが、そうでないならば避けた方が無難です。


▼サンプルアクション

・会談の横槍を入れようとするテロリストと対峙する(帰島組専用)

・天魔衆の手から謎の遺跡を守る(浮遊島不時着組専用)

・外務大臣とともに会談に出席

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2010年02月20日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2010年02月21日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2010年02月25日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2010年03月30日


イラストを設定する 設定イラストを編集/解除する

リアクションが公開されました!

リアクションの閲覧はこちらから!

リアクションを読む

参加者一覧を見る