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まほろば遊郭譚 第二回/全四回

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まほろば遊郭譚 第二回/全四回

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シナリオガイド【イコン参加可】

マホロバの戦火に立ち向かうのは、あなた――
シナリオ名:まほろば遊郭譚 第二回/全四回 / 担当マスター: かの

 幕府公認の遊郭であり、国内最大の規模を誇る東雲(しののめ)遊郭では、今宵も様々な男女が行き交っていました。

「またいらしてくださいね……必ずお待ちしてますから……正識(まさおり)様」

 妓楼(ぎろう)『竜胆屋(りんどうや)』の看板遊女、明仄(あけほの)は、そういって見送ります。
 客は大大名の瑞穂藩主。
 七龍騎士のひとりでもある蒼の審問官・正識(あおのもんしんかん・せしる)でした。

「幕府はまだ、龍騎士に対抗する術はないようですよ……逃げた瑞穂藩士?
もちろん来たら残らずお教えしますよ。幕府のことも。うちは上客も来ますからね」

 遊女のもたらす情報が、敵を越え味方を越えてと伝えられます。
 遊郭ではそのようなことが日常茶飯事に行われているのです。

 騙し、騙されつつ――
 人々の様々の思惑がひしめきます。

 その頃、瑞穂藩士であり、今は故郷から終われる身となった日数谷 現示(ひかずや・げんじ)は、水波羅(みずはら)遊郭で幕府につくように説得されていました。
 しかし……

「そう簡単に世の中がまわるかよ」

 瑞穂への忠誠と恩義がせめぐ中、現示は明日のマホロバと故郷を夢見ながら、逃げ回ることしかできない自身をあざけるのでした。

卍卍卍


 水波羅遊郭のある扶桑の都では、紳撰組(しんせんぐみ)が組織されるなど、マホロバの情勢不安に対する不逞浪士を取り締まり、都の治安を守ろうとする動きもありました。
 桜の世界中である扶桑にも、重大な問題が起こっていたからです。
 扶桑の噴花が失敗した後、枯れつつある桜木が燃やされ、傷ついていました。

 扶桑の化身である天子(てんし)の声は次第に遠ざかり、
扶桑に取り込まれたままの巫女たちの声も、痛みとともに掻き消えてゆきます。
 彼女たちは意識が深く沈んでゆく前に、扶桑を通して各地にある世界樹から外をみていました。
 そして、扶桑の奥底にあった記憶をも辿ることができたのです。

「ううん、違う。貞継様やない……あれは……!」
「あれは二千五百年前の……扶桑の『記憶』なのですか!?」

 現実か嘘かもわからない音と映像が、頭と体中を駆け回り、何度も同じ光景をみせられます。
 それが彼女たちを、幾重にも苦しめていました。



「将軍家のお子を勝手に城外へ連れだされては困ります。連れ戻すようにとのご命令です」 

 将軍家の子供たちがm将軍家お預かりと称して城へ連れ戻され、軟禁されていました。
 マホロバの前将軍鬼城 貞継(きじょう さだつぐ)の血を引く子供たちです。

「もともと鬼城御三家は、将軍家の血が絶えることがないよう、
初代将軍鬼城 貞康(きじょう さだやす)公が、
血の監視をさせるために作ったと言われています」

 御三家のひとつ、鬼城 慶吉(きじょう・よしき)は将軍後見職となり、まだ幼い新将軍白継(しろつぐ)を補佐する立場にありました。
 その後見職の心内もわからぬまま鬼の血を引く子達は、『血の監視下』に置かれていました。
 もし鬼として覚醒してしまえば、幼少期の貞継や姉のように、マホロバ城地下に閉じ込められ、その存在を隠されることになるでしょう。

「お子達に『鬼』の兆候がでてはいないか、監視するよう言い付かったのだ」

 新たな御従人(ごじゅうと)が、大奥へと詰め掛けます。

卍卍卍


 東雲遊郭の前将軍の影蝋(かげろう)のうわさは、『貞継公に似た人』というものでしたが、その正体は、意外な人物の名でした。

「『影時間』に、『黄金の天秤』が示す方向に行けば、必ず会えると思っていた。
『鬼』が呼び合ったのですかな?
初代マホロバ将軍――鬼城 貞康(きじょう・さだやす)公!」

 龍から舞い降りる蒼の審問官・正識(あおのもんしんかん・せしる)の言葉が、『鬼』と呼ばれる男に向かって浴びせられます。
 鬼城貞継(さだつぐ)の顔をした貞康(さだやす)と呼ばれた男は、鬼城家の宝刀『宗近』を抜きつつ、不敵に笑いました。

「瑞穂の者……か。久しぶりだにゃー? しかし、無茶をするにゃ。東雲は幕府のお膝元ちゅうのに……」
「マホロバがいつまでも鬼のものだと思わないことだ」

 正識の手には黄金の天秤が揺れています。
 背には鈍く輝く聖十文字槍がありました。
 その槍は、これまで幾人もの命を奪ってきたといいます。

 その瑞穂藩主は、遊女の胡蝶(てふ)ティファニー・ジーン(てぃふぁにー・じーん)を連れさっていきました。

卍卍卍


「胡蝶(てふ)といったな。着ているものを全部とってみせよ」
「こんなことして事務所に……って、ミーは事務所……なかったデシタ」

 瑞穂の城では、一糸まとわぬティファニーを、正識が見定めるように見つめていました。

「なぜ、ないんだ?」と、正識は愕然としています。
「何がデスカ?」

 ティファニーは恥ずかしそうに両手で胸を隠しながらうつむいています。

「これも暁仄姐サンの……ためデス。姐サンを悲しませちゃいけないんデス……」

『正織様……どこに?』そんな姉遊女暁仄(あけほの)の声が、ティファニーには聞こえてくるようでした。
 しかし、正識は意に介さない様子で、城から眼下を眺めています。
 そこには、整然とした隊列を組んだエリュシオン第四龍騎士団と、帝国式装備の瑞穂藩士の姿がありました。

「これまで日数谷たちを追いながら、マホロバの現状を見てきた。
惨憺たるものだ。
この状況からマホロバを『救う』のは我らしかいない。
人々を惑わせる『天子』などこの地には不要だ。
聖樹ユグドラシルに祝福を受けしものたちよ。今こそ我らが鬼を追い払い、
マホロバの地を清浄するときである――我らが光へ導くのだ」

 正識の掛け声に、一斉に歓声が起こります。

「きけば幕府は、今頃になって慌てふためき、軍艦造船所や訓練所を作っているようだ。
そんな急ごしらえで龍騎士団に歯が立つものか。
自慢の鬼鎧も、『鬼の血』がなくては動かないというじゃないか」

 第四龍騎士団が約四千、瑞穂藩が一万といわれており、対して幕府は、旗本・御家人を合わせて約四万と数では圧倒しています。
 しかし、二千五百年と続く長い平和により、烏合の衆と化していました。
 それらを戦える兵士とするべく、幕臣たちが奔走しています。
 すでにそれぞれの総奉行並が動いています。

 正識は龍騎士団の各千人隊長に命じ、それぞれにマホロバ侵攻を指示していました。

これより東に向かう。四方より扶桑の都を包囲せよ
やっかいな『天子』を扶桑から消去する必要があるからだ。
同様に、貞康(さだやす)も消す。
これらが扶桑の中に存在する限り、同じことの繰り返しだ……!」

 マホロバ史上例を見ない本格的な外国との戦が始まります。


担当マスターより

▼担当マスター

かの

▼マスターコメント

 ゲームマスターのかのです。
 東日本大震災に被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。

 今回ご参加いただく際にいくつか注意事項がございます。
一、前作「まほろば大奥譚」に参加されていた方は、その設定を引き継いでいただいて結構です。

二、『托卵』によって『天鬼神の血』を引く子供を出産した方は、子に『鬼』の兆候が出るかチェックを行います。(男女とも。全四回まで行う予定です)
 方法は公平を規すために、シナリオガイドの『挨拶掲示板』を使用します。
 『挨拶』にご記入いただき、右のサイコロが『ゾロ目』だった場合、『鬼』化します。 その場合はアクションにも影響します。
 お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。
 また、托卵を受けたキャラクターの身体的ペナルティは継続しています。

三、扶桑に取り込まれている三人の巫女(SFL0000661 木花 開耶)、(SNL9998864 封印の巫女 白花)、(SFL0003468 リース・バーロット)は、扶桑の木にとりこまれたままです。
 ただし、前回扶桑が損傷したため、外部と会話するのは困難になっています。

四、シナリオ内でキャラクターの金銭が動く場合があります。
(遊郭に売られた、身請けされた、豪遊したなど)
 いずれも、キャラクターの所持金内で発生します。(所持金以上の行為を行いたい場合は、そのためのアクションが必要です)
 今回は、第二回アクション締め切り後のキャラクターデータと前回終了時のシナリオ内での所持金の差分を入れてこちらで計算し、参照とさせていただきます。

五、第二回より鬼鎧(イコン)の投入が可能になります。
 鬼鎧(=葦原明倫館イコン)を使用した場合は、幕府や葦原の支援を受けることができます。(幕府軍の軍艦に乗船できるなど)
 鬼鎧以外のイコン使用ついては、PCの私物扱いとします。
 また、鬼鎧の設定はこれまでの「まほろば大奥譚」、「まほろば遊郭譚譚」シナリオに登場した鬼鎧に準拠します。
 武器やスキルの使用は可能です。
 プレイヤーはイコンの使用を判断できます。
 ただし、使用の場合もアクション結果によって、イコンが必ずしも描写されるとは限りません。

六、扶桑の都の警護を行う紳撰組(しんせんぐみ)が結成されています。
 都の治安関係のアクションを行いたい方は、新シリーズ「結成、紳撰組!」にぜひご参加ください。(このシナリオではメインで扱いません)
 担当は密巴マスターです。

 NPC一覧や遊郭の設定については、下記をご参照いただきアクションの参考にしてください。
 設定等につきましては、史実を追及するというよりPCが活躍出来る舞台として参考にしています。

 サンプルアクションはあくまでも参考程度なので、シナリオから大きく外れない限りは何をしていただいても大丈夫です。


 このシナリオは葦原明倫館キャンペーンシナリオです。
 葦原明倫館生徒が有利ですが、他校生も参加できます。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。


【NPC一覧】

鬼城貞継(きじょう・さだつぐ)……マホロバ前将軍。扶桑の噴花を止めるため将軍職を白継に譲ったが、廃人となる。

房姫(ふさひめ)……葦原藩姫。大奥入りし、貞継の意思を継ぐと約束した。
睦姫(ちかひめ)……瑞穂藩姫。行方知れず。貞継との間に子「雪千架」がいる。

ハイナ・ウィルソン……葦原明倫館総奉行(=校長)。房姫のパートナー
ティファニー・ジーン……葦原葦原明倫館・元分校長。将軍家の秘密を流したため、追われる身となった。現在は『東雲遊郭』にて遊女見習い。

鬼城慶吉(きじょう・よしき)……鬼城御三家の一人。将軍後見職。

白継(しろつぐ)……マホロバ将軍。貞継と(SFM0033439) 樹龍院 白姫の子。
穂高(ほだか)……貞継と(SFM0034290) ファトラ・シャクティモーネの子
明継(あきつぐ)……貞継と(SFM0015871)葛葉 明の子
貞嗣(さだつぐ)……貞継と(SFM0002869)秋葉 つかさの子
珠寿姫(すずひめ)……貞継と(SFM0016822)度会 鈴鹿の子
緋莉姫(あかりひめ)……貞継と(SFM0032573)水心子 緋雨の子
雪千架(ゆきちか)……貞継と睦姫の子


蒼の審問官・正識(あおのもんしんかん・せしる)……七龍騎士の一人。瑞穂藩主。マホロバ名では(まさおり)
日数谷現示(ひかずやげんじ)……瑞穂藩士。瑞穂藩を追われ、流浪している。
瑞穂弘道館分校……葦原明倫館分校と同じで、マホロバ内作られた瑞穂藩分校


胡蝶(てふ)……ティファニー・ジーンの源氏名
明仄(あけほの)……『竜胆屋(りんどうや)』No.1の売れっ子。姉遊女。ランクは天神。
海蜘(うみぐも)……妓楼(ぎろう)『竜胆屋(りんどうや)』楼主
ごしき……美形の影蝋


【付録】

●瑞穂藩(みずほはん)
マホロバ西国一の大大名。
二千五百年前の戦国時代、鬼城・葦原に破れ、西国に追いやられた。
現在は若き藩主、正識(マホロバ読みでは『まさおり』)が治めている。
瑞穂藩はエリュシオン帝国との貿易により栄え、その文化や風土の影響を受けてきた。
新しい藩主正識はエリュシオンのユグドラシルに強い感銘を受け、七龍騎士として働いており、臣下にもそれが影響されている。

●暁津藩(あきつはん)
マホロバ西国の藩のひとつ。
二千五百年前の天下二分の戦いでは鬼城家につき、「戦功大なり」の褒章に預かった。
現在まで続く大名として優遇されてきたが、藩政改革は進んでいない。
暁津勤王党(あきつきんのうとう)という一派が藩内で一大勢力となり、扶桑の都で活動を行っている。
しかし最近では、その反体制運動に懐疑的な複数の同志達が決別、脱藩者を出している。

●マホロバ二大遊郭
東雲(しののめ)遊郭……マホロバ城下にある幕府による唯一公許の遊女街。幕府の規制もあり、出入口は大門のみ。
水波羅(みずはら)遊郭……扶桑の都にある伝統ある花街。一般に出入りは自由。

●遊女の階級
太夫(たゆう)……最高位の遊女。遊郭における伝説的存在
天神(てんじん)……高級遊女
花扇(かおう)……一人前の遊女
雛妓(ひよこ)……見習い遊女。
的矢女郎(てきやじょろう)……最下級の遊女。病に冒されたものも多く、あたると死ぬという意味
芸者・舞子(げいしゃ・まいこ)……遊興時の舞や三味線、唄などを行うもの。身体は売らない
楼主(ろうしゅ)……遊女屋の主人

※『花魁(おいらん)』と呼ぶのは『花扇(かおう)』以上の遊女

『影蝋(かげろう)』……男娼。客は男だけでなく女もいる

●花魁道中(おいらん どうちゅう)
花魁が雛妓などの見習いを引き連れて揚屋や茶屋まで練り歩くこと

●揚代(花代) 
遊女を呼んで遊ぶ時の代金のこと。
高級花魁(太夫)と一回遊ぶのに揚げ代、人数分の料理代+酒代、ご祝儀などで100〜200万円前後、三度通って馴染みになるまでには1,000万円はかかる。。
座敷で芸者や舞子などをたくさん呼んで、賑やかに騒ぐ金払いの良い客はお大尽(おだいじん)として喜ばれる。
『天神(てんじん)』で10〜20万円程度。
『花扇(かせん)』で5〜6万円程度。
一番安い『的矢女郎』は3,000〜6,000円程度。

●身請け 
遊女の身代金や借金を支払って勤めを終えさせること。
相場は、
花扇で三百小判〜百大判(300万〜1000万円)
天神で三百大判(3,000万円)
太夫だと七百大判(7,000万円)

●マホロバの通貨
マホロバには大判・小判(金貨)、銀(銀貨)、銅(銅貨)がある。
一銅=1円
一銀=1,000円
一小判=10,000円
一大判=100,000円

(参考)1ゴルダ=100円〜500円

▼サンプルアクション

・こんなときだからこそ遊郭にいくよ

・幕臣として活躍

・第四龍騎士団と戦う

・将軍の後継者問題に関わる

・マホロバを救う道を探す

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2011年04月16日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年04月17日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年04月21日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年05月19日


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