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【●】月乞う獣、哀叫の咆哮(第2回/全3回)

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【●】月乞う獣、哀叫の咆哮(第2回/全3回)

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シナリオガイド

アーデルハイトの封印された記憶、そして未だ続く超獣の脅威に立ち向かえ!
シナリオ名:【●】月乞う獣、哀叫の咆哮(第2回/全3回) / 担当マスター: 逆凪 まこと

 トゥーゲドアの町で復活した、巨大で不気味なエネルギー生命体”超獣”が、イルミンスールを目指して侵攻を開始してから、数時間が経ちました。
 契約者たちの尽力によって、イルミンスールの森の中に張った結界の中に超獣を閉じ込め、その侵攻を足止めすることには成功していましたが、まだ事態は好転したとは言いがたい状況でした。何故なら――

「その程度の結界で、どうにかできると本当に思ったのか?」

 結界の始点となる柱の傍に、今回の事件の発端である一万年前の復讐者、アルケリウス・ディオンが出現し、契約者たちの前に立ち塞がっていたのです。
「無駄なことだ。超獣にエネルギーが戻れば、簡単に破れる」
 そう、結界で足止めこそ出来たものの、今この間にも、超獣はエネルギーを吸収し続けているのです。
 しかし、氏無春臣大尉は「無理だね」とあっさり言いました。
「本当にそれで破れるんなら、君がここに来るはずが無いからね」
「……」
「この結界は、幾つもの系統の術が混ざり合って、かなり複雑なものになってるからね。迂闊に力押ししたら、何を引き起こすかわからない」
 つまり最悪の場合、超獣か、あるいは同化している術そのものに、何かしらの影響を与えるかもしれないのです。それを危惧しているのだろう、と氏無は指摘すると、くつりと笑って「それから」と続けました。
「ここに君が戻ってきたことで、確信したよ。君は超獣をコントロールできない」
 同化していようが、呪詛を受けていようが、あくまで超獣の主導権を取れるのは巫女だけだ、と言うのです。アルケリウスは、巧みに巫女の嘆きにつけこむ形で誘導しているだけで、恐らく巫女を失えば、超獣は目的を失ってこの場で暴走するだろうと氏無は確信していました。
「それが判ったところで、どうだというんだ?」
 アルケリウスは、それに否定するでもなく、鼻で笑いました。
「内側から破れないなら、外側から壊すまでだ」
 結界を壊してしまえば手っ取り早い、と、アルケリウスは、契約者たちに向って槍先を突きつけます。

「戦士筆頭、アルケリウス・ディオン……我らに仇なすものを殲滅する」





 
 一方その頃、イルミンスール魔法学校の校長室では、アーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)の記憶の中に”真の王を名乗る者”の正体にたどり着く「何か」が眠っていることが判明しましたが、その記憶には強力な封印がかかっていることがわかりました。
 

「出来れば最後まで見届けたいが……わしはまだ、ザナドゥでやらねばならんことがある。後は任せるぞ、よいな?」
「はいですぅ。大ババさまが戻ってくるまで、イルミンスールは必ず守ってみせますですぅ」


 そうして、アーデルハイトがザナドゥへと戻っていくのを見送った後。
 託された懐中時計を見やって、むう、とエリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)は アーデルハイトの記憶にかけられた封印の強さに眉を潜めました。やはり、外から封印を解くというのは無理なようです。更には、エリザベートの力では、入り口を固定するので精一杯なようでした。
「仕方ありませんねぇ……封印の中には、皆さんに行っていただくしかないようですぅ」
 しゅん、と一瞬肩を落としたものの、直ぐに気を取り直すと、契約者たちを見回しながら言いました。
 アーデルハイトでも解けないような封印がかかっていること、そしてそれを解くためには、懐中時計の中に写し取られた記憶の中へと直接入っていくしかないこと……そして、それがとても危険であることを説明して、懐中時計の蓋に手をかけました。
「中は恐らく、封印を解かせまいとする奴らがいるはずですぅ」
 逆を言えば、それを倒してしまえば、封印を解くことは出来る、ということです。
「……入ったら、封印を解くまで戻れませんのでぇ、十分に気をつけてくださいねぇ……?」





 同時刻、某上空の高速飛空艇内では、クローディス・ルレンシア(くろーでぃす・るれんしあ)と、ディミトリアス・ディオン(でぃみとりあす・でぃおん)が、イルミンスールへの帰還を急いでいるところでした。

「まぁ、いいんじゃないかしら。戦力を分断するよりは、いっそ一緒にいてくれたほうが安心できるわね」

 前線へ向う、と言ったクローディスに、そう言ったのはスカーレッド大尉です。「帰って来るなと言ったって、どうせもう乗っちゃってるんでしょう?」と見透かしたように笑って、「どうせなら囮になると言う手もあるけど」と冗談とも本気ともつかない口調で言うと、クローディスがため息をつきました。
「私は構わないんだが」
 あんまり心配をかけると、ツライッツが禿げてしまいそうだ、とクローディスは苦笑して肩を竦めました。
『判ってるなら自重してください』
 何人かの調査団のメンバーと共に、トゥーゲドアに残ったツライッツ・ディクスは、通信機ごしにため息を吐き出しました。彼らは、封印具の修復などの関係で現地へ残っているのです。
「……いずれにせよ」
 そんな彼らの会話を聞いていたディミトリアスが、目的地をじっと見据えながら口を開きました。
「俺の力は、全てあんた達に預ける。どの道借り物の体に、一度死んだ命だ。最悪の場合は……俺は、本来の役目を全うする」
「ああ」
 どうにもならなくなれば、巫女を取り戻すのを諦めてでも、そして自分の命を使ってでも、超獣を大地に還す方を優先する、というディミトリアスの決意に、クローディスは頷きました。
「止めはしない。理想と現実がいつも一致するとは限らないからな。最悪の場合は、こちらも最悪の選択をする」
 クローディスの言葉にもまた、最悪は自分のことも武器にする、という強い決意と覚悟が浮かんでいましたが、それでもクローディスはに、っと挑戦的に笑って、「だが」と続けました。

「そうやすやすとは、諦めたりはしないがな」


 未だ危機的な状況下にありながらの、その不敵な笑みに、ディミトリアスは一瞬目を開き、苦笑を浮かべたのでした。



担当マスターより

▼担当マスター

逆凪 まこと

▼マスターコメント

はじめましての方ははじめまして
二度目以上の方は再びお目にかかれて光栄です、逆凪まことです
【●】月乞う獣、哀叫の獣 第二回をお送りさせていただきます

全三回の内容となっておりますが、現在の状況は下記の通りとなっておりますので
今回からでも是非ご参加ください

※尚、今回のシナリオは、内容的にイルミンスールと教導団の方が受かりやすくなっていますが、どの所属の方でもご参加いただけます


■現在の状況■

 イルミンスール魔法学校のあるザンスカールに向って、トゥーゲドアの町の封印から解かれた”超獣”がイルミンスールの森に侵攻してきています。 現在は、森の中に急遽張られた結界によって、その足は止まっていますが、エネルギーの吸収を抑えられているわけではないので、危機的状況は続いています。
 その超獣を復活させたアルケリウスは、一万年前に一族を滅ぼされた復讐のために、”真の王”を名乗る存在と共闘して、世界樹の狙っています。世界樹の力を超獣に与え、死んでしまった自分と、双子の弟ディミトリアスを復活させようと目論んでいるようです。
 しかし、そのディミトリアスは、クローディス達と共に、”真の王”によって超獣に同化させられてしまった巫女を取り戻すため、そして超獣をあるべき場所に還すために、契約者たちと共に、アルケリウスと敵対しています。
 一方、”真の王”を名乗るものに関するらしい、アーデルハイトの記憶が封じられていることが判明しました。その封印を解く為に、封印を記憶ごと懐中時計へ移しましたが、アーデルハイト、エリザベートの二人はその中へは入れないため、契約者たちが封印の解除に向うことになりました。

 また、大まかな前提は下記の通りです

・呪詛を払う前に大地に還すと、大地が穢れてしまいます
・巫女と超獣の同化状態が失われた場合、呪詛のあるなしに関わらず超獣は暴走してしまいます
・超獣を操れるのは、その状態に関わらず巫女のみです
・かつて超獣を鎮めていた八つの祠がありますが、現在は呪詛の影響で廟が開かない状態です
・ディミトリアスたちの術式、封印具等は単純な構造のため、要素を繋げれば場所や距離は殆ど関係なく
 また、要素を反転する等、本来の目的と違う利用の仕方をすることも可能です
 (ディミトリアスは、その役職柄、遺跡を遠隔起動することも可能です)

 その他の詳細は 第一回をご参照いただき
 アクションをかける際の参考としてくださいませ
 


★前回からの参加者様の開始地点について
第一回のリアクションにて、教導団より移動手段が手配されておりますので
トゥーゲドアからの移動、あるいはイルミンスールからの移動については【高速飛空艇】【トラック】が利用できます
前回はこっちにいたからこっちでなきゃいけない、ということはありませんので、各種場所移動手段にご利用ください


【1】イルミンスールの森

 結界の完成により、超獣の足止めは成功しましたが、アルケリウスが結界を破壊しようとしています
 幾つもの結界術式が重なっているため、超獣が内側から攻撃することは出来ませんが
 精神にダメージを与える音波攻撃のようなものを放ってくることがあります
 結界が破られると、再び超獣がイルミンスールへと侵攻を再開しますので注意が必要です

 ディミトリアスが言うには、一族を率いる戦士筆頭で、最も得意とするのは強力な一撃を擁する接近戦ですが、広範囲魔法も器用に使いこなすため、単身で部隊を相手に出来る程の実力があるそうです
 氏無、スカーレッドはそれぞれ、結界の守護と前線の指揮を担当しているため、戦闘の殆どは契約者たちに任されています

 クローディスや愚者達は、前線から一歩離れて、呪詛を祓う対策について相談中です
 その名前の因果を使って、クローディスと巫女の魂とリンクさせようと考えているようですが、ディミトリアスはその危険性故に反対しています


<<氏無大尉の超獣関連レポート2>>

 変形した超獣は、殆ど黒に近い灰色で、ゼリーのようにぶよぶよとした体に、爬虫類に似た平べったい胴体は変わっていませんが、全体は僅かに縮まり、今は胴にくびれと女性の胸のような膨らみが現れ、人間の体に近くなっています
 側面からは無数の人間の手に似たものが伸びて足代わりをし、触れたもののエネルギーを取り込んでいます
 また、背中からは羽を失った翼の骨格のようなものが這い出て、その先端を地面へと突き立てています
 頭部は丸くやや小さくなり、灰色に濁った目が一列に並び、そのすぐ下を、一文字に割いたような口があります
 その口からは、精神にダメージを与える音波攻撃のようなものを放ちます
 目は見えず、熱で対象を捉えているようで、光輝属性、また氷結魔法に弱いようです
 また、契約者たちが歌うある歌に強く反応を示しているようです

 歌の詳細
 
 結界の形成中、下記の歌に超獣が反応を示しました

 ” 明かりを灯せ大地が上 星のごとく 点と点を繋ぎて
  太陽 干渉を阻害せんとし 月 地の底にて 灰色の天蓋 その眠るを繕う 
  その奥に隠す 光をも呑む全くの闇より 古に還るを断たれた繋がり
  その眠りの終えるまで 失われしが満つるまで 忌むべき槍の届かぬよう  ”

 これは、地輝星祭の歌を歌い替え、更にトゥーゲドアの地下遺跡の碑文の一部を混ぜて作られたもので、効果があるのは判っていますが、まだキィワードが足りないのか、歌詞の繋がりが粗いのか、まだ完成というわけではないようです
  
 

【2】アーデルハイトの記憶の封印

 封印を移した懐中時計の中に入り、アーデルハイトの記憶の封印を解きに向います
 中に続く記憶の回廊では、封印を解かせまいとする悪意が、モンスターとなって襲い掛かってきます

阻害するもの
  全身が黒い茨の二足歩行植物です
  女性のようなシルエットをしていますが、会話は不可能で、何度でも復活します
  記憶の回廊の最後には、それらの本体とも呼ぶべき茨の女性が扉を塞いでいますが
  まずはそこまで辿り着かなければなりません



【3】八つの祠

 超獣にかけられている呪詛と関連していると思われる、八つの祠を調査しに向います
 本来ならば、超獣を鎮めるために、八人の神官がそれぞれ守っているはずでしたが
 現在はその残された廟は、呪詛の影響で開くことも出来なくなっています
 廟の扉には、その中央に星の刻印がある丸い窪みがあり、地下にあったそれと良く似ています
 


注意事項
今回は、【1】、【2】、【3】はその性質上完全に別行動となります
複数に股をかける行動、MC、LCが分かれるという行動は、高確率で不採用となりますのでご注意ください
また、第二回の内容は、大部分が第三回へと流れを継続していきますので
第三回では内容によって場所移動が不可能となる可能性がありますので、ご注意ください


※他NPCの詳細は、マスターページに記載しています。 


▼サンプルアクション

・【1】アルケリウスと戦う

・【2】封印を解きに向う

・【3】祠の呪詛を祓う

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年07月09日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年07月10日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年07月14日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年08月01日


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