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レベル・コンダクト(第1回/全3回)

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シナリオガイド

ただ静かに、進攻していた。
シナリオ名:レベル・コンダクト(第1回/全3回) / 担当マスター: 革酎

 ヒラニプラに、激震が走りました。

 バランガンはヒラニプラ領都と空京を結ぶ要地にあり、ヒラニプラ第三の規模を誇る大型の城塞都市です。
 その一方でヒラニプラ屈指の商業規模を誇り、経済拠点のひとつとして重要な役割を担っています。
 このバランガンが僅か一夜にして、鏖殺寺院の一派パニッシュ・コープスに占拠され、全ての市民が人質に取られるという前代未聞の事態が発生しました。

 事件の首謀者であるパニッシュ・コープス幹部モハメド・ザレスマンは、シャンバラ教導団の弾頭開発局第三課が製造した新型機晶爆弾ノーブルレディを、どのような手段を用いたのかは分かりませんが、実に三発も盗み出して、バランガン内に運び込んでいました。
 そしてザレスマンは、シャンバラ刑務所に収監されているパニッシュ・コープスの首魁バルマロ・アリーと、その側近達の釈放を要求する声明を発表し、シャンバラ政府がこれに応じなければ、人質を虐殺した上、ノーブルレディを近傍の都市へ撃ち込むという脅しをかけてきました。
 勿論、テロリストの無法な要求をすんなりと受け入れるシャンバラ政府ではありませんが、かといって、事態は極めて深刻であり、予断を許さぬ状況が展開されていました。

 そして当然ながら事態の鎮静化に向けて、シャンバラ教導団が動き始めました。


     * * *


 シャンバラ教導団は、指令本部の一室。
 ここに金 鋭峰(じん・るいふぉん)を筆頭として、関羽・雲長(かんう・うんちょう)の他、主立った作戦参謀達が集まり、占拠されたバランガンの解放に向けて、実務レベルでの協議に入っていました。
「今回ばかりは、一部局の対応でどうにかなる問題ではありません。総司令官クラスの指揮官が部隊を率いて鎮圧に当たらなければ、取り返しのつかないことになるでしょう」
 作戦参謀のひとりミゲル・スティーブンス准将が、神妙な面持ちで金団長に進言すると、他の面々も同意して、小さく頷き合います。
 スティーブンス准将の言葉に、金団長も同意する旨を口にしました。
「確かに、その通りではあるが……しかし、誰を向かわせるかが問題だな」
 金団長の言葉に、いち早く反応したのは関羽でした。
「私が行こう。金団長は今、動ける状況ではないからな」
「では、私もご一緒させて頂きましょう」
 不意に室の扉が開き、やや嫌味のある高い声音が一同の鼓膜を刺激しました。

 ノックも無しに入ってきたのは、ヒラニプラ家の管理行政官であるヴラデル・アジェンという人物でした。
 鼠を思わせる釣り上がった両目には、どこか意地悪そうな光が絶えず煌めいているようにも見えます。
 あまり人好きのしない、この痩せ細った中年男性は足早に関羽の傍らへと歩を寄せ、値踏みでもするかのように、容赦なくじろじろと眺めてきます。
「教導団の実力は、私もよく存じ上げております。しかしながら今回は、ヒラニプラ家の所領たる都市が不逞の輩に占拠されるという一大事。私も同行し、事の次第を逐次、御当主に報告しなければなりません」
「それは、別に構わぬ。但し戦場は危険である故、必ず我々の指示に従って頂きたい。宜しいか?」
 関羽の言葉に対し、しかしヴラデルはふふんと鼻を鳴らし、小馬鹿にしたかのような目線を送りつけてきました。
「私がどこで何をしようと、必ずや無事に守り抜くのが教導団の仕事でしょうに。そんな甘ったれた考えを持っているから、鏖殺寺院の残党などに大事なバランガンを占拠されてしまうのですよ。我がヒラニプラ家の忠臣達で構成される防衛守備隊ならば、このような失態も犯さずに済んだものを」
 ヴラデルの挑発的なひと言を受けて、指令本部内は一瞬、色めき立つ気配が充満しました。
 しかし金団長は部下の作戦参謀達を目線で制し、慇懃な態度でヴラデルに軽く頭を下げます。
「その点については、私が教導団を代表してヒラニプラ家にお詫びする次第。しかし必ずやこの関羽が、無事にバランガンを奪回して原状回復を必達する所存故……」
 金団長の言葉を最後まで聞き終える前に、ヴラデルはさっさと指令本部を出て行ってしまいました。
 如何にヒラニプラ家の名代であろうと、あまりに無礼な立ち居振る舞いに、指令本部に詰めた教導団のお歴々は一様に、憤慨した声を上げます。
 しかしそんな中でも、金団長と関羽は至って冷静でした。
「今は、内輪揉めをしている場合ではない……早速、関羽を総司令官として部隊編成に取り掛かってくれ」
 金団長の静かな声を受けて、指令本部内はぴんと張り詰めた緊張感に支配されました。


     * * *


 教導団内の、対パニッシュ・コープス部局にて。
 これまで、パニッシュ・コープスを相手に廻して幾度となく激しい戦いを繰り広げてきていたレオン・ダンドリオン(れおん・たんどりおん)中尉は、部局の長であるレブロン・スタークス少佐に呼び出され、部隊編成の指示を受けていました。
「今回は事態が事態だけに、我が部局の兵だけで対処する訳にはいかん。そこで我々は、関羽閣下が指揮される第八旅団に急遽組み込まれる形となった。我が隊の総数だけを見れば一個連隊だが、人数は二個大隊規模で入ることになる。ダンドリオン中尉は、歩兵第二中隊の指揮を執るように」
「はっ、了解致しました」
 レオンが敬礼し、命令を復唱し終えたところで、スタークス少佐は急に声を潜め、僅かに執務デスク上に乗り出すような格好を見せました。
 その渋面に、レオンは嫌な予感を覚えました。
「実をいうとな……今回の鎮圧戦には、御鏡中佐の弾頭開発局第三課も、ノーブルレディ対策として編成に加わることになった」
 レオンは思わず、喉の奥で小さく唸りました。
 御鏡兵衛中佐はスタークス少佐だけでなく、レオンにとっても因縁のある相手だったのです。
「ノーブルレディを奪われたのは装備管理課の不手際だから、第三課の連中には直接の責任はない……だが、どうもあいつらは信用ならん。聞けば、関羽閣下の補助として作戦に入るスティーブンス准将の指揮下で動くようだが、何をしでかすか分からん連中だ。くれぐれも、気を抜かないように」
 スタークス少佐の言葉に、レオンは息を呑みました。
 かつて御鏡中佐率いる弾頭開発局第三課は、ノーブルレディの実地試験を目的として、レオン達が戦っている現場にノーブルレディを投下しようとした前歴があるのです。
 その後も、部内では色々と黒い噂が絶えない部局として、憲兵科の一部の士官達からも危険視されているような存在でした。
 その彼らが今回、同じ旅団の指揮下に加わり、バランガン奪回戦に投入されようというのです。
 レオンやスタークス少佐でなくとも、警戒するのは無理からぬ話でした。

 数分後――。
 スタークス少佐の執務室を出たレオンは、表情を一層厳しくして、兵舎へと足を向けました。
 自らが率いる歩兵第二中隊の編成を、急がなくてはなりませんでした。

担当マスターより

▼担当マスター

革酎

▼マスターコメント

 本シナリオガイドをお読みくださり、ありがとうございます。

 今回からヒラニプラ南部を舞台とした全3回のシナリオを御提供致します。
 位置づけとしましては、下名が過去に公開してきた一連のヘッドマッシャーシリーズの最終章的な意味合いになりますが、過去のヘッドマッシャーシリーズへの参加の有無は関係なく、どなたでもご参加頂けます。

 第一回の今回は、ヒラニプラ第三の都市バランガン奪回戦に挑む第八旅団の行動がメインとなるでしょう。
 勿論、他の行動を取って頂いても問題ありませんが、どうしてもフォーカスが当たりにくくなりますので、その点だけはあらかじめご了承ください。

 バランガンの状況は現在、全く何も分かっておりません。
 ただ情報として、街全体がパニッシュ・コープスの占領下に置かれ、市民はひとり残らず人質として取られている上に、守備隊として配置されていた教導団兵は全て行方不明(正確には音信不通)状態となっている、ということだけが分かっています。
 モハメド・ザレスマンなる人物が新型機晶爆弾ノーブルレディを三発所持しているというのも、ザレスマン自身が発表した犯行声明に語られているだけで、真偽の程は分かりません。
 そういった何から何まで不明確な状況の中でのアクションとなりますので、色々不確定要素が多くなっております。
 どうぞ、ご注意ください。



 アクションとしては、以下のような内容が考えられます。

 1.第八旅団に参加して、バランガン鎮圧へ向かう
  鎮圧といいましても、敵は人質を取っている上にノーブルレディも所持しています。
  単純な戦闘行為だけでは、まず終わらないでしょう。
  情報収集や極秘潜入等の行動が、鍵を握ることになると思われます。

 2.個人単位で制圧されたバランガンを目指す
  こちらは第八旅団には参加せず、単独での行動となります。
  比較的動き易い反面、教導団によるサポートは一切ありませんので、ハイリスクな行動となります。

 3.バランガン内で人質に巻き込まれた者として行動する
  コントラクターは本来、一般市民とは異なり、絶大な力を持っています。
  ところが、そのコントラクターでさえ、気が付けば人質として囚われの身となっていました。
  パニッシュ・コープスが一体、どのような手段を用いたのか――それは全くの謎ですが、
  とにかくバランガン市内の役所と思われる建物内に押し込められ、手足を縛られて自由を奪われた
  状態で意識を取り戻した、というところから始まります。
  逆をいえば、バランガンに最初から居たというアクションで、これ以外の状況からスタートしようと
  するアクションは、全て没となりますのでご注意ください。



 以下は、PC情報として、参加頂けるPCの皆さんが事前に知っている内容として頂いて構いません。
 但し、今回ヘッドマッシャーが出現するかどうかは、微妙な状況です。

■ヘッドマッシャー
――外見的特徴――
 身長はおよそ2メートル80センチ。全身を黒い革製のマントで覆った、巨漢の暗殺者です。
 いびつな黒い兜と、醜悪な黒い仮面を装着しており、ガスマスク越しのような呼吸音を響かせています。仮面越しの目は血走っており、ほとんど狂気そのものです。
――能力――
 肉体の周辺には常時Pキャンセラーが発動しており、彼に戦闘を仕掛けるものは、最も効果的と思われる能力をひとつ、打ち消されてしまいます。
 主な武器はブレードロッドと呼ばれる鞭性の二刀流武器で、しなやかに変化しながら敵に襲いかかり、少しでも触れれば真っ二つに叩き斬られます。
 現時点までに、スティミュレーター、プリテンダー、メルテッディン、ディクテーターの4モデルが確認されています。


 それでは、皆様からの素敵なアクションをお待ちしております。

▼サンプルアクション

・第八旅団の一員としてバランガンに向かう。

・単独でバランガンへ向かう。

・バランガン内の人質として行動。

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年04月16日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年04月17日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年04月21日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年05月10日


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