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魔女が目覚める黄昏-ウタカタ-(第2回/全3回)

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魔女が目覚める黄昏-ウタカタ-(第2回/全3回)

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シナリオガイド

ハダド家存亡の危機!? その鍵を握るのは、クリスタルに眠る謎の女性――
シナリオ名:魔女が目覚める黄昏-ウタカタ-(第2回/全3回) / 担当マスター: 寺岡 志乃



●東カナン〜北カフカス山

 イルルヤンカシュを追って行った先には、クリスタルに閉じ込められた大剣と女性の姿がありました。
 ドラゴン・ウォッチング・ツアーに参加したコントラクターたちは、その不思議さに目を奪われ、調査したい気にかられましたが、迫る夕闇にそれ以上何をすることもできず、いったんふもとの村の宿まで戻ることになったのでした。

 その夜。
 ツアー・コンダクター役を務めた東カナン12騎士のオズトゥルク・イスキアはそっと宿を抜け出し、クリスタルの美女の元へ向かいます。そしてクリスタルを破壊しようとするようにクレセントアックスをたたきつけました。
 強烈な力のこもった一撃。しかしクリスタルには傷ひとつつきません。
「やはり破壊は無理か。グラムが守っている」
 神剣グラム――それは豊穣の女神であり戦の女神でもあるカナン国家神イナンナ・ワルプルギス(いなんな・わるぷるぎす)が、約5000年前東カナンで起きた内乱を鎮圧した男アルサイード・バァル・ハダド(東カナン領主ハダド家始祖)へ下賜した物です。イナンナの波動を放つその剣の力がなんらかの作用を起こしているのは間違いなさそうでした。
「だがこっちは破壊が可能だ」
 オズトゥルクはクリスタル破壊をあきらめ、クリスタルを収めている岩壁の方へ刃を向けました。
 岩壁は不吉な音をたてつつ亀裂を走らせ、ピシピシと割れていきます。

「悪いな。あんたに直接の恨みはない。だが、あんたに目覚められると困るんだ」

 亀裂の深まっていく岩壁を確認したオズトゥルクは背を向け、その場を去りました。
 クリスタルを囲う岩壁はやがて崩れ、ぽっかりと開いたその下の空洞へと吸い込まれていきます。真っ暗な中、下へ下へと落ちていったクリスタルは、やがて水のはねるような音をかすかにたてました。
 下は地下水脈が通っていたのです。
 暗い急流はクリスタルを飲み込んで、いずこかへと押し流していきました。



●東カナン〜首都アガデ

「お呼びでしょうか、ナハルさま」
 夜遅く、東カナン12騎士イェクタネア・ザイテミル・エスタハが東カナン領主バァル・ハダド(ばぁる・はだど)の叔父で政敵でもあるナハル・ハダドの私室のドアをくぐりました。
「おまえ、今度の盗難事件をどう思う?」
「ボク? さあ? そーいう難しいことは考えたこともないです。なんか、みんな12騎士の中に内通者がいるんじゃないかって疑ってるのは知ってますけど。もしこの中に内通者がいるなら処分ですよね、もちろん。意図なんかカンケーないです、皆殺しにしちゃえばいい。そうしたら解決でしょ?」
「相手が12騎士でもか?」
「12騎士ならよけいにです。だって、ヘタに生かして捕らえたりしたら、あとがいろいろとメンドーじゃないですか。
 ほら、アーンセトのときがそうだったでしょ? ボクがその場にいたら、さっさと殺してすませてましたよ。どうせほかにもアーンセトはいっぱいいるんだから」
 単純明快。イェクタネアはあっけらかんと答えました。
 ナハルはくつくつと肩を震わせて笑います。
「そうか。ではやはりおまえが適任か。
 準備が整い次第北カフカスへ向かえ。何も起きなければそれでいいが、もし銀の魔女が目覚めるのであれば……いや、その予兆でもいい、銀の魔女を始末しろ」
「……えー? あそこ、今オズがいるんでしょ? オズとはやりあいたくないですー。ボク、勝てると思えないもの」
 あからさまにいやそうな顔をするイェクタネアを見て、ナハルは言いました。
「心配しなくていい。おそらくやつがあの地にいる目的も、銀の魔女の始末だろう
「じゃあオズに任せててもいいんじゃないです? わざわざボクが行かなくても――」
「あれにはシャンバラ人どもと結びつきがある。もしもということがあるからな。オズトゥルクが果たせたなら見ているだけでいい。だがもし情にほだされることでもあれば、おまえが確実に始末してくるんだ」
「あー、それなら。分かりました」
「それとレアルを同行させる」
「……えー?」
 エルシャイド・レアルサ・アズィールも東カナン12騎士の1人であり、礼儀にうるさい神経質な男です。彼が苦手なイェクタネアはしぶったものの、ナハルの考えは変わりませんでした。
「もしもの場合の布石だ。万が一オズが裏切りシャンバラ人にいいように言いくるめられるようであれば、あれも始末しろ。2人がかりでならおまえたちでもなんとかなるだろう。
 これはハダド家存亡の危機なのだ

「……分かりましたー」
 しぶしぶイェクタネアは了解し、イェクタネアとエルシャイドは、日の出とともにそれぞれの家の騎士たちを連れてアガデの都を出立していきました。



●東カナン〜北カフカス

 翌朝。北カフカスにあるアタシュルク一族は騒然となりました。
 イルルヤンカシュが暴れているという報告が入ったのです。
「なぜ? 何が起こったの?」
 対話の巫女と呼ばれるアタシュルク家当主バシャン・アタシュルクは、セイファ・サイイェルを問い詰めました。
「さ、さあ……ぼくにも分からないよ。とにかく2時間くらい前に姿を現したんだけど、何か取り乱しているみたいなんだ。神経質に鳴きながら山のなかをうろうろ動き回ってる。
 どうしよう? バシャン。こんなの、書には書かれていなかったよ」
「輿の準備をさせて。直接見に行くわ」
「分かった。……でも、無理しないでね、バシャン」
「いいから早くしなさい!!」
 衝立越しに激を飛ばすとバシャンは上掛けをはねのけ、着替えに入りました。



「やっと動きだしたか」
 あわただしくなった屋敷を見て、殺し屋ヤグルシ・マイムールに扮したセテカ・タイフォン(せてか・たいふぉん)がつぶやきます。
「イルルヤンカシュがああなるとは想定外だったが、意外な効果を生んだな。バシャン・アタシュルクの手並みを拝見するとするか。場合によっては退場願わねばならないだろうが……できればそうなってほしくないものだ。保険が心もとないからな」
「――やはり殺した方がいい」
 ぼそり、脇についていたカイ・イスファハーンこと東カナン12騎士カイン・イズー・サディクがつぶやきます。
「あれは保険にはならない。あの娘では、魔女が目覚める可能性が高い。そうなればバァルさまが――」
「それは最終手段だ。可能性があるうちは生かしておく、そう決めたはずだ。
 それに、もしそのときがきたらおれたちが全力で止める。何を犠牲にしようとも」
 たとえそれがおれたち全員の命運を賭けることになったとしても。
 それは口にせずとも暗黙の了解として2人の間にありました。
 バァルのために。東カナンのために。未来に禍根を残さず、われわれの手で決着をつけるのだと。
「まったく。始祖があんな書を残したばっかりに……。
 それで? 今あの娘はどこまで進んでいる?」
 セテカはカイの配下の忍者――サディク家の騎士たちから報告を受けました。
「あの騒ぎではバシャンも別働隊を出す考えは頭から吹っ飛んでいるだろう。
 さあ殺し屋らしく、今日もせいぜい引っ掻き回してやるとするか」
「竜はいいのか?」
「あちらはオズに任せてある。それにアタシュルクが出るんだ、おれたちに出番はないさ。
 バァルが戻るまで、あと2日か。2日後にはすべてに決着がついて、みんなそろって城で出迎えられるようにしよう」
 そう言って、セテカは屋敷に背を向けました。
 カインも彼に従って歩き出します。
 しかし……その目は何か別の決意を秘めたかのような光を浮かべ、配下の忍者たちへ合図を送っていました。

担当マスターより

▼担当マスター

寺岡 志乃

▼マスターコメント

 こんにちは、またははじめまして。寺岡志乃といいます。
 こちらは東カナンを舞台とした全3回の第2回となります。続き物ではありますが、今回からの参加も可能です。むしろ、今回から参加される方が有利になる場合もあります。よろしくお願いいたします。

 今回も戦闘と探索で大きく4つに分かれます。

 1.アガデの城で会話――戦闘なし
   手に入れた情報を元に、NPCとの会話です。
   ほかのパートの方から得た情報を元に話して自説の補強や、あるいは説得ということになるかと思います。

 2.ハリールを守る――戦闘あり
   ハリールを守って北カフカス山へ向かう、その道中で忍者部隊との戦闘になります。
   ヤグルシと違い、カイは今回本気で配下の忍者たちとともにハリール殺害に動きます

 3.クリスタルの女性を助ける――戦闘なし
   クリスタルは現在洞窟の下を流れる地下水脈に落ちて流れています。
   現在は支流ですがやがて山脈を流れる本流に合流すれば、その広大さからもはや探索は不可能になるでしょう。
   水の流れは速く、氷のように冷たく、そしてクリスタルは相当な重さです。トン級です。
   暗闇で、足場も悪いことが予想されます。それなりの対処が必要です。

 4.イルルヤンカシュに対処する――場合によっては戦闘あり
   イルルヤンカシュは山で暴れています。
   といっても、混乱して鳴き、動き回っている結果として森が被害にあっているだけです。落ちつかせてください。
   周囲にはやはり下級モンスターがいます。
   また、こちらにはバシャン率いるアタシュルクの魔女たち、幻獣、魔獣を使役するドルイドやビーストマスターもやって来ます。
   彼らへの対処も必要になってくるでしょう。


以下は主要NPCの説明になります。アクション作成の参考にしてください。

ハリール・シュナワ(150歳(外見年齢17歳)・魔女)
母親がアタシュルク一族の出です。幼いころ父親をバシャンの使役する幻獣に目の前で食い殺され、対話の巫女だった母親とともに東カナンを追われてシャンバラへ逃れてきました。
勝気な性格で、対話の巫女としての使命感に燃えており、必ずイルルヤンカシュを鎮めるのだと思い詰めています。
護身は父方の獣人たちに教わっていて、わりと身軽。戦闘にはナイフを使用します。

バシャン・アタシュルク(280歳(外見年齢50歳)・魔女)
対話の巫女として、また氏族長として、一族を率いています。イルルヤンカシュとの関係から、東カナンではそこそこ力を持つ地方領主です。一族のことを第一に考え、己を犠牲にしても守ろうとする指導者。気丈で誇り高き女傑。
現在病気で1日のほとんどを床に伏しています。

セイファ・サイイェル(280歳(外見年齢30歳)・魔女)
バシャンの幼なじみで理解者。彼女の手足、目や耳となり、その言葉を一族の者に伝えたりしています。
一族の者に人殺しをさせるのがいやで殺し屋を雇ったのも彼ですが、ハリールの母親とも幼なじみということからハリール殺害に苦悩しています。
心優しく、だれにでもわけ隔てなく接する博愛主義者。わりと理想主義的な面があります。

ヤグルシ・マイムール(殺し屋・ブレイブ)
セイファが雇った殺し屋の1人。第1回で、正体は東カナン上将軍セテカ・タイフォンと判明しました。
バスタードソード使用。

カイ・イスファハーン(殺し屋・マスターニンジャ)
ヤグルシの片腕。その正体は東カナン12騎士でも1、2の戦闘力を持つカイン・イズー・サディクです。
常にバァルのことを第一とし、彼のためならば命も惜しまず行動する女性です。隠し持った暗器を使用。

イルルヤンカシュ(竜)
体長約15メートル。数百年に一度目覚める竜です。七色に輝く真珠色のうろことエメラルドグリーンの翼を持っており、とても優美で曲線的なフォルムをしています。鳴き声は鳥に似ていると言われています。
北カフカス山の山中を歩いていますが、とりまきのモンスターたちが大勢周囲についているため一般人はおいそれと近寄れません。



注意点
 今回同時間軸でパートが同時進行します。
 そのため、第1回、第2回、第3回と、それぞれ別の場所で行動することは可能ですが、距離的なペナルティが発生します。第1回で城を探索した方は、第2回で山を選択した場合、午後しか探索できません。逆もそうです。移動に半日かかる、としてください。

 以上のことから、このシナリオでは第2回以降それぞれのパートでさらに【午前】・【午後】で区切ります。アクション欄に入れておいてください。なければこちらで無難な場所に振り分けます。
 次回移動する場合半日かかるということを踏まえてパートを選択してください。

 ただし、今回から参加される方はこの限りではありません。好きな時間帯に好きな場所で動いてください。


 パートが違う人たちと情報を共有したい場合は、だれに・どのようにして伝えるかを書いておいてください。なければその情報は伝わっていないものとします。受ける側がGAの1人だった場合、黙っておく等記載がなければGA全員に伝わったとみなしてかまいません(GAでなくても同じ場所で行動していた場合は伝わっています)

 また、今回はダブルアクション判定を少し厳しめにさせていただきます。
 基本的にMCとLCは一緒に行動です。MCはNPCと会話でLCは戦闘といった目的の違う行為はダブルアクションとなり、MCの行動を優先しLCの戦闘アクションは没となります。1つのシーンで収まるようにアクションを組んでください。


 それでは、皆さんの個性あふれるアクションをお待ちしております。

▼サンプルアクション

・セテカと対峙する

・イェクタネアを見張る

・ネイトと話す

・クリスタルを探す

・イルルヤンカシュを静める

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2013年04月18日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年04月19日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年04月23日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年05月24日


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