蒼空学園

　蒼空学園校長室。
　普段は忙しそうにパソコンや携帯と向き合っている御神楽　環菜（みかぐら・かんな）ですが、なにやらいつもと様子が違うようです。
　顔はほんのりと赤く、時おり「くしゅん」とくしゃみの音が聞こえます。
「環菜さん、風邪ですか？」
　パートナーのルミーナ・レバレッジ（るみーな・ればれっじ）が尋ねますが、環菜はそれを認めません。
「私が風邪なんてひくわけ……くしゅんっ！」
「ほら、やはり風邪ではないですか、今日くらい、仕事をお休みになったらいかがです？　体を壊してしまっては元も子もないですよ」
「このくらい大丈夫、私を誰だと思って……」
　言い終える前に、環菜はふらっと体をよろめかせ、ルミーナの懐へ倒れこんでしまいました。ルミーナが額に手を当てると、すごい熱です。
「環菜さん……こんなになるまで……！？」
　慌てて保健室へ環菜を連れて行くルミーナ。
　先生が言うには、それほど重い病気ではなく、普通の夏風邪だそうです。
　一安心するルミーナ。しかし、彼女は驚くべき光景を目にします。
　それは、保健室のベッドで、横になりながら携帯を触り始めた環菜の姿でした。
「環菜さん！？　安静にしてないといけません！」
「私は……このくらいの風邪で休んでるわけには……いかないの」
　苦しそうに言う環菜。ルミーナがため息をつきながら特殊能力の発動を止めると、環菜の携帯のアンテナ表示が消えていきます。
「この分だと環菜さんは何をしでかすか分かりませんね……」
　困り顔で呟いたルミーナは、少し考えた後、何かひらめいた様子で保健室を出て行きました。

　蒼空学園掲示板。そこに貼られた新しい張り紙には、こう書かれていました。

『御神楽環菜校長が風邪をひいたため、今日明日は無闇に危険な遺跡へ出かけたり、
　強力なモンスターに戦いを挑んだりしないようにしてください。
　また、御神楽校長をライバル視しているイルミンスール校校長、
　エリザベート・ワルプルギス（えりざべーと・わるぷるぎす）が、この隙に何かイタズラをしてくる可能性が考えられます。
　そこで、イタズラ対策を務めていただける方を募集いたします。
　同時に、療養中でも自ら動きかねない御神楽校長のため、お見舞いがてら、
　無茶をしないよう御神楽校長を監視してくださる方も募集いたします。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ルミーナ・レバレッジ』

「これで、環菜さんも納得してもらえるはずです」
　満足気に校長室に戻るルミーナ。
　どうやら彼女は普段環菜が行っている校長業務を代理で行うようです。
「本当なら、パートナーである私が保健室で環菜さんの看病をしなければいけないのですが……」
　業務を滞らせる方が環菜さんの怒りを買うことを充分分かっているルミーナは、看病・お見舞いを学生に任せたようです。
「生徒さんたちが協力してくれれば、きっと環菜さんの体調もすぐによくなるでしょう」
　口ではそう言いつつも、やはりルミーナは環菜が気がかりなようです。

環菜校長やそのパートナーであるルミーナと仲良くなったり、
助けてあげたりできるというバトル系というよりほのぼの系のシナリオです。
純粋に校長たちを助けたい方、チャンスとばかりに校長たちと恋仲になりたいという不純な動機の方、
どちらも歓迎です。
注意点として、イルミンスールの校長が何か仕掛けてきてもそれは本格的な侵略などではなく、
軽いイタズラ程度のものとします。　

・イルミンスール校長のイタズラに備える

・環菜校長のお見舞いに行く

・ルミーナのお手伝いをする