蒼空学園

　イルミンスール魔法学校の近代西洋儀式魔術学科。
　そこの教員たるアーシアは、とある遺跡の中を歩いていました。
　
　我が遺産を求める者は心せよ。
　その遺跡に残すは、我が全ての財宝。
　金や銀、宝石。
　そして、我が最大の秘宝を残す。
　其は価値の分からぬ者には永遠に分からぬだろう。
　だが、我と価値観を共有できる者には資格がある。
　其は、汝に至上の幸福をもたらすだろう。
　我の周りには、その価値を理解できる者は無かった。
　だが何時か我が秘宝の価値を理解できる者の誕生を望み、この碑文を残そう。

「ふっふーん。その秘宝の価値とやら、私が確かめてあげよーじゃないっ」

　そう言いながら、アーシアは遺跡をどんどん進んでいきます。
　やがて、地下三階に辿り着いた頃でしょうか。
　突然、警報のような音が鳴り響きます。
「や、やっば。トラップ踏んだ!?」
　その音と共に割れた壁から現れたのは、人間サイズのアイアンゴーレムのような何かの群れ。
「げ、げげっ、魔操兵!?　どんだけセレブだったのよ、この遺跡作ったヤツ！」
　ジリジリと魔操兵が出てきた方向とは逆に下がっていくアーシア。
　けれど、その方向でも壁が割れていくのが分かります。
「ま、マズいなぁ……ええい、強行突破ぁ！」
　奥へ、奥へ。どんどん増えていく魔操兵から逃げるように、追い立てられるように。
　アーシアは、安全な場所を求めて走り続けていきます。


　■■■

「うちの教師が一人、遺跡に出かけたまま帰ってきやがらないですぅ」
　イルミンスール魔法学校の校長室。
　エリザベート・ワルプルギス（えりざべーと・わるぷるぎす）は、頭痛がするとでも言いたげな口調で会話を始めます。
「机の上に残ってた書類から察するに、イルミンスールの森の中にある遺跡に行ったようですぅ」
　そう言うとエリザベートは机の上に、書類をバサリと投げ出します。
　書類にはアーシアの手書きの筆跡で、遺跡の詳細が書かれています。

　誰にも理解されず、その資産の全てを遺跡の中に秘匿した大貴族の作ったもの。
　倉庫なのか墓なのかも不明。
　氏についての詳細な記録は残っておらず、大貴族というのも憶測である。
　しかし遺跡の規模を見るに、相応の防衛機構があると推測される。
　実習に使えるか確かめる必要あり。
　エリザベート校長に相談……認可！
　遺跡名は幾つかの資料に残る氏の名前と思わしきものを仮採用するものとする。

「……命名、エロブック遺跡」

　深い……とても深い溜息と共に、エリザベートは言葉を紡ぎます。
「というわけで、遺跡に行ってアホ教師を連れて帰ってくるですぅ」

　古の大貴族、エロブック氏の残した遺跡。
　そこには果たして、どんな財宝が眠っているのでしょうか？
　そしてアーシア先生は、無事なのでしょうか？
　全ての答えは、エロブック遺跡の中にあるのです。
　

　

こんにちは。
今回も、どうぞよろしくお願いいたします。


■探索について
遺跡の探索になります。
足場は固い材質で作られていますが、各所に罠が仕掛けられています。
下の階へと落ちる落とし穴、警報の鳴る宝箱、触れると魔操兵の出動する床や壁があります。

アーシア先生が発動させて、そのままな魔操兵も多数ウロウロしています。

地下何階まであるかは不明ですが、途中に隠し部屋などがある可能性もあります。

■財宝について
財宝は、地下二階以降にあるようです。
金銀宝石が分散して保管されているようですが、秘宝についての詳細は不明です。
ただ、トレジャーセンスには反応しない何かのようです。

■魔操兵について
古代に作られた人間サイズの金属ゴーレムです。
遺跡に配備されている事もあり、主の命令に従って侵入者に攻撃をくわえます。
相応の実力や武器を持っている事が多く、ゴブリン程度は簡単に撃退してしまうようです。

■アーシア先生
今回、アーシア先生は遺跡の何処かにいるようです。
無事かどうかは不明ですが、遺跡の中では携帯が圏外のようです。

・自分の実力を試したい！

・回復担当

・アーシア先生探索

・財宝探索！

・秘宝探索！