蒼空学園

　ある日の昼下がり、蒼空学園のグラウンドでは部活や鍛錬などに励む生徒達の姿がありました。
　生徒達は、当時起こった異変をこう語ります。
「陸上部の練習でランニングしていたら、地面が揺れ出したんです。最初は地震かと思ったのですけど……」（陸上部所属の女学生Ａ）
「いや、びっくりしましたね。いきなり校庭の隅っこが爆発したんですよ。ぼんって！」（剣術の訓練中の男子生徒Ｂ）
「今までいろんなダンジョン潜ってきましたけど、こんなの初めてですね。こんな身近にあんなものがあったなんて……」（図書室を利用しに来た女子生徒Ｃ）　
　彼らの言う通り、突然グラウンドの隅の誰もいない場所が突如爆発し、謎のダンジョンの入口が現れたのです。

　数日後、蒼空学園から各地に、とある方からの声明文が配信されました。
「あ、あー、ん、ん、マイクテスト、マイクテスト。大丈夫か？」
　これが、蒼空学園校長兼理事長馬場　正子（ばんば・しょうこ）のお話です。
「えー、動画でのあいさつで失礼する。蒼空学園校長兼理事長の馬場である。周知のことと思うが、我が校の片隅に謎のダンジョンが出現した。現時点では魔物が現れるといった被害こそないが、遊び半分で入って行った若者どもの一部と音信不通という状態にある」
　そのためこのダンジョンは現在、一切の立ち入りを禁止されています。
「若者を育てる学園という場所でこの事態は、学園にとっても世間にとってもよろしくない。よって今回、彼らの救出を兼ねて、ダンジョンの制覇をお願いする次第である」
　画面の下の方に、現時点で分かっている遭難者１０人ほどのリストが表示されました。
「奥底に何が眠っているのかわからんが、冒険者たちを遭難させるほどの罠や魔物の危険性は十分にある。このダンジョンに挑む際はその危険を承知してもらいたい。もしも奥に宝が眠っていたら、持ち帰ってくれて構わん。以上である。質問がある場合は我が校へ問い合わせてくれ」
　ここで声明文は終わりです。

　そして遭難者続出の洞窟の噂は瞬く間に全国に広がり、それこそ冒険に出始めたばかりのルーキーから、その道一筋の超ベテランまで興味を持ちました。
　今や世間は、この話題で持ち切りです。

　なお、この洞窟が現れてからというものの、蒼空学園及び周辺の町で、女性ものの下着（上下）、服（制服含む）、靴、アクセサリー等が盗まれる事件が頻発しています。
　特に学生の被害が多いです。クローゼットから服がごっそりなくなるという事件もザラにあります。
　近隣にお住いの方、特に女子生徒は注意してください。

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――ザ、ザザ……ザザザ……ガガガ……
「……誰……おらん……」
――ジャジャ、ザザザー……
「よし……も、来……ん」
「とにかく、少しでも…………を、残し……」
――ガリガリガリガリ……ザザザ……
「うまくいった。これで……」
――ザ、ザザ……
「これで、お前たちのパラダイスが完成じゃ！」
――ザザ、ザーーー……
「ありが……ます。俺たち、あんたにゃ……」
「なに、このくらい……」
――ガガ、ガリガリガリィィ……ザーーーー

　以降、約５分間砂嵐音ののち、音声終わり。

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　これは、蒼空学園の購買の物置に置かれていた、古いラジオが偶然拾った電波の音声です。この音声も公開されています。
　もともとラジオが古く、電波もあまりよくなかったせいで、科学的に分析してもこれ以上鮮明にできませんでした。
　分かっていることは、数人の男たちが、かなり若い女の子に指揮されてパラダイスなるものを作ったということと、音が反響していたことから、洞窟のような場所にいるということです。

　探索系の依頼です。
　広く深い洞窟の中を探索し、奥底を目指しましょう。
　基本的に魔物はいませんが、罠が多いです。かかった罠の種類によっては魔物が呼び出されることもあるかも。
　なお、道中で遭難した冒険者たちに出会ったり、深い階層では女性ものの衣類、アクセサリーを拾うことができます。

・スキルを使って洞窟を探索！

・パートナーが被害にあったので、解決して安心させたい。

・洞窟探索！