蒼空学園

　波羅蜜多実業高校の南、シャンバラ大荒野の岩山に通称「ドージェの洞窟」と呼ばれる場所があります。
　あのパラ実総長ドージェ・カイラスが、住み着いていた凶悪なゴブリン一族を一撃で退治した逸話から、周辺の遊牧民のドージェ信仰のちょっとした聖地になっています。



　この洞窟で、一人の学者が調査を計画していました。名前は芦原涼子（あしはら・りょうこ）。パートナーを持たない日本人です。
　都市全体が守られた空京以外でも、パートナーを持たない地球人がパラミタで活動する方法がない訳ではありません。小型化された結界装置を携帯する方法です。結界は「機晶石」の欠片を材料とする為に数を作れず、とても貴重なものです。結界としての安定性に欠け、物理的な力で壊れやすい欠点もあります。それでも、パラミタでの調査を希望する学者は後を絶ちません。


　薬草が専門の涼子は、遊牧民たちがどんな傷も癒す薬と信じるヒカリゴケの調査に入ろうとしたのです。洞窟の最奥にある、地底湖の周囲にのみ自生する貴重なものです。研究次第では、夢の万能薬開発に繋がるかもしれません。


　ところが遊牧民たちは、これを認めませんでした。パラ実の生徒以外のよそ者が、聖地である洞窟に入ることを嫌ったのです。また、洞窟が危険な状態であることも理由でした。



　そこで涼子は、パラミタ人をパートナーに持つ学生たちに協力を求めました。
「新しい薬が出来れば、たくさんの人の為になります。どうか、一緒に洞窟に行ってくれませんか？」
　完全によそ者の自分よりは、遊牧民たちも納得してくれると思ったのでしょう。パラ実の生徒であれば、なおさらです。


　
　洞窟は、入ってすぐに左右に道が分かれます。右の通路は、地底湖への最短ルートです。ただあちこちで落盤を起こしていて、一見して危険な状態です。
　左の通路は遠回りではありますが、状態も良好です。ただし、こちらには厄介な住人がいます。最近になって、猛毒を持つ吸血コウモリの住処となってしまったのです。夜行性のため、夜のわずかな時間だけ洞窟を留守にするようですが……。

涼子と一緒に、通称「ドージェの洞窟」へ行き、ヒカリゴケを取ってきてください。
涼子からすれば人ために良かれと思っていますが、「ドージェの洞窟」を聖地だと思っている遊牧民には受け入れられていません。
説得する場合、パラ実の生徒がいたほうが聞き入れられやすいかもしれません。

また、洞窟は吸血コウモリがいるほか、あちこちで落盤が起きており、激しい行動をすると崩落の危険性もあります。
行動には十分注意してください。

なお、洞窟の探検道具一式（懐中電灯やロープ）は涼子が持っており、彼女に協力する場合は貸してもらえます。
流石に全員分はありませんが、１、２グループに１セットずつ貸せるくらいはあります。

協力しない場合は、各自でたいまつなどの明かりを現地調達してください。

・説得は面倒なので、夜中にこっそり忍び込む

・遊牧民を説得して、一緒に調査してもらう

・先にヒカリゴケを手に入れて、涼子に高く売りつける！