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桜井静香の冒険~探険~

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シナリオガイド

避暑にバイトに探険……それにゆるスター賭博!?
シナリオ名:桜井静香の冒険~探険~ / 担当マスター: 有沢楓花

 ヴァイシャリーの青年・フェルナンが企画した百合園女学院校長・桜井静香(さくらい・しずか)と巡る観光船は、二日目、無人島に到着しました。
 外周4〜5キロメートルほどの小さな無人島は、砂浜に草原、森林と避暑にもぴったりです。
 生徒達は思い思いに水遊びをしたり、散策をしたり、人によってはキャンプを張って一泊する者もいるようです。
 ラズィーヤ・ヴァイシャリー(らずぃーや・う゛ぁいしゃりー)のいじられから解放された静香も、のんびりと休日を満喫する予定でしたが……。

「な……ないっ! なんで、どうして? 何処に行っちゃったんだよ〜!!」
 静香は半泣きでスイートルームのあちこちをひっくり返しています。
「金庫に入れてたハズなのに……これじゃみんなに申し訳が立たないよ……」
 昨日のチャリティ・オークションで寄付をしてもらった商品は見事ほぼ完売。表向きは女学院とヴァイシャリーの都市への寄付金となっていましたが、実際は静香への寄付となっていました。沢山のお金はその夜、夕食前には貯金箱に入れられて、スイートルームの寝室、金庫の中に収められていたのです。
 鍵は静香が肌身離さず持っており、スペアはあるものの、船長室の鍵がかかった金庫の中に入っています。
 勿論どちらの金庫にも、無理矢理こじ開けられた形跡はありません。
 今朝発覚したのは、金庫に一緒に入れておいたお財布から、お土産代を取り出そうとした時です。
「従業員に、従業員用の部屋はみな探させましたが、見付からなかったそうです。あとは客室になってしまいますなぁ」
 白鳥ゆる族の船長は、困ったように羽を腕組みします。
「お客さんの中にそんな人がいるなんて……。それに、この部屋って奥にあるから、そんな簡単に入れないよね? 誰か不審者を見た人とかいないのかな」
「そういえば、豚を抱えた仮面の貴婦人がこの辺りを夜に歩いているのを見かけたという証言がありました」
「ぶた……それだっ!」
 静香が旅行に持ってきたのは、陶器製のぶたさん貯金箱です。
「豚が貯金箱なんですか?」
「うん。その人が誰か分かる?」
 特徴を聞き出した静香は、彼女が早朝に船を下りて草原の方へ散歩に行ったことを知ります。目撃した船員によれば、彼女はパンを食べながら歩いており、パンくずが点々と転がっていたとのこと。
 小鳥が食べてしまってからでは大変と、静香は追う決意をしました。今度こそ、誰にも告げずに一人で、です。
 でも、一つ気になることがあります。
「どうしてお財布には手付かずだったんだろう……ぶたさんが貯金箱だって知ってるってことだよね……」


 フェルナンは、静香に宣言した通り、あるかもしれない古代王国の遺跡を探す予定です。
 浜辺や草原を歩いた限りでは、怪しいものはありません。となれば、中央部に広がる森林帯でしょう。島自体は小さいので、もし遺跡を見付けるだけなら、手分けすればすぐに見付かるはずでした。森には広葉樹が生い茂り、一見のどかに見えます。とはいえ野生動物は棲んでおり、彼一人では危険が予想されました。
「一人では不安ですので、一緒に探索してくださる方を募集しています。何か有用なものが見付かれば頂きますが、報酬は別途お支払いしますし、不要と判断したものに関してはみなさんで分けてくださって結構です」
 こうして賛同した生徒達はフェルナンと共に、森に入っていきました。
 ほどなくして、確かに遺跡は見付かりました。入り口部分だけが地上に突き出しており、階段が地下へと続いています。不思議に思われるのは、階段を覆う屋根には蔦は生えていましたが岩肌がかなり見えており、階段には苔の削られた跡があることです。
 フェルナンの方はといえば、遺跡には入ろうとせず、入り口と反対側の木立の影に隠れて、懐中時計で時間を確認しています。
 程なくして、一人の女性が遺跡の中から飛び出てきました。彼女は周囲を見回すと、生徒達を見付け、真っ直ぐに駆けてきます。髪は結い上げて羽を差し、胸元が大きく開き、スリットの入ったドレスに身を包んだ彼女は、顔の上半分を白い仮面で覆っています。どう見ても仮装といった出で立ちです。
「……助けてください……!」
 仮面を取った彼女の素顔は、生徒達と年頃が変わらない日本人の少女です。
「どうしました?」
 フェルナンの問いに、彼女は話し始めました。
「私は百合園女学院に通っている学生です。友人に避暑に誘われて、この島を訪れたんです」
 友人が言うには、無人島には遺跡を利用した社交場があって、時折仮面舞踏会が行われているとのこと。物珍しさで入ってみたはいいが、夏のバカンス気分とその場の雰囲気にすっかり酔ってしまい、あまり合法的とは言えないことをしてしまったのだそうです。飲酒や、賭け事──カードや、ゆるスター賭博。ゆるスター賭博とは、ゆるスターを箱の中に入れて、どれが一番早く指定の場所に入れるかという障害物競走のようなものです。
 ビギナーズラックでしょうか、最初は賭に勝っていた二人は、そのことに気分を良くしてしまいました。だんだん掛け金を増やし、勝ち負けを繰り返すうちに、いつしか負けが込んでいて……のっぴきならないところまで借金は増えてしまったのです。
 彼女のゆるスターは取り上げられてしまい、友人は莫大な借金のカタに囚われてしまったのだそうです。
「勿論、友人の実家に話せば、借金は返せるでしょう。でも厳しいご両親は彼女を地球に帰してしまうでしょうし、監視されて生きることになると思います。それだけでなく、舞踏会の主催者もあまり上品な方々ではないようですから、スキャンダルとして脅されるかも知れません。下手をしなくても身代金くらいは……ああ、私はどうしたら……」
 泣き崩れる彼女の肩をフェルナンは支えて、こう言いました。
「解りました、私も客として入り、微力ながらお手伝いしましょう。……皆さんは、どうされますか? 衣装くらいでしたらお貸しできますが……」

担当マスターより

▼担当マスター

有沢楓花

▼マスターコメント

 百合園女学院、ヴァイシャリー湖での冒険シナリオ第2話です。
 今回は1話ごと、全3話のシナリオとなっています。第1話出航から島到着までの一泊のお話でしたが、第2話は島到着後から始まります。
 各話はストーリー上繋がっていますが、出来事に関しては独立しているため、どの話から参加されても、2話だけの参加でも、大丈夫です。

 また、ヴァイシャリー湖上の観光(或いはお宝)を目的とした船旅のため、特に学校や男女の別での行動制限はありません。
 ただ、船室では男子と女子で客室が別れており、相互の夜間の行き来は禁止になっています。

▼サンプルアクション

・パートナーと夏休み

・桜井静香を追う

・ゆるスター賭博に参加

・古代王国の遺跡を探索

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2009年09月17日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2009年09月18日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2009年09月22日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2009年10月02日


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