蒼空学園

　その日、学校に一人の男がやってきました。
　彼の名前は珍　六三郎。
　ツァンダの郊外にある創業五十五年の老舗ラーメン店『幸楽園（こうらくえん）』の店主さんです。
　彼は【蒼空学園理事長兼校長兼生徒会長】御神楽　環菜（みかぐら・かんな）に助けを求めてきたのです。
「お願いです。誰か料理の出来る人を貸してください。美味しいラーメンを作りたいのです！！」
「美味しいラーメン？」
「そうです。実は一週間後……あのタベルト・バナパルトから食バトルを申し込まれまして……」
「タベルト・バナパルト……それは面白そうね」
　環菜は微かに笑みを浮かべると、彼の話を聞く事にしました。
　『タベルト・バナパルト』は美食ガイドブック『魅酒乱（みしゅらん）』の編集長の三代目で、『太邊流斗倶楽部（たべるとくらぶ）』を経営するオーナーでした。
　しかし、その実態は自分の言う事を聞き、賄賂を渡す店には五つ星を。
　自分を拒む店には酷評を与えて破滅に導くエセ権力者だったのです。
　環菜は一通り彼の話を聞いた後、静かに答えました。
「わかりました。うちの生徒を貸しましょう」
「本当ですか！？」
「その代わり……ルミーナ。ちょっと来て！」
「環菜、どうかしました？」
　環菜はパートナーのルミーナ・レバレッジ（るみーな・ればれっじ）を呼ぶと、六三郎に代案を提案したのです。

　そして翌日、カンナ様は掲示板に新しい依頼を立ち上げました。
『タベルト・ボナパルトを味で抹殺せよッ！』
　生徒達に激震が走りました。
　どうやら、環菜は雑魚の分際で小さな料理店を脅す『タベルト・バナパルト』を懲らしめてやろうと考えていたようです。
　だけど、ただ懲らしめるだけでは意味はありません。どうせなら、タベルトの独壇場で……そう、『美食』で打ち負かすのです。
　だが、相手は腐っても、『太邊流斗倶楽部（たべるとくらぶ）』のオーナー。
　『太邊流斗倶楽部（たべるとくらぶ）』は会員制の料亭で、地方領主や貴族などが秘密裏でメンバーとなっている恐るべき倶楽部です。
　さらに昔から究極の味を味わっている彼の舌は劣化していると言えど、本物と言わざる得ないでしょう。
　何人かの生徒は六三郎の手伝いを。
　そして、何人かの生徒にはオリジナルメニューを……
　家庭的でない生徒達には難しい事かもしれませんが、カンナ様はルミーナと一緒に味審査を行い、六三郎と大勢の中から選抜した【ラーメンの達人】をタベルトにぶつける事にしたようです。

　カンナ様とルミーナの味審査は五日後、そして、タベルトとの食バトルはその翌日。
　果たして、『ラーメンの達人』に相応しいシェフは現れるのでしょうか？

　蒼空学園のイベントシナリオです。
　食欲の秋に相応しい（？）、美味しいラーメン作りをお気軽にお楽しみください。

　シナリオの進行段階としては
　　　↓
　料理の作成
　　　↓
　『カンナ様』と『ルミーナ』による味審査　【ラーメンの達人】決定
　　　↓
　タベルト・ボナパルトに食べさせる
　　　↓
　エンディング

　サンプルパターンとしては
　　　↓
　・オリジナルメニューを作る
　・チームでオリジナル料理を楽しむ
　・珍　六三郎の手伝いを行う
　・ウェイター、ウェイトレスになる

　……と、なっております。

　ただし、
『タベルトの口に生のラーメンを突っ込み、木から吊るした後に火を着けて燃やし、ファイヤーラーメンにして、カンナと皆で笑顔で帰る！　その途中で迷子になって、そこで拾った花をカンナにプレゼントしてラブラブになる』
　などと言ったＰＬ側で作った結末をアクションにしてしまったり、結末の結末を考えてしまったり、
『料理を作成して食べさせて、美味いと言えばそのまま続行！　マズいと言えばブチのめして無理やり続行！　最後はもちろん、タベルトにお仕置きして！　出来なければラーメンに毒を入れて毒殺！　もちろん、逃げたとしても携帯でＬＣと連絡取り合って、挟み撃ちにしてトドメを刺す！』
　などのどんな展開でも先に進めるようなダブルアクションを書かれても描写できませんのでご了承くださいませ。

　それでは、美味しいラーメンを考えてくださいね！

・アイスクリームラーメンを作成。

・チームで洋風ラーメンを作る。

・珍　六三郎さんのお手伝いをします。

・タベルト・ボナパルトが来店時、ラーメンを運ぶ。