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空賊よ、風と踊れ-ヨサークサイド-(第1回/全3回)

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空賊よ、風と踊れ-ヨサークサイド-(第1回/全3回)

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シナリオガイド

空を耕す日
シナリオ名:空賊よ、風と踊れ-ヨサークサイド-(第1回/全3回) / 担当マスター: 萩栄一

 蒼空学園校長室。御神楽 環菜(みかぐら・かんな)は依頼書を整理しながら呟きます。
「最近、空賊絡みのトラブルが増えているのね……偶然かもしれないけど」
 依頼書を片付けると、環菜は窓を開け何気なく外に目を向けました。その時です。突然環菜の前を何かの影が横切りました。
「え!? 今のは……っ?」
 素早く室内に入り込んだ影の正体を確かめようと環菜が振り向いた瞬間、環菜の視界が揺れました。
「!?」

「環菜さん、ただ今戻りました……環菜さん?」
 環菜に頼まれおつかいに行っていたルミーナ・レバレッジ(るみーな・ればれっじ)が校長室に戻ってきた時、そこに環菜の姿はありませんでした。
 キョロキョロと辺りを見回すルミーナ。そんな彼女の携帯に、電話がかかってきました。環菜の携帯からです。
「もしもし、環菜さん、どちらへ行かれたのですか?」
「御神楽校長のパートナー、ルミーナさんですね? 最近、何やら空賊を厳しく取り締まっているご様子で」
「……どちら様でしょうか」
 電話口から聞こえてきたのは、聞いたことのない男の声でした。男はルミーナの問いを無視し、驚くべき事実を告げました。
御神楽校長を誘拐しました。助けたければ身代金を用意しなさい。ああそれと、空賊の取り締まりも止めていただきましょうか。校長は金額を確認次第、釈放しましょう」
「そんな……環菜さん!? 環菜さんっ!!」
 ルミーナの悲痛な叫びを遮るように男は振込先だけを指示し、電話を切ってしまいました。
 しばらく呆然としていたルミーナですが、やがて電話をしまうと、考えを巡らせました。
 お金を払って環菜さんが帰ってくるのであれば、もちろん払う。
 が、要求を呑んで下手に出れば次は何を言ってくるか分からない。そもそも約束通り環菜さんを返す保障もない。
 誘拐犯の正体を突き止め、環菜さんを取り戻せればベストだけど、肝心の誘拐犯の情報がほとんど分からない。
「やはり要求を呑むしか……いえ、出来るだけのことはやっておくべきですね。空賊絡みということは、蜜楽酒家(みつらくしゅか)……あそこなら何か情報が得られるかもしれません」
 蜜楽酒家とは数ある浮遊島のひとつに存在する大きな酒場で、多くの空賊が訪れます。なお、ここは非戦闘区域に指定されているようです。
 ルミーナは各学校生徒に依頼を回し、すぐさま生徒たちと蜜楽酒家に向かいました。

 時を同じくして、「タシガン空峡を主な狩場にしている空賊が金持ち校長を誘拐した」という情報を手に入れた男がいました。
 彼の名はキャプテン・ヨサーク(きゃぷてん・よさーく)。彼もまた、タシガン空峡で勢力を競っている空賊の中のひとりでした。
 情報の信憑性を確かめようと蜜楽酒家にいたヨサークの下に、依頼を受けた生徒たちが現れました。
「……何だ、おめえら」
「最近、誘拐事件を起こした空賊について、何か知りませんか?」
 ヨサークはそれを聞き、情報が確かなものだと気付きました。同時に、自らの立場の危うさにも。
 彼、ヨサークは貧しい農家の出で、農業が不振に陥ったため空賊となりのし上がった人物でした。
 それだけに、自分よりも金と権力を持とうとする者の存在を許すことはできないのでしょう。
 縄張り争いをしている他の空賊が力をつけてしまうかもしれないと恐れたヨサークは、誘拐犯の下へ行くことにしたようです。
「……知ってるぜ。そいつの名前も、テリトリーもな。むしろ俺以外にあいつの行動圏を知ってるやつはいねえだろうな。さらったのはほぼ間違いなく、シヴァ・キールヴィルって空賊だ」
 情報を手に入れ希望が見えたルミーナは、ヨサークにシヴァの居場所を尋ねます。
 ヨサークは少しの間何かを考えると、微かに口元を緩ませ、立ち上がりました。
「俺の船でシヴァのところへ連れてってやる。ただシヴァ空賊団は結構な人数だ。女、おめえはどうでもいいが、後ろにいるおめえらは俺について来い」
 冷たい口調で命令するヨサーク。ルミーナや生徒たちは彼を完全に信用したわけではありませんでしたが、環菜を助けるため、それに従います。
 が、ルミーナが乗船しようとするとなぜかヨサークは露骨に嫌な顔をしました。
 どうやら彼は女性を悪い意味で特別扱いする癖があるようです。
 ルミーナに向かって舌打ちした後、ヨサークは生徒たち、そしてヨサーク空賊団の団員たちに向かって威勢良く声を上げました。
「野郎ども、今回収穫する作物は蒼空の校長だ! シヴァ・キールヴィルを刈り取るぜ! Yosark working on kill!」
「Hey,Hey,Ho!」

担当マスターより

▼担当マスター

萩栄一

▼マスターコメント

今回のシナリオはシリーズを通して梅村象山マスターの同名シナリオと連動して展開します。
片方のみの参加、両方への参加どちらでも大丈夫ですが、両方に参加した場合、場所や時間が矛盾したアクションはとれません。
時系列的には以下のような流れになります。

ブル退治の依頼を環菜から受ける

ブルの情報を集めに、梅村マスターシナリオの参加生徒、蜜楽酒家へ

その数時間後、環菜誘拐

ルミーナ、本シナリオの参加生徒たちと蜜楽酒家へ

梅村マスターのシナリオに参加した場合、本シナリオの参加者よりも先に蜜楽酒家に行く事になりますが、
その時点では環菜誘拐の件を知らないので、ヨサークへの接触や環菜に関する情報収集は出来ません。
なので両シナリオ参加者はブルの件が片付いた後、誘拐犯の情報を集めに蜜楽酒家へ来た本シナリオ参加者から事情を知る流れになります。
その点を両シナリオに参加したプレイヤーの方はご注意ください。
両シナリオに参加し、各シナリオで「校長先生を助ける」「大型飛空艇の撃沈」などのアクションをとるのは全く問題ありません。
その場合も、「ブルとの戦闘後、ヨサークの下に集まったルミーナたちと合流する」というような流れになると思います。

なお、舞台はツァンダ〜タシガン間にあるタシガン空峡ですが、特に学校の制限はありませんので、所属学校関係なく参加可能です。
戦闘は空中戦がメインになりますが、空を飛ぶ道具を持っていない生徒には一時的に小型飛空艇が貸し出されます。
また戦闘中に撃墜されたキャラは、雲海を突き抜けて日本近くの太平洋に落ちます。
パラシュート的な装置も貸し出されるので、落ちても死にません。もちろん次回以降も普通に参加可能です。

シヴァは、腕力こそさほどないものの狡猾さと卑怯さを併せ持っている空賊です。
大型飛空艇を母船として、小型飛空艇を駆る部下達を引き連れています。その数は50〜60人という、比較的大規模な空賊団のようです。
ヨサークの船は全長50メートルほどで、3階建ての構造になっています。100人は軽く乗れそうですが、現在の団員は20人ほどのようです。
なおヨサークは男性にはフレンドリーですが、過去のトラウマのせいで「女とか死ねばいいのに」というくらい女性には冷徹です。
ヨサークと絡むアクションをかける場合、外見性別が女性だとひどい扱いを受ける可能性がありますのでご了承ください。

今回はシリーズものということで、コメディー要素もあり、シリアス要素もありみたいな、
全体的にみんなでわいわい出来たらいいよね的なシナリオにしていく予定です。
また、連動シナリオの1回目ということで、2回目以降、よりクロスオーバーしていくためのきっかけとなるシナリオでもあります。
積極的に物語の交差に努めたり、NPCと複数回かけて仲を深めたりと、色々なことが出来るシナリオになればと思っています。

本シリーズを出すに当たって、ヨサークのイラストを絵師のHOMLLA様に描いて頂きました。
「程よい悪人面で、農家の過去を持つキャラ」という無茶苦茶な発注にも関わらず、とても素敵なイラストに仕上げて頂きありがとうございます!

▼サンプルアクション

・校長先生を助ける

・ルミーナを守る

・ヨサーク空賊団に入りたい

・ヨサークに女性の素晴らしさを教えたい

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2009年11月23日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2009年11月24日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2009年11月28日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2009年12月09日


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