蒼空学園

　間近に迫ったクリスマスやお正月に、蒼空学園の生徒達は浮かれ気分になる中。
　小谷愛美（こたに・まなみ）は、何やら物憂げに屋上で黄昏ていた。
「ねぇ。どうしたの、マナ。今日はやけに元気ないじゃない」
　傍らで心配げにしているマリエル・デカトリース（まりえる・でかとりーす）に、愛美はぽつりと衝撃の一言を呟いた。
「決めたわ。もう私、恋なんてしない！　一生独身で生きる！」
「……えぇ！？　な、なにイキナリ！？」
「恋とか愛とか、運命の人とか……今までの私はどうかしてたのよ！」
（まさかまた失恋でもしたのかなぁ？　まぁ、こんなこと言ってても、またすぐいつものマナに戻るとは思うけど……）
　そう思いながら少し心配になるマリエル。その時、

ピン・ポン・パン・ポ〜ン

『あー。あー。蒼空学園の皆様、こんにちは。
突然ですが今宵、恋人がいない人や、恋人になりたい男女に向けた救済企画を行います。
題して【囚われのプリンセスと９人の王子】！
恋人のいない男子諸君、厳しい試練をくぐり抜け他の参加者を蹴落として見事プリンセスに告白してくれたまえ！
恋人のいない女子諸君、暖かい部屋と美味しいお菓子用意しておきますので、どうか参加してください。
お願いします、ホントお願いします。他の学校の方でも構わないので参加してくださいっっっっ！
……あー、こほん。それでは、皆さんの参加をお待ちしています。
あ、ちなみにワタシが誰かって？　恋人が欲しい男子生徒Ａとだけ言っておきましょう……って、こんなこと言わせないでくださいよ（泣）

　そして放送は切れた。
　マリエルはこれを幸いとばかりに、愛美を焚き付ける。
「ねぇ、マナ。せっかくだからあたし達も参加してみようよ！」
「え？　でも私はもう恋なんて……」
「いいからいいから！」

　こうして、愛美とマリエルはこの企画に参加することとなったのであった。

　この企画に参加する方は、基本的に男性は王子、女性はプリンセスでの参加となります。
　例外としては、外見性別が男性なら王子、女性ならプリンセスとして参加可能です。

　内容としましては、蒼空学園のどこかに囚われたプリンセスを王子が救出するというものですが。

　王子側は、企画者の生徒Ａが校舎内に張り巡せた罠を避けプリンセス達の待つ部屋へと向かいます。
　そして企画名にもある通り王子役になれるのはたった９人です。
　他の参加王子を蹴落とし、見事プリンセスの下に辿り着いた先着の９人のみがプリンセスに告白を行えます。
　肝心の９人に選ばれる為の判断基準は『想いの強さ』です。
　いかに相手を思っているか、いかに恋人が欲しいか……などの情熱をアクションに載せてください。
　もっとも、告白ができたからといってＯＫが出るか否かはプリンセス次第ですが。
　更に、パートナーや愛美など決まった相手に告白する方は、特に問題はありませんが。
　誰でもいいから恋人欲しい！　というような方は、好みのタイプなどを記載しておいてください。それに応じて相手が変化します。

　プリンセス側は、基本は部屋で王子役の人を待つのみですが。
　どこにどんな罠があるか彼女達には知らされていますので。電話やメールでパートナーを誘導したりもできます。
　そして、恋愛否定状態の愛美を励ますなどはしておいた方がいいかもしれません。でないと肝心の告白の時に何か妨害をされるかも……？
　勿論他の参加者とただ楽しくお菓子食べておしゃべりするだけでも結構です。
　告白された際には、どういう相手ならＯＫするか？　パートナー以外は絶対イヤ！　友達からならいいかな？　などを記載しておいてください。

　やや複雑な部分もあるとは思いますが、どうか頑張ってください。
　それではアクションをお待ちしております。

・王子役として参加する

・プリンセス役で参加する