蒼空学園

　空京に蘇った鏖殺寺院の闇の救世主、ダークヴァルキリー。
　その絶叫によって多数のモンスターが空京に召喚され、街は大混乱に陥りました。

　逃げ惑う人々。
　彼らを守り、応戦する学生達。

「……美しい」

　阿鼻叫喚の中に彼女はいました。
　ヴァルキリーである彼女は、空京のモンスターを倒すために来ました。
　しかし、ダークヴァルキリーの姿を『美しい』と心から思ってしまいました。

「……何で美しいのかしら……どうしたら私もあのように美しくなれるのかしら……」

　その禍々しく妖しく蠱惑的な魅力に、振るっていたロングスピアは止まり、うっとりとした表情で、ただただダークヴァルキリーを見つめていました。



　――一ヶ月後。

「大変ですぅ！　『宿り樹に果実』のミリアちゃんがぁ、ジャタ族に攫われてしまったですぅ！！」

　イルミンスール魔法学校の校長エリザベート・ワルプルギス（えりざべーと・わるぷるぎす）は、知っている生徒に片っ端から連絡を入れていました。
　ミリア・フォレストは、イルミンスールの近くにあるカフェテリア『宿り樹に果実』の看板娘です。
　物腰は丁寧で、清楚で明るく、その癒し系の笑顔と声で、男女問わず各校の生徒達に人気があります。
　彼女に会うために、ヒラニプラやヴァイシャリーから来店する学生も少なくありません。

「ここ数週間の間に、ジャタの森に住むジャタ族の一派が、時々イルミンスールの森までやってきてな、人攫いをしておったのじゃ。ワシらも警戒は強めておったが、イルミンスールの森全てをカバーできるわけではないからのぉ」
「それにぃ、ミリアちゃんにはぁ、キィちゃんが付いているので安心していましたぁ」

　パートナーの魔女アーデルハイト・ワルプルギス（あーでるはいと・わるぷるぎす）の言葉をエリザベートが受け継ぎます。
　キィとはミリアが飼っているペットのキメラの事です。ライオンの顔にヤギの胴体、ヘビの尻尾を持ち、口から火炎を吐く魔法生物です。

「うむ。だが昨日、大怪我を負ったキィが発見されたのじゃ。そこにミリアの姿は無かった。攫われてしまったと考えるべきじゃ」

　ペットとはいえキメラを撃退してしまうのですから、そのジャタ族は実力者揃いか数が多いのかも知れません。
　ちなみに、キィはイルミンスールので治療を受けています。

「ジャタ族はたびたびイルミンスールの森へ侵入しているが、こうも頻繁で人攫いが目的となると解せぬ。お前らにはミリアの救出とジャタ族の目的を探ってもらいたい。必要であれば倒してしまっても構わぬ」
「それにぃ、ちょっと嫌な噂を耳にしたんですぅ。何でもそのジャタ族の一派は血塗られた女神というのを信奉しているとかぁ。シャンバラ女王でもないのにぃ、女神とはどういうことなんでしょうねぇ？」
「分からぬ。分からぬが、人攫いをするなどろくでもない女神ということは確かじゃ。それに……嫌な予感が拭えぬのじゃ」

　一刻も早くミリアを助けて欲しいとアーデルハイトは締め括りました。

　初めまして、はまもさきと申します。
　初めてのシナリオになりますが、よろしくお願いいたします。

　このシナリオの目的は、ジャタ族の一派に攫われてしまったミリア・フォレストの救出と、ジャタ族の一派が人攫いをしている理由を突き止めることです。

　エリザベートやアーデルハイトと面識があれば、連絡をもらって参加できます。また。エリザベートはイルミンスール内に依頼書を貼りだしているので、それを見たという理由もＯＫです。
　もしくはエリザベートの依頼を受けた友達の手伝い、実際にＬＣが攫われてしまい助けに行く、自分が攫われてしまったといった理由も考えられます。

　ミリアを攫ったジャタ族の一派は、森での戦いに適した軽い武装をしており、森の中でも素早く動けます。
　ジャタの森は木々が多くバイクや白馬といった通常の乗り物は使用できません。
　また携帯電話も繋がりにくいようです。

　どのようにこのジャタ族の一派の居場所を見付けて、ミリアを救出し、ジャタ族の一派の目的を突き止めるか。
　他の参加者と相談したり、タイトルなどから予想したりしてみてください。

・囮になってジャタ族をおびき寄せる

・ジャタ族の一派を懲らしめる

・ミリアを救出する

・ジャタ族の一派に協力する