蒼空学園

「暑いのう、房姫」
「そうですね」

　シャンバラにも、暑い季節がやってきました。
　葦原明倫館の校長室には、ぐったりとしたハイナ・ウィルソン（はいな・うぃるそん）の姿。
　熱に体力を奪われ、少しまいっているようです。
　わきでは葦原房姫（あしはらの・ふさひめ）が、涼しい顔で縫い物をしています。
　房姫は、ハイナよりも暑さに耐性があるのでしょうか。

「ふぅ……この暑いのにオリンピックとは、皆もがんばるでありんす」

　扇をぱたぱた、ハイナが観ているのはろくりんピックの聖火リレー中継です。
　がんばるでありんす〜とつぶやく声には、しかし力が入っていません。

「ふふ、ハイナも参加してみてはいかがですか？」

　口許を上げると、房姫は『２人３脚トライアスロン』の要綱をハイナへ手渡しました。
　Ａ４サイズの紙には、開催日時やルールなどが記されています。

「なになに……『２人３脚で水泳・自転車・マラソンを行います、各チームの参加人数は２人１組×３の６人です』」
「『また競技参加者以外の方は、各種目のコース上に障害を設置することができます』、ともありますね」

　概要によると、各種目の距離は『水泳：５キロメートル・自転車：２００キロメートル・マラソン：５０キロメートル。
　どれも、地球で行われているトライアスロンよりも距離が長く設定されています。
　さらに『制限時間：１２時間』という記載からも、過酷さがうかがえます。
　ただ、制限時間はあくまでも順位を決めるためのもの。
　ゴールまでたどり着いていなくても、終了時刻を迎えた時点での順位が勝敗に反映されます。
　ちなみに、すべてのチームがゴールテープを切るまでレースは続きます！

「わ……妾が出てしまっては、他の参加者が楽しめないでありんすよ」

　読み終えた概要を、ついっとつき返してきたハイナ。
　その視線は、明後日の方角を向いています。

（とか仰って、本当は参加するのが嫌なだけでしょうに）

　そんなハイナの本音を、房姫は分かっていました。
　しかし口にすると怒り出すだろうことも理解していましたので、心に留めておくことに。

「ん？　何か言ったでありんすか？」
「いえいえ、ハイナにも人を思いやる心があったのですね」
「失礼でありんす、房姫」
「……冗談です」
「間が、変な間が空いておったえ！？　房姫っ！」
「気のせいですわ、ハイナ」

　着物の袖を口の前に、房姫は優雅に微笑みます。
　ハイナも半分笑いながら、パートナーに言い寄るのでした。

「まぁとにかく、ろくりんピックが盛り上がるとよいのう」
「ええ、シャンバラ王国再興の記念ですものね」

　テレビの向こう側では、沿道の人達から聖火リレーの走者への熱い声援が送られています。
　あなたも２人３脚トライアスロンに出場して、この感動を肌で感じてみませんか。

このシナリオには、学校を問わずどなたでも参加が可能です。
ただし、イコンでの競技出場はできません。

二人三脚トライアスロンでは、一番最初にゴールしたチーム側に「３０点」が加算されます。

当日の天候は快晴、からりと暑いです。
競技開始は午前８時、勝敗が決するのは午後８時となります。
しかしながら、リアクションの執筆範囲は競技の制限時間に留まりません。
アクション次第で、前後の様子も描写させていただきます。

皆様は、『競技参加』『障害設置』『路上応援』のなかから行動を１つ選択してください。
ＭＣとＬＣの希望は、同じものでも異なるものでも構いません。
それぞれにおいてどのように立ち回るかは、皆様の自由です。
キャラクターらしさの出る行動をおとりください。
台詞や心情表現も含め、具体的なアクションであればあるほど採用率が高くなります。
なお、本競技は出場人数が固定されております。
チーム人数の超過や不足があった場合、各チーム内で調整させていただきますのでご了承ください。

＊必須項目＊
『競技参加』の場合：２人３脚の相手の名前、最も力を入れる種目。
『障害設置』の場合：障害を設置する種目、障害の内容。
『路上応援』の場合：応援する種目、応援方法。

それでは、皆様のご参加とアクション、お待ちしております。

・持てる力を振り絞って、絶対に優勝してやるぜ。

・分かんないように、落とし穴をつくっちゃうんだもん。

・がんばっとる選手達に、声援を贈るんや。