蒼空学園

「う〜ん、やっと今週も終わったでござるね〜」
「そうですな」

　食堂にて、早めの夕食をとる２人の男女。
　机上には赤飯と味噌汁、たこといかの刺身、小松菜の白和えなど和風な料理が並んでいます。
　ちょっと待って……茶碗に入っている粒、もしやレーズンでは。。。

「にがっ……明日の休み、ゲイルはどうするのでござるか？」
「うむ、裏山で修行でもと考えている」

　まさかのドライフルーツに顔をしかめながら、真田佐保（さなだ・さほ）が訊ねました。
　ゲイル・フォード（げいる・ふぉーど）は、口のなかのものを飲み込んでから質問に答えます。

「ふぅ〜ん、がんばるでござるな」
「そういう佐保はどうするのですかな？」
「拙者は城下町でも散策しようかと思っているのでござるよ。
　月も変わったことだし、いろいろと新商品が出まわる頃でござる」
「なるほど」

　返事を聴きながら、静かに味噌汁を飲み干すゲイル。
　佐保もことんと、盆の上に箸を置きました。

「今日も美味しかったでござる〜ごちそうさまでした♪」
「ごちそうさま……なぁ、佐保」
「ん、なんでござるか？」

　ご機嫌な佐保は、礼儀正しくきちんと手を合わせます。
　ならってゲイルも、食後の挨拶。
　綺麗にぬぐった口をおおうと、おもむろに佐保を呼びました。

「私にもなにか、甘いものを買ってきてもらえまいか」
「構わぬでござるが……」
「代金はあとから払うのでな、よろしく頼む」
（それならゲイルも一緒にくればよいでござるに）

　佐保だけでなくゲイルも実は、甘味が大好きだったのですね！
　ゲイルの申し出に、佐保は快く了承を返しました。

「よし、こうなったら匡壱やティファニーちゃんも誘っていくでござる！」
「それは助かりますな」
（ティファニーがいると、修行が予定どおりに進みませんからね）
「ほえ？」

　表情を動かすことなく述べるゲイルに、佐保は疑問符。
　ゲイルの真意を、すぐにははかりかねるようです。
　
「いえ、ティファニーはいろいろ好き勝手に移動するかも知れませんので。
　迷子にならないか心配ですな」
「まぁ、大丈夫でござるよ、きっと……多分」
「……」

　たんなる思いつきが、こんなに重い話になるとは。。。
　ティファニー・ジーン（てぃふぁにー・じーん）の行動の読めなさに、佐保は一気に不安になります。
　佐保のパートナーである丹羽匡壱（にわ・きょういち）では止められないでしょうし、ゲイルも来てくれそうにありませんし。

「はっ、拙者いいことを思いついたでござるよ！」
「ん？」
「ハイナ殿についてきてもらうのでござる！
　ほかにもいろんな人に同行してもらって、ティファニーの迷子を防ぐのでござる！」

　同郷なうえ総奉行でもあるハイナ・ウィルソン（はいな・うぃるそん）の言うことならば、ティファニーも従うだろうと考えた佐保。
　ぽんっと両手を叩き、勢いよく立ち上がりました。

「早速ハイナ殿にお願いにいってくるでござるよ！」
「気をつけて、楽しい１日になるとよいですな」
「ゲイルも、修行がんばるでござる〜！」

　手を振りながら、佐保は食堂をあとにします。
　残されたゲイルは１人、明日の修行計画を立てていました。
　と。

『ゲイル・フォード、いますぐ校長室へ来るでありんす』

　放送で呼び出されたゲイルが、校長室にて遭遇したのは。

「よく来たのう、ゲイル。
　妾は明日、佐保と城下町を散策してくるでありんす。
　ゆえに房姫のことをお願いしたいのじゃ」
「かしこまり……はい？」
「よろしくお願いいたしますね、ゲイル殿。
　修行をされるとのことですから、わたくしはおとなしく見学しておりますわ」
「２人とも期待してるネ、お土産いっぱい買ってくるヨ！」
「ったく、なんで俺まで……ゆっくりしたかったのに」
「たまには外にも出るでござる！
　美味しいもの、たくさん食べるでござるよ〜！」

　かくしてゲイルは、葦原房姫（あしはらの・ふさひめ）とともに葦原明倫館の裏山にて修行をすることとなりました。
　佐保も、匡壱、ティファニー、ハイナの３人と城下町散策へと出かけます。

　どちらの場所にも、きっと楽しかったり面白かったり苦しかったりな場所がたくさんあることでしょう。
　さぁ、あなたは誰とどのようにして、休日を過ごしますか？

＊
本来でしたら房姫とティファニーはマホロバの大奥におりますが、
このシナリオでは気にせず一緒に行動できます。
＊

このシナリオには、学校を問わずどなたでも参加が可能です。
また、城下町および裏山についての設定を自由に考えていただくことができます。

皆様はまず、以下のなかから行動を１つ選択し、アクションの冒頭に記してください。
そのうえで具体的な内容を考えていただければと思います。
　選択肢１．佐保、匡壱、ティファニー、ハイナと城下町散策
　選択肢２．ゲイル、房姫と修行
　選択肢３．独自にほかの行動

さらに上述いたしましたように、各所における設定案をお寄せください。
具体的かつ実現可能なものがございましたら、リアクションに登場させる予定です。
　選択肢１：城下町にあるお店や名所などの設定
　選択肢２：裏山の地形や修行内容などの設定

ＭＣとＬＣの行動は、同じものでも異なるものでも構いません。
それぞれにおいてどのように立ちまわるかは、皆様の自由です。
キャラクターらしさの出る行動をおとりください。
台詞や心情表現も含め、具体的なアクションであればあるほど採用率が高くなります。
目的達成のために必要な道具などをお持ちになられる場合は、アクションにてお知らせください。
他キャラクターやＮＰＣと絡みたい場合も、相手の名前を明記してください。

ＮＰＣ６名は、上記のとおりに分かれて選択肢１と２の行動をとります。
選択肢３を選択されました場合、ＮＰＣとはまったくの別行動になることも考えられますのでご了承ください。

それでは、皆様のご参加とアクションをお待ちしております。

・佐保やハイナと城下町を散策する。

・房姫とお茶を飲みながらゲイルの修行を見学する。

・『ゲイル／匡壱』に決闘を申し込む。

・ティファニーと一緒にお土産を選ぶ。