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魂の器・第3章~3Girls end roll~

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シナリオガイド

生まれくる命。消える者と消えた者。
シナリオ名:魂の器・第3章~3Girls end roll~ / 担当マスター: 沢樹一海

 ――ライナスの研究所・朝―― 

 機晶姫とイコンの強化パーツ開発も一段落し、ファーシー・ラドレクト(ふぁーしー・らどれくと)アクア・ベリルの修理も終了しました。
 アクアが依頼したというライナスと自分の命を狙っていたという者達も無事に撃退され、モーナ・グラフトンはヒラニプラに戻ろうと急ぎ帰り支度をしています。
「ファーシー達はどうする? 一緒に来る?」
「うーん、そうね……」
 確かに、ファーシーが研究所ですべきことはもう無いでしょう。ここでの生活は楽しかったけれど、いつまでも世話になっているわけにもいきません。ですが、彼女が同意しようとした時にライナスが口を挟みました。
「ファーシーは蒼空学園の生徒なのだろう? ヒラニプラからは鉄道が出ているから空京までなら行けるが……わざわざ空京に寄る理由もあるまい。ここから直接ツァンダに帰る方が早いのではないか?」
「空京……」
 ファーシーはその単語に何か思うところがあるのか、考えるように視線を上げます。そこで、エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)が言いました。
「私もそろそろイルミンスールに帰りますぅ〜。大ババ様がうるさいですからぁ〜」
 回収した機晶石を届けたら帰ると言っていたエリザベートですが、まだ研究所に居たようです。
「待て。戻るなら、まず俺達を送ってからにしろよ。行きだけ送って帰りは歩けなんて言わないよな?」
「ず、図々しいですぅ〜! 理屈になってませんめちゃくちゃですぅ〜!」
 そこにラス・リージュン(らす・りーじゅん)がストップをかけ、当然の権利としてエリザベートは怒りました。ここから蒼空学園までは距離がありますし、親切心が皆無ではない彼女は送ってもいいかと思っていたのですが……それをふっとばすような発言です。
 そんなやりとりの脇で、ファーシーが真摯な表情で言いました。

「わたし、戻る前に空京に行きたいわ。太郎さんのお弔いをしたいから……」

「ファーシー……」
 チェリー・メーヴィスが彼女を見返します。そこには、感謝の気持ちと「本当にいいのか」という確認の念が込められていました。
「何で、そんなに山田って男にこだわるんだ? 俺達にそこまでする義理は無いだろ。罪を犯した奴が死んだ、ただそれだけの事だろ?」
 ラスがそう言うと、チェリーはびくりと肩を震わせました。自由を確約されたとはいえ、彼女はまだ皆に対し萎縮していて本来の自分には戻っていません。それが、最初に攻撃をした少女のパートナーならば尚更です。しかも、その口調には情というものが一片も感じられませんでした。
「! ……だって……わたしも太郎さんを追いつめた1人だもの……」
 俯いて、絞り出すような声を出し、そしてファーシーは顔を上げました。
「な、何よ、そんな何でもないような事みたいに言って……。じゃあ、あの時どうしてすぐに教えてくれなかったのよ。わたしが……落ち込むと思ったから言わなかったんじゃないの? それなら、わたしの気持ちだって分かるでしょ?」
「…………」
 そこで、モーナが割って入りました。
「ファーシー、それは違うよ。あたしが、彼に頼んだの。ツァンダに帰るまでは黙っているようにって」
「え……?」
「話を聞いたら、ファーシーがどんな行動に出るか分からないからって……。ごめんね」
 彼女の言葉を最後に、室内に重い沈黙が漂いました。それを破ったのは、ピノ・リージュン(ぴの・りーじゅん)です。
「……あたしも、その人の所に行きたいな」
「お前まで何言って……。まさか、弔いたいとか言うんじゃないだろうな?」
「そういうのはよく分からないけど……、チェリーちゃんのパートナーなんでしょ? それなら、1度会ってお話したいよ。あたしからしか話しかけられないとしても、それでも……」
「ピノ……」
 ピノが行くなら自分も行かないわけにはいきません。別にそうとも限らないのだが彼女と別行動をするという考えがラスの頭からは抜け落ちていました。
「じゃあ、皆でヒラニプラまで行こうか。あたしが鉄道までは案内するから」
 雰囲気やそれぞれの関係はともかく、行き先はまとまったようです。それを確認する意味も込めて、モーナが言います。
 もっとも、彼女は空京まで行かず、ヒラニプラで溜まった仕事を片付けることになるわけですが。

「うん。それじゃあわたしは空京まで行って、それからツァンダに帰るわね。環菜さんも無事に戻れたみたいだし、挨拶しなきゃ……」

「私はまっすぐにイルミンスールに帰りますよぉ〜」
「おう帰れ、さっさと帰れ」
「何ですかぁ〜!!!」

           ◇◇◇◇◇◇

(弔い、ですか……)
 話が続く中、アクアは別室に行こうとファーシー達に背を向けました。研究者が大嫌いであるところの彼女は、山田太郎の弔いなどには微塵の興味もありません。
 持ち込んでいた数冊の大学ノートを手に通路に出ます。そこで、彼女はスバルという青年とすれ違いました。子を宿した機晶姫、ポーリアのパートナーです。随分と慌てているようでした。
 多少怪訝に思いながらもアクアは視線を彼から外し――
 正面を向いたところで固まりました。一瞬、頭の回転も止まります。
「…………」
 彼女の眼前に広がる光景は――

 後方から、ファーシー達の話し声が聞こえてきます。

「ええっ!? ポーリアさんが!?」
「ぼ、僕、どうしていいかわからなくって……。ひ、人と同じなんでしょうか!? い、いえ人も未経験ですけど、あのっ……!!!」
「……まあ落ち着け。とにかく彼女を運ぼう。協力できる者にはしてもらって……」
「機晶姫の……子供……」
「子供ですかぁ〜!?」
「ポーリアちゃんに赤ちゃんが生まれるの!? 見たい見たい!」
「見るのは生まれた後だからな。……絶対に中には入るなよ」
「何を想像してるんだか。エロい事考えてないで、ほら手伝う手伝う!」
「……は? 何を?」

 しっちゃかめっちゃかな雰囲気を感じ取りながら、アクアもまた棒立ちになっていました。

「う、うう……」

 おなかを押さえてうずくまるポーリアを前に、どうしていいか分かりません。
(な、何故私がこんな現場に居合わせることに……!? どう転んだらこうなるのですか!!)

 そして、騒がしくなった室内でファーシーは――
「子供、か……。わたしも産めるって聞いたけど……」
 未だ出ていない答えを求めるように、彼女はそう呟きました。
 
 

担当マスターより

▼担当マスター

沢樹一海

▼マスターコメント

『魂の器』最終回です。
 シリーズ最後という位置付けですが、これまで通りに途中参加も歓迎いたします。
 機晶姫の出産に立ち会ってみたいという方、空京やツァンダでファーシー達と関わりを持ちたいという方々のご参加もお待ちしております。

 ストーリーの流れとしては以下のようになります。

 1、ライナス研究所にて、ポーリアの出産に立ち会う
   (前回、研究所に着いている皆様はここからスタートですので特に問題はありません。
    途中参加の場合、前日までに研究所に来ていた、ということで描写させていただきます。
    模擬戦(キャラクエ「蒼い少女に呼び出され……?」トップ参照)に呼ばれてそのまま泊り込み、というのがベターでしょうか。(キャラクエ称号は特に必要ありません)

   ※ライナスさんの登場はここまでになります。エリザベートもここでイルミンに帰ります。

             ↓

 2、モーナはヒラニプラの工房へ。
   ファーシー、ピノ達、チェリーは空京へ移動。警察署に連絡し、保管された山田の遺骨と対面。
   (事件当時に知り合った警部に連絡するので、チェリーに関して寺院云々という話が蒸し返されることはありません。←あくまでも私は蒸し返さない、ということですが)

             ↓

 3、空京フリータイム。警察署から出た後は、街めぐりとかおしゃべりとか、自由な感じで。

             ↓

 4、翌日。蒼学組はツァンダに戻り、ファーシーは環菜のお見舞いへ。
   エリザベートが来るかどうかは未定。
  (このシナリオでは、環菜はまだ戻りたてです。ナラカに行く前と考えてください)

 1PCがメインで動けるのはこのうちのどれか1つになります。他シーンにどうしても必要、という場合は基本「その場に居た」「彼女達の傍に居た」程度の描写になると思います。

 上記は、NPCの基本行動となります。
 前回終了時点で、アクアとファーシー周りでそれぞれ答えが出ていないことがあります。それに関しては、この流れの中でそれなりに着地させることが出来れば、と考えております。
 まあ、1つはあからさまにガイドの最後に書いてありますが。
 アクアについては……、前回後半の彼女の台詞あたりにヒントがあるかもしれません。このマスコメにもヒントがあるかもしれません。問題点は1つじゃないかもしれません。
 ※3以外のコースにも割り込める場所はあるので、そこでフリータイムアクションをかけるのもOKです。ただし、1PCがメインで動けるのは……(以下略。

 全てのコースにおいて、無理にNPCと絡む必要はありません。キャラクターらしいアクションをお待ちしております。

 それでは、よろしくお願いいたします。
 

▼サンプルアクション

・1、ポーリアの出産に立ち会う

・2、モーナの工房へor山田の弔いに立ち会う

・3、空京で○○と話をする。

・4、ツァンダにて

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2011年03月05日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年03月06日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年03月10日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年04月10日


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