蒼空学園

　ある祝日の午前中。
　蒼空学園の前を通りかかったあなたの前に、よれよれの白衣姿の男性が慌てた様子で話しかけてきました。
「そこの君、ちょっといいかな！？」
　男性は蒼空学園の教師で古代生物の研究をしていました。
　何やら困った様子の男性教諭から話を聞くべく、あなたは学園の教室に招かれます。
　そこにはあなた以外にも複数の生徒が男性教諭に声をかけられ集まっていました。
「実は今朝になって急に問題がおきたんだ。問題というのはその、デザイナーのご子息の娘さんの預って欲しいと言われて……」
　男性教諭の説明では、研究に必要なアイテムを受け取るはずだったのが、当日の今日になって娘を預かって欲しいと頼まれたのです。
　ご子息の娘の名前はポミエラ・ヴェスティンと言います。
　ポミエラを預かること、そして今日は彼女の誕生日ということもあり、学校で誕生日パーティーの開催するように言われたのです。
　研究にはどうしても受け取るはずだったアイテムが必要でした。
　そのため、男性教諭的にはその条件を受けざるえないのです。
「僕は研究の話とかは得意なんだけど、子供と普通の話をするのは苦手で。それに僕には他にやることもあるし……だから、頼む！！」
　男性教諭は深く頭を下げると、世界の危機を救う重要な研究なのだと熱心に説明しながら、あなた達に頼みこみました。
　その時、教室の扉が開いて一人の女の子が入ってきます。
「やっと、見つけましたわ！　早くわたくしの誕生日の準備を――あら？」
　女の子はあなた達に気が付くと、数回目をパチパチさせました。
　そして背筋を伸ばすと、フリルの付いたピンクのスカートの裾をゆっくりと持ち上げると、冷静を装って挨拶をしました。
「皆様、お初にお目にかかります。わたくし、ポミエラ・ヴェスティンと申します」
「えっと、そういうわけで君達には彼女の相手をお願いしたいんだよね」
　男性教諭を困ったように苦笑いを浮かべると、
「それじゃあ、僕は研究の続きがあるから！ 海君 雅羅君、後は頼んだ！」
　と告げて、教室から逃げるように去って行きました。
「あっ、ちょっと待て……」
　高円寺　海（こうえんじ・かい）が引き留めようと廊下に顔を出したが、すでに男性教諭の姿はありませんでした。
「忙しいとかなんとか言ってましたけど、あれはきっと言い訳よ」
「だろうな」
　一番最初に声をかけられたと理由で責任を押し付けられた雅羅・サンダース三世（まさら・さんだーすざさーど）と海は、深いため息を吐きました。
　残されたポミエラは困ったように周囲を見渡していましたが、ふいに微笑んで話しかけてきました。
「今日はお母様が私の11の誕生日に合わせて帰ってきてくださるのです。少々遅れているようですが、夕方には帰ってきてくださるとお父様も言っていました。ですから皆様、一緒に素敵な誕生日パーティーにしましょう」
　ポミエラは手作りのケーキやプレゼントを用意したいとにこやかに話しました。
「しょうがありませんわ。ポミエラ、一緒に最高の誕生日にしますわよ」
「はい！」
　雅羅が優しく微笑みかけるとポミエラは大きな声で返事をしました。
「じゃあ、ここは雅羅に任せるぜ」
「ちょと、海！　どこへ行くつもりよ！」
「うっ、耳元で騒がないでくれ」
　袖を掴んで耳元で怒鳴る雅羅に、海はなだめるようにして答えます。
「別にサボるわけじゃない。ただ、ちょっと外の空気を吸いにいこうと思ってね」
「何よ、それ……あ、そういうことね」
　雅羅は納得した様子で、手を離すと教室を出ていく海の背中を見送りました。
「……封印された邪竜の研究は、オレも興味があるしな」

　誕生日パーティーを楽しみにするポミエラ。
　だが、彼女の知られざる所ではとある事件が起きていました。
　帰宅途中だった母親が≪シャドウビースト≫を従える山賊に誘拐されたのです。
　
　ポミエラの11の誕生日が最高のものになるのか、それとも……。
　刻限は日が沈むまで。
　運命はあなた達の手に託されたの――です。

　初めての方も、お久しぶりの方も、こんにちは。
　虎＠雪（とらっとゆき）です。

　今回のアクションは学園物とアクションの半々に分かれた内容になります。

　参加制限はありません。
　蒼空学園で起きていますが、目の前を通りかかり教師に声をかけられた等の理由により参加が可能となっております。

　以下、アクションに関する説明になります。

　今回のアクションは大きく分けて以下の二つに分かれております。
　・雅羅と一緒に、ポミエラの誕生日パーティーの準備をする
　・海と一緒に、山賊を懲らしめて母親を救出する
　
●ポミエラの誕生日パーティーの準備
　会場は標準的な教室をします。
　当日聞かされたので準備は何も出来ていません。
　
　ですので以下の内容が目標になります。

　・会場の飾りつけ
　・ケーキやお菓子、飲み物などの準備
　・母親へのプレゼント

●山賊退治
　山賊は森の奥にある小屋に潜んでいます。
　小屋周辺はこの時期霧は深くて視界が不良のため、地理を理解している山賊達以外は行動に支障がおきます。
　
　また山賊が従えている≪シャドウビースト≫は生物の骨に魔力を込めて生み出された存在です。
　倒しても何度でも生み出されるため、完全に倒すには骨と作り出すための護符が収められた壺を破壊する必要があります。
　≪シャドウビースト≫は壺の周辺にできた影から出現します。
　ですので出現位置を特定できれば探すのが楽になります。

　人質の救出が最優先事項になります。

・特大ケーキを作る

・刺繍入りのハンカチを作る

・≪シャドウビースト≫と戦う

・人質を救出する