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古代兵器の作り方

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シナリオガイド

歪な兵器と空京で、ジルバを踊ってみませんか?
シナリオ名:古代兵器の作り方 / 担当マスター: 藤乃 葉名

 長閑な昼下り――。
 穏やかな時間の流れと共に――
 此処、空京にある大型ショッピングモールの中で――

 銃声と悲鳴がこだましています。

 高円寺 海(こうえんじ・かい)は、近くに倒れていたウォウル・クラウン(うぉうる・くらうん)に駆け寄りました。

「おい! 大丈夫かっ?!」

 ウォウルを抱き上げた海の手に、何やら生暖かい嫌な感触がします。

「………あんた」
「あぁ…………どうやら、肺……ですか」

 咳き込んだ彼の口からは鮮血が流れ出ます。

「おいおいおい! クソ、洒落になんねーぞ!」
「すみませんねぇ……パートナーの不始末は………ゴホッ……僕が、何とかしないといけ………ゴホ、ゴホッ……ないんですが、ねぇ」
「パートナー? あんたのか?」

 海の問いにウォウルは数回、弱々しく頷くだけでした。

「兎に角、此処から逃げないとヤバイぞ、あんた」

 ウォウルは彼の言葉を聞きうっすら笑顔を浮かべると、自分の上体を支える海の胸を突き飛ばしました。突き飛ばされた海はしりもちを着き、彼を突き飛ばしたウォウルは鈍い音と共に地面に上体を落とします。限界以上の力を振り絞ったのか、傷口や口からは多量の鮮血が噴き出していました。

「お逃げなさいっ………!」
「無理だろ……見捨てられねぇよ!」

 海の言葉を聞いたウォウルは、今度は困ったように笑うと暫く目だけを回りに向けて周囲を確認し、海を呼びます。
どうやら彼を説得することは無理だ、と感じたのでしょう。

「いい、ですか…………今から言うことを………よく、聞いて……ゴフッ、くださいよ」
「……………おう」
「貴方がもし、この状況を…………打破しようと、言うなら…………一般人をまず、避難させて下さい」
「わかった」
「脱出が成功……したら…………今度は、応援を」
「呼べば良いんだな」
「えぇ…………僕もできる限りは……呼んで、みますから」

 海は頷き、彼の言葉を実行すべく立ち上がりました。と――

くれぐれも――一般人を逃がす際、に………ラナロックには、会わないように…………
「ラナロック……? それはあんたのパートナーか?」

 ウォウルは頷きます。

「わかった。細かい話は後で聞かせてくれ」

 深々と頷いた彼は、踵を返してその場を去ろうとします。しますが、どうやらこのままウォウルを放って置く事をよしと思わなかったのでしょう。
海はウォウルの元に再びやって来ると、彼を羽交い締めに近い形で担ぎ上げ、ずるずると壁際へと引き摺っていきました。

「こんな運び方で悪いな。でも、こっちの方が安全だろ」
「……お手数、お掛けします………ねぇ…………」

 壁、柱の陰にウォウルを寄り掛からせ、海はもう一度心配そうに彼を見た後、逃げ惑う人々の前へと向かっていきました。

「慌てるな! 出口まで押したりせずに進め! 誰か困ってるやつがいたら皆で手を貸してやれよ!」

 目の前で倒れた少女を抱えながら、先導するように走り始めました。

「お兄ちゃん、足早いね!」
「運動は得意なんだ。みんな、こっちだ!」

 彼の先導によって人々が続々と出入口に流れているその後ろ――渡り廊下の手すりの上に腰掛けたラナロック・ランドロック(らなろっく・らんどろっく)は、歪な笑顔を浮かべながらに様子を伺っていました。

「随分と面白イコトニなってるわねぇ!!! にしても、此処は何処だ? う、うるっぅ、うルっっサイワねぇ、アンタハ今は黙っテレば良イイイイイぃぃぃぃのよぉぉぉ! ふん、随分な物言いだな。 あぁあアアアアああぁぁァァァァァぁ!!! モうメんドくセェなぁァァァァァああっ!!!!!」

 それはもう、ほぼ人と呼べるかが疑問な、叫び声の様なものを発しながら逃げ惑う人達を見下ろしています。

「なんだかわからんが、どれ、ちと遊んでやるかな。 偉ソウニ喋るんジャアねぇよおおおぉぉ、馬鹿野郎がぁああァアアアアあああぁ!!!!」

 当然、彼女の声が聞こえる訳もない海は一路外へと向かうのです。

       協力者を呼び――この事態を解決する為に――。







担当マスターより

▼担当マスター

藤乃 葉名

▼マスターコメント

 お久しぶりです、藤乃です。初めましての方も、そうでない方も、ガイドを御覧いただき、ありがとうございます。
今回のシナリオはかなりシリアスな展開となっております。やや分かりにくいシナリオになってしまっているかもしれませんが、お付き合い頂けたら嬉しいです。

 シナリオの前頭として前置きを省略しましたが、今回、ウォウル、ラナロック両名は空京にある大型ショッピングモールへとやって来ていました。
そこでショッピングを楽しんでいたところ、突如としてラナロックが暴走してしまい、それを皆様の手で止めていただく。という流れとなっております。
ウォウル、ラナロックが救えるのは皆様のご活躍次第となりますので、その辺りの駆け引きなどもお楽しみいただけたらなぁ、と、思っています。

●補足情報
 参加については、『丁度ショッピングモールに居合わせた』、『ウォウルから呼び出された』、『海に頼まれた』等、無理のない範囲で構いません。

 目的は『ラナロックの暴走を食い止める』と、なりますが、以前公開させていただいたシナリオ『乙女の聖域 −ラナロック・サンクチュアリ−』とは違い、今回は完全に彼女を止めなければなりません。また、今回は完全にラナロックの暴走であり、ガイド内の彼女の発言から――

 まず、会話のそれ自体が困難である事

とし、説得することは難しいでしょう。(『会話をする』などで、彼女の足止めをすることは出来るかもしれません)
既に人格その物がラナロックであるかも定かではありません。なので、戦闘不能になるまで彼女を攻撃するか、彼女の暴走を止める手段を探索するのが早期解決の糸口となる事は明確です。
 また、海が柱の陰に負傷したウォウルを隠してはいますが、彼は動ける状態ではないので、ラナロックに見付かれば命が危ういかもしれません。
その為、数人で彼を安全な場所まで退避させなくてはならないでしょう。
 更に、海が一般の人々を外に誘導しましたが、どうやら逃げ遅れた人達がいます。建物の管理者は逃げる最中で何重にも重なる防火シャッターを閉め、何とかラナロックが外に出ることを防ぎましたが、その為に簡単には中には入れない様です。何処かに通用門があるとの事なので、探しだして侵入経路を探すか、防火シャッターを破壊して入る事になるでしょう。因みに、海は無事に一般の人々を避難させ次第ウォウルを助けに行こうとしています。

 以上の事から、大まかな選択肢は以下の様に分けられるでしょう。
・ラナロックを武力行使で止める。
・はぐれた人を聞き出し、指示を出す。
・指示に従い、救助に向かう。
・海と共に行動し、彼を護衛、バックアップする。
・ラナロックが何故暴走したのか原因を探り、解決法を見つける。
・ウォウルを見つけ出し、安全なところへ搬送。看病をする。

・(取り残されている側として)何とか脱出を試みる。

 尚、毎回の事ではありますが、これら以外のアクションであっても構いません。
 ラナロックを複数人で足止めし、対処法を探って彼女を止めるのが、恐らくは成功の近道となるはずです。

 今回もやや複雑なシナリオかもしれませんが、皆様のご参加を心よりお待ちしております。

▼サンプルアクション

・ LCと共に格好良く活躍したい

・ 困ってる人を見捨ててはおけないから。

・ もう誰も自分の前で命を落として欲しくないから

・ なんだってこんな目に合ったんだよ………!

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2011年10月13日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年10月14日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年10月18日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年11月01日


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