蒼空学園

　天御柱学院。

「ヴァーチャルシュミレーターが暴走？」
（タチの悪いバグが発生したようだ）

　コリマ・ユカギール（こりま・ゆかぎーる）校長が、辻永　翔（つじなが・しょう）にテレパシーで伝えてきます。

（訓練用のシュミレーターが暴走し、
　訓練中だった天御柱や他校の契約者の意識が、バグに取り込まれてしまっている。
　このまま放っておけば、彼らは二度とこちらへ戻ってこれなくなるだろう。

　既に各校にも応援を要請している――
　契約者が揃い次第、救出作戦を開始する予定だ）

　しばらくの後。
　集まった契約者たちはヴァーチャルシュミレーター装置に乗り込んでいました。

（これより、お前たちにはバグが構築したヴァーチャル世界へと乗り込んでもらう。
　バグのコアを破壊することが出来れば、シュミレーターは正常な機能を取り戻し、全ての生徒は解放される。

　しかし、バグが大人しくしているとは思えん。
　おそらく、モンスターなどを使ってお前たちを排除しようとしてくるだろう。
　金の無い状態で死なないように気をつけろ）

「……いや、金があろうとなかろうと死ぬのは、ちょっと」

（行け、勇者たちよ。
　３つの秘宝が揃った時に現れるという天空のクリスタルこそがバグのコアだ。
　秘宝を見つけ出し、クリスタルを破壊するのだ）

　ヴンッ、と装置が作動して、契約者たちの意識はヴァーチャル世界へと入り込んでいったのでした。


　■■■

　あなたは目を覚ました。

「……っ、ここは？」

　どうやら、サイショの村の入り口のようだ。

「えっと――」

　名前を入力してください。

「……って、なんだよ。さっきから下のとこに出てきてる黒枠は」

　名前を入力してください。

「…………」

　名無しの権兵衛は村へ向かった。

「デフォルトの名前がひどい……」

　こうして、勇者名無しの権兵衛の冒険は始まった。
　行け、名無しの権兵衛。
　戦え、名無しの権兵衛。
　パラドワカワールドに平和をもたらすために！

「名前入力って大事だよな」

このシナリオは、ヴァーチャル世界へ行って、
コテコテのロールプレイングゲーム世界でドタバタするコメディです。

ガイドでは、ヴァーチャル世界の描写をナレーション風味で行なっていますが、リアクションが全編そうなるというわけではありません。
また、名前に関しても改めて設定する必要はありません。
（好みで設定していただいても構いません）


■バグに取り込まれた契約者■
　バグに取り込まれた契約者は、このヴァーチャル世界で様々な役目を負わされています。
　例えば、村人Aだったり、武器屋の親父だったり、伝説の武器の護り人だったり、魔王の一人だったり、雑魚モンスターの一人だったりします。

　魔王や王様などになった人は、
　モンスターや兵士などのヴァーチャル世界内ＮＰＣに命令を与えることが出来ます。

　また、この世界では死んでしまっても、世界内のお金さえあれば教会で生き返れます。

■パラドワカワールド■
　どこぞのゲームで見たような街や遺跡やモンスター、どこかで聞いたような事件やイベントなど、おおよそＲＰＧにありそうなものは大概存在しています。

　携帯が使えます。
（携帯と同じ効果を持つ何かを設定しても良いです）

▼▼▼３つの秘宝の在り処▼▼▼
・龍の洞窟の奥。囚われし姫の牢の前にいるドラゴンの首輪の中。
・悪い噂が絶えない大金持ちの屋敷の何処か。大金持ちは５０億ＶＧ（ヴァーチャゴルダ）で売ってやると言っています。
・モンスター蔓延る魔王城の何処か。

・俺が勇者だ！

・ぶぁははは、私が魔王です。

・盗人する！