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【重層世界のフェアリーテイル】魔術師達の夜宴(後編)

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【重層世界のフェアリーテイル】魔術師達の夜宴(後編)

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シナリオガイド

封印の鍵と古の大魔法、そして大いなるもの
シナリオ名:【重層世界のフェアリーテイル】魔術師達の夜宴(後編) / 担当マスター: 泉 楽



このシナリオを含む、11月27日(日)までに公開される【重層世界のフェアリーテイル】後編へのシナリオ参加は、

【重層世界のフェアリーテイル】後編全体で、1ユーザー様につき最大2PCまでの参加』
『マスターシナリオ1つにつき1ユーザー様1PCまでの参加』
『同キャラクターの複数シナリオへの参加の禁止』

をお願い致します。

1PCが2本のシナリオへの参加決定、また1ユーザーが所有するPCのうち、3PC以上の参加決定が確認できた時点で、参加した全てのシナリオにおいて白紙扱いとなります。ご了承下さい。

※ただし、追加募集になった場合はその限りではございません。
 追加募集になったシナリオに限り、上記のルールは適応されなくなります。




 前回までのあらすじ

 ティル・ナ・ノーグの遺跡を抜けた先は、魔法が支配する世界でした。
 まるで中世ヨーロッパのような街「スプリブルーネ」には、「魔法協会」というこの世界を治める組織の本部がありました。
 契約者たちは「大いなるもの」について調べましたが、遥か昔に封印された邪悪な存在である、という以外に詳しいことは分かりません。
 そんな折、魔術結社「闇黒饗団」が「古の大魔法」を復活させようと、封印の鍵を握っている魔法協会を襲いました。
 契約者たちの活躍で撃退したものの、魔法協会のナンバーツーであるメイザースがさらわれてしまったのです……。
 

*  *  *

 

 バチリ、と炎が爆ぜました。
 四方を石壁に囲まれた、薄暗い部屋です。
「闇黒饗団(あんこくきょうだん)」のイブリスは、配下の魔術師や、味方になった契約者たちから襲撃結果の報告を受けていました。
「異界の勇者どもは、魂を幻想のまま統べる魔術を使役するか」
「『異界の勇者たちは、心を支配する術を使うのか』と申されています」
「ならば」
と、イブリスは傍らで通訳をしているネイラの額に、杖を当てました。大きな赤い宝石が輝き、ネイラは咄嗟に目を閉じました。
「……あの、何を?」
「異界の魔術を霧消すべく、混沌を遮る障壁を構築した。邪悪な精霊は、もはや力を発揮することはないだろう」
「なるほど……」
 きょとんとしている契約者に、ネイラが通訳してくれます。
「『異界の魔術を消すために、頭の中に壁を作った。もう、奴らの攻撃なんて怖くないぞ』と申されています」
 イブリスは幹部たちにも同じ術を施しました。
「それで、作戦は?」
「今宵は月が鮮血に彩られている」
「……」
 契約者たちの視線に気づき、ネイラが言い添えます。「『今夜の月は赤い』と申されています。しかも満月だ」
「月が赤いと何かあると?」
 ネイラが頷きました。
「異世界ではどうか知りませんが、月の赤い晩は魔力が高まります。満月も同様です」
「それじゃ、二つ重なると……」
「一年に一度、あるかないかです。儀式にはもってこいの晩ということですよ」
「儀式――それは、つまり」
「『古の大魔法』を復活させる儀式です」
 おお、と魔術師達の間にどよめきが広がりました。しかし、契約者たちは冷静です。
「『鍵』は? 鍵がなければ、それも不可能なのでは?」
「容易きことよ。愚者自ら、扉を開くよう仕向けてやればよい」
「『簡単だ。魔法協会自身に「鍵」を持ってこさせる』と申されています」
「どうやって……?」
 イブリスがニヤリ、と笑みを浮かべました。
「我らには、聖女の導きがある」
 イブリスの視線の先には、手足を拘束されたメイザースが昏々と眠り続けていました……。

* * *


 闇黒饗団の襲撃後、魔法協会の会長であるレディ・エレインと幹部たちで会合が開かれていました。
 契約者たちは不参加です。彼らは片付けに駆り出されていました。雑事を請け負っていたキルツが、内通者として拘束されているのでなかなか終わりません。朝になれば人払いの術式の効力は切れてしまうので、急いでほしいとエレインに言われています。
 ところが、報告の途中で契約者の一人が手紙を持ってきました。それを読んだエレインはハッと息を飲み、咄嗟に包帯の巻かれた手を口元に持って行きました
「どうかされましたかな?」
と尋ねたのは、幹部の一人、スタニスタスです。どう見ても百歳近い老人ですが、矍鑠としており、今回の戦いでも闇黒饗団の幹部を一人撃退しました。
「メイが敵の手に落ちたようです……」
「何と――“エレメンタルクイーン”が?」
 幹部たちから、戸惑いの声が上がります。メイザースは協会のナンバーツー。エレインを除けば、最も魔力が強く、また魔術に長けた人物です。その彼女が捕えられたということは、即ち、イブリスたち闇黒饗団の実力を証明しています。
「して、彼奴めは何と?」
「『封印の鍵』を渡せ――と」
 幹部たちはどよめきました。口々に「まさか」「そんな」と言っています。
「連中の考えそうなことですわい」
 エレインはかぶりを振りました。
「彼らを追ったまま行方が分からないと報告がありましたが、まさかメイが……」
「して会長、どうされるおつもりですかな?」
「それは――」
「貴女にとって、メイザースが特別な存在だというのは承知しております。いや、我が協会にとっても、彼女は次期会長候補として大事な人間です。が」
 スタニスタスは、じろり、とエレインを睨めつけました。
「『古の大魔法』が復活すれば、大変なことになるのではありませんかな?」
「――分かっています。決して彼らの手に渡すつもりはありません……」
 しかしエレインの口調は歯切れが悪く、フードで表情は分からなぬものの、唇を噛み締めているのが契約者にも分かりました。


「助けに行かないって!?」
 会議室での話を聞いた契約者たちが、声を荒げました。
「行かないわけじゃない。ただ、要求には従わない。つまり、『鍵』は渡さないってことだ」
「じゃ、メイザースさんを見捨てるのか!?」
「いや、もっともだ。『鍵』が奴らの手に渡ったら、まずい」
 契約者の意見も二手に別れます。散々話し合った結果、「鍵」の偽物を持って行くことになりました。
「それで、取引場所は?」
 闇黒饗団からの手紙をこっそり盗み見た契約者が、その内容を諳んじました。

「親愛なる魔法会会長殿――
 エレメンタルクイーンは預かった。無事に返して欲しくば、封印されし古の大魔法を復活させるための鍵を持って、今宵、街外れの古代遺跡に来られたし。

 闇黒の魔導師イブリスより
 (翻訳:闇黒饗団幹部ネイラ)」

「まさか、この古代遺跡って……」
「一つしかないよなあ――」
 そう、取引場所に指定されたのは、花妖精の村とこの世界を結びつけるゲートがある古代遺跡だったのです。
 ゲートを抜けた先は、スプリブルーネを一望出来る高台になっています。足元は円形に石が敷き詰められ、背後には巨大な石が四つ並んでいます。石には何やら文字が刻んであり、人工物であるらしいとまでは、誰しも察していました。
 困ったことになった、と契約者たちは思いました。もし遺跡が壊れたら、自分たちは元の世界に戻れるのでしょうか?
 メイザースを取り戻し、闇黒饗団の野望を防げるのでしょうか?
 何より古の大魔法は復活してしまうのでしょうか? そして「大いなるもの」は?
 指定の時間は真夜中、今よりきっかり四時間後。契約者たちは、悩み、迷いながらも各々の信念の元に動き始めました――。

担当マスターより

▼担当マスター

泉 楽

▼マスターコメント

泉 楽です。「魔術師たちの夜宴(後編)」のシナリオガイドをお届けします。
今回は前編の直後、午後八時頃(厳密には表示は異なりますが、分かりづらいので地球時間と同じにします)から物語は始まっています。

電気製品(パソコン等)は、第二世界に電気が通っていないため、充電が切れると使えなくなります。通信機能は、アンテナもないので使えません。ご注意ください。

前回参加された方で、「魔法協会:○○」や、「闇黒饗団:○○」の称号をお持ちの方(捕虜や客分等)は、説明のアクションがなくてもその設定の状態からスタートできます。
今回からご参加の方でも、いきなり捕虜や客分にはなれないというだけですので、普通にアクションをおかけください。

イブリスの細工により、闇黒饗団幹部は、精神攻撃系に強くなっています。また、イブリス、エレイン、メイザース、スタニスタスの四名は取り分け魔力が強いので、基本的に精神攻撃は効きません。




■目的
魔闇黒饗団に囚われたメイザースを救いだし、なおかつ、「鍵」を渡さないことです。「鍵」の在り処を知るのはエレインのみですが、魔法協会としては「鍵」を渡すつもりはありません。なお、協会はギリギリまで動きませんが、赴くのはスタニスタスの予定です。
一方の闇黒饗団は、イブリス、ネイラと共に取引に向かいます。その際、メイザースは連れて行きます。


■状況
現在(シナリオガイドの時点で、午後八時)も人払いの術式と結界は有効であり、街には人の姿はなく、外からの攻撃に対し、建物は影響を受けません。ただし、八時間後の朝四時にはどちらも解けてしまいます。
しかし、古代遺跡は別です。ここは結界の外ですので、くれぐれも壊さないよう気を付けてください。


■NPC
レディ・エレイン:魔法協会の会長。「レディ」は敬称。人前ではフードを目深に被っているため顔がはっきりと分かるわけではありませんが、外見上は二十代後半くらいです。魔法協会の会長ということは、現在の第二世界において最も強い魔術師である、ということになります。
封印の鍵の在り処と鍵の解放の仕方を知っている唯一の人物です。

メイザース:女性。白いローブを着た清楚な女性で、見た目は二十代前半くらいです。“エレメンタルクイーン”の異名を持つ、協会のナンバー2で会長の右腕。現在は闇黒饗団に囚われています。

キルツ:魔法協会で雑事を統括する魔術師。自分は戦闘に向いていないと思っていますが、魔力はそれなりに高いです。四十代。現在は内通者の疑いを受け、拘束中です。

スタニスタス:魔法協会幹部の一人。百歳近い老人で、幹部の中でも発言力を持っています。協会のナンバー3といったところです。

イブリス:顔はまだはっきりと分かりませんが、ヒゲが特徴的な偉そうなおっさんです。魔法に関してはレディ・エレインに匹敵するほどですが、どこか抜けており、しかも言っいてることが意味不明なため通訳が必要なほどです。
若い頃は前会長バリンの右腕でしたが、その頃とは別人のようになっています。

ネイラ:いつもイブリスの傍らにいて、通訳をします。彼を通すと、イブリスの言葉は大分フランクになってしまいます。


■クラス適性
 以下のクラスは第二世界において高い適性を持ち、適性のないクラスよりも有利になります。

ウィザード(魔法使い)、プリースト(僧侶)、フェルブレイド(魔剣士)、パラディン(聖騎士)、死霊術師(ネクロマンサー)、メイガス(賢人)、魔法少女、オンミョウジ(陰陽師)、ハイエロファント(神官)、ミンストレル(吟遊詩人)、ディーヴァ(歌姫)、シーアルジスト(召喚師)

また、それ以外のクラスでも魔法は強化されますが、上記クラスに比べるとやや不利になることをご承知ください。

 それでは皆様のご参加をお待ちしています。

▼サンプルアクション

・魔法協会側として、「鍵」の偽物を持って取引に向かう。

・「古の大魔法」と「大いなるもの」について、更に調べる。

・キルツや捕えた闇黒饗団のPCを取り調べる。

・闇黒饗団側としてイブリスと共に取引に向かう。

・捕虜なので逃げ出す。

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2011年11月24日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年11月25日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年11月29日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年12月13日


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